GAME SCHEDULE / RESULT

試合日程・結果

GAME RESULT 試合結果

2025明治安田J3リーグ 第9節

AWAY

ザスパ群馬

群馬

2025.04.13 SUN 14:08 KICK OFF

相模原ギオンスタジアム

1

0 1

1 0

1

試合終了

HOME

SC相模原

相模原

GOAL

  • 99 山田太郎 99'
  • 38 小西宏登 71'
  • 99 山田花子 99'
  • 23 加藤拓己 21'

J3第9節・ザスパ群馬vsSC相模原_プレビュー・コメント

■プレビュー

“萌芽”の手前。

壁を乗り越え、ネクストステージへ


3試合勝利のないザスパ群馬は今節、SC相模原とアウェイの地で対戦する。今季ここまで3戦全敗のアウェイゲームで初勝利を挙げ、イヤな流れを断ち切りたい。

2試合連続でノーゴールの現状でも、チームスタイルにブレはなく、沖田優監督が選手たちに求めるアプローチにも変わりはない。「自分たちの積み上げてきているスタイル、掲げている超攻撃的サッカーのコンセプトややり方は変わらないです」と指揮官。結果を無視するつもりはないが、スタイルを貫いていくことが現状打破の一番の近道であるという考え方は変わらない。

チーム全体でその思いを共有した上で、ピッチ上に目を向けると、GK近藤壱成の言葉が3試合ぶりにゴールを奪う大きなきっかけになるかもしれない。JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド1回戦のV・ファーレン長崎戦と前々節のギラヴァンツ北九州戦をベンチから見た守護神は「『すごいところでパスを回しているんだな』と、自分がプレーしているときよりも強く感じましたし、あらためて自分たちは難しいことにチャレンジしていると思いました」と新たな感覚を得たといい、こう口にもした。

「ビルドアップが整理されてきた手ごたえはすごくありますけど、ショートパスとロングパスのどちらか片方になってしまっては意味がない。どちらかに振り切って、遠くだけを見る、近くだけを見ようとすれば通せるようにはなってきていると思うけど、それをうまく選択することが大事です」

今季のチームには巧く、賢く、技術の高い選手たちがそろっているだけに、大事になるのは“絵と目と心”を合わせること。ボールを大事にする意識が強くなり過ぎるあまり、近いところでのパス回しが多ければゴールへの迫力は出ないし、ゴールを急ぐあまり長いボールが増えれば、それは沖田ザスパではなくなる。大事なのは使い分け。2試合ゴールから遠ざかっている現状だからこそ、ピッチ上の11人、ひいてはベンチメンバーを含めた20人が同じゴールへの道筋を描けるかどうかがあらためて問われている。

1月の始動から3カ月が経ち、公式戦を9試合戦ったいま、沖田ザスパは“萌芽”の手前まできている。ここからは、“ボールをつなぐ”という手段を“ゴールを奪う”という目的にいかにつなげていくか。『超攻撃的サッカー』を掲げる上で最も難しくもあり、一番大事な核となる部分にどれだけこだわって取り組めるか、そしてなるべく早いタイミングで多くの成功体験を積んでいけるかが、チームの行く末を左右するだろう。

似たようなサッカー観を持つシュタルフ悠紀リヒャルト監督が率いる相模原に対して、どれだけ相手よりもボールを握り、動かし、多くゴールに迫れるか。そして3ポイントを持ち帰る。

文:須賀大輔(エル・ゴラッソ群馬担当)


■コメント

沖田 優監督

 

Q.2試合連続無得点という状況で、今週はどのようなアプローチをしてきましたか。
「(前節・テゲバジャーロ宮崎戦に向けた)先週は(前々節・)北九州戦の反省を受けて取り組みました。引き続き、そこからの継続と積み重ねの部分もありますし、2試合連続で点を取れていないことにフォーカスした部分もあります。選手たちの向上心は感じているので、良い積み上げはできていると思います」

Q.得点や勝点から離れてしまっている中で、アプローチの仕方を変える部分はありますか。
「自分たちの積み上げてきているスタイル、掲げている超攻撃的サッカーのコンセプトややり方は変わらないです。いまはベースの上に積み上げをしているので、変化は特にないです。現状として、ゴールを見せ切れていない、勝点を取り切れていないけど、だから変えるということはないです。変えるとしたら、走る、戦う、最低限の守備力というベースの部分ですね。そこはあらためてアプローチしていますけど、自分たちの目指す超攻撃的スタイルで言えば、1カ月後にはここまで、3カ月後にはここまで到達したいという歩みに関しては、予定どおりに進んでいる感じです」

Q.超攻撃的サッカーを掲げている上でゴールを取れていないことは悔しいでしょうし、観ている人もそういう目で見ると思います。ただ、現実として“ゴールは水物”という言葉があるとおり難しい部分もあると思います。
「ゴールを取れていない現状は受け止めています。それでも、得点は目指していますし、選手たちも十分に適応して成長してくれています。毎試合4点、5点取れるようなスタイルを目指してはいますし、本当なら現時点でそういう姿を見せられていればいいなと思っていましたけど、まだまだそこまで到達していないのが事実だと思います。ただ、ある程度の期間が経過したときに、数字にも結果にも表れることを見据えられているというか、着実に進んでいるのは確かで、その手ごたえもあります。でも、サポーターの方たちは(スタジアムに)来たときに目の前で見たモノで判断するので、早くそういう姿を見せたい思いはもちろんあります。そこは心苦しい部分もありますが、選手たちは毎日努力し続けてくれているので、自分の責任が大きいと思っています」

Q.継続する部分と我慢する部分の両方がある中で、2試合連続無得点とはどう向き合っていますか。
「本当は開幕直後に訪れるかもしれないと思っていた状況を、ここにきて迎えているなと。シーズン当初はそうはならなかったですけど、自分の中では10節くらいまではこういう時期が来るとは想定していました。点が取れない、失点が増えるという壁にぶつかってしまうことはあると思っていました。その中、宮崎戦ではピンチを極力減らしつつ、どう点を取っていくのかという、勝つ可能性を高めるゲームはできたとも思っています。なので、評価している部分と、相手陣地でのスタイルの構築をしていかないといけないという課題の両方が出た試合でもあったと思います。

Q.得点源の1つであるセットプレーについてはどう考えていますか。
「セットプレーはかなり明確に攻守ともにミーティングはやっています。それを踏まえてトレーニングもしていますし、ゲームを大きく左右する得点機会、失点機会なので、重要なものだと認識しています。宮崎戦は少しそれに近かったですけど、もう少し自分たちのスタイルを表現できるようになって、CKの数が相手の3倍、4倍、5倍になっていくと『セットプレーが得点機会になるんだ』とさらになっていくと思います。押し込んでシュートは打てなかったけど、CKを取れてくれば得点機会の創出につながると思っているので、もっともっとCKを取りたいし、シュートを増やせばCKも増えるという形にしていきたいと思っています」

Q.今節・SC相模原戦から、いまだ勝利のないアウェイゲームが2試合続きます。
「しばらくホームゲームまで時間も期間も空くし、戻ってくるまでに、まずはとにかくこの相模原戦で絶対にアウェイ初勝利を挙げるんだと。それに向かって全力で準備していきたいと思います」

Q.相模原のシュタルフ悠紀リヒャルト監督とはS級ライセンスの同期ですね。
「志向しているサッカー、好きなサッカーはお互いにしこたまコミュニケーションをとってきたし、性格もよく知っている同士です。とはいえ、いま構築されているSC相模原のサッカーと今年から構築されたザスパ群馬という意味では、大枠や目指している最終系では少し似ている部分もあるかもしれないですけど、まったく色も違うチームだと思っています。個人的には楽しみにしていますが、まずはチームとしてしっかりとアウェイ初勝利に集中しないといけないと思っています」


DF 43 野瀬 翔也選手

Q.JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド1回戦のV・ファーレン長崎戦を含めれば、公式戦で3試合連続先発中です。
「最初、試合に絡めていない時期があったと思えば、いま使ってもらっていることはポジティブに捉えています。もちろん、自分の武器である守備の部分が通用しているところは大きいですけど、まだまだビルドアップなど課題も見えていて、すごく充実した時間を送れていると思います」

Q.ピッチに立つ機会が増え、チーム状況はどう感じていますか。
「自分が出てまだ勝ちがない現状があるので、しっかりと結果を出さないとこれから使ってもらえないと思っています。でも、まずは(失点)ゼロで抑えることが守備の選手として大事なことですし、前節(・テゲバジャーロ宮崎戦)はそれができたので、1つ課題はクリアできたと思います。次は勝ちをとりたいです」

Q.超攻撃的サッカーをする上で、CBとして攻守のバランスは見つけられ始めていますか。
「超攻撃的サッカーを掲げると攻撃に目が行きがちですけど、しっかりとした守備がないと安定した攻撃を出せないと思います。失点の多さはここ数試合の課題ですが、(前節で無失点に抑えられたように)そこも少しずつ改善できていると思います」

Q.どうしても個で守らないといけないシーンが増えてくると思います。
「それができる選手でないと守備の選手として価値がないと自分では思っていますし、そこで守れるのも自分の強みだと思っているので、逆にその状況はありがたいと思っています(笑)」

Q.ビルドアップのスタート地点として、出しどころがないときの対応策はどう考えていますか。
「それこそがいま自分が直面している課題であって、練習で少しずつ改善できていますけど、一番は試合で成功体験を得ることが大事です。消極的になるのではなく、いろいろとチャレンジして、いろいろな打開策を見つけられればとトライしている最中です。失うのが怖いからと蹴ってしまうのは違いますから」

Q.スペースがあれば運んでもいいわけですもんね。
「運ぶ部分は後ろの選手に求められていますし、自分はそれが得意なほうだと思っているので、もっと出していきたいと思います」

Q.今節・SC相模原戦に向けて。
「まずは勝つこと。ここ数試合で出た課題を解決できるようにやっていきたいですね。(相模原には)大きな外国籍FWや大学時代に対戦している選手もいます。とにかく勝つだけだと思うので集中してやりたいですね」


FW 20 下川 太陽選手

Q.前節・テゲバジャーロ宮崎戦は久しぶりにピッチに立ちました。
「良かったプレーもあれば、もっと仕掛けられたなという部分もありましたね。(メンバーから外れているときは)自分自身にベクトルを向けて、やれることは何かな、足りていない部分は何かな、としっかりと分析をして、その部分をグラウンドで表現したり、居残りでトレーニングしたりしてきました。その成果が少しは出せたと感じています」

Q.今季の群馬は超攻撃的サッカーに取り組んでいますが、どう感じていますか。
「自分のプレースタイルに合っているので、個人的にはすごくやりがいを感じています。まだまだ監督の求めることでできていないことはいっぱいありますけど、個人の課題に向き合いながら自分の特徴をもっと出して、チームに貢献していければいいと思います」

Q.まさにウイングのポジションは得点を生み出す重要な役割を担っていると思います。
「中盤の選手が僕たちウイングトップの選手にボールを供給してくれるけど、状況によってはボールが来ない時間もあります。それでも来たワンチャンスでどれだけ質の高いボールを届けたり、シュートを決めたりできるかが大事な部分になってくるので、個人としても右サイドからのカットインでのシュートを早く決められるようにしたいです」

Q.今節・SC相模原戦に向けて。
「相手のフォーメーションなどもありますけど、自分たちのスタイルをしっかりと発揮し続けて、前向きにチャレンジしていくことが大事だと思います。ゴールを決めます」


GK 13 近藤 壱成選手

Q.最近は外から試合を観る機会もありましたが、新たな気づきはありましたか。
「『すごいところでパスを回しているんだな』という感覚が、自分がプレーしているときよりも強かったですね。それは(ビルドアップが)安定していなかったということではなく、自分たちはこういうことをやっているんだと、あらためて思いました」

Q.あらためて、難しいことにチャレンジしているんだと。
「これを観ている人が心配せずにできるようになればもっと面白いサッカーになると思うし、観客が沸くシーンが増えてきたらいいなと思いました」

Q.そういう感覚を得てプレーした前節・テゲバジャーロ宮崎戦はどうでしたか。
「(試合間隔が空いたのは)リーグ戦で言えば1試合ぶんだけでしたけど、前半の最初のほうはプレスの感じ方が若干違っていました。ただ、ここは空いてくるよなというところは自分でも見えていて、外から見て感じたことをピッチに取り込めた部分と、逆にピッチを離れたぶん感じなくてもいいプレッシャーを感じていたかなと思います」

Q.ビルドアップの整理はされてきましたか。
「そこはすごくあります。ただ、ショートパスとロングパスのどちらか片方になってしまっては意味がないです。どちらかに振り切って、遠くだけを見る、近くだけを見ようとすれば通せるようにはなってきていると思うけど、それをうまく選択することが大事です。相手のプレッシャーの掛かり方とか、どこをイヤがっているかというところまで見えて、その時々に良い選択をすることができれば本物だと思うので、そこに向けて取り組んでいます」

Q.前節・宮崎戦では、近藤選手のフィードから青木翔大選手が落として西村恭史選手がシュートまで行くシーンがありました。
「後ろの選手は狙えるならフィードは意識していますし、前の選手もそこのスペースに入ることは意識していると思いますけど、宮崎戦はフィードがうまくいき過ぎていました。逆にそこで通るとなってしまって、インサイドハーフの選手が翔大くんをサポートすることばかりに意識がいってしまうと、つなぎたいときに受ける選手がいなくなります。そこは出し手だけの問題ではなく、受け手がどういう準備をしているから、いまはこっちを選択しようと、個人で良い選択ができるか、チームですり合わせていけるか。それが面白いですし難しいですけど、それができればどこのチームからもボールは取られないと思います」

Q.得点が取れていない中、最後尾から見ていて感じることはありますか。
「足を振る回数はシンプルに増やしていいと思います。ミドルシュートからのゴールがまだないですから。それがあるからこそ相手が出てきて、大事にしている(ペナルティー)エリアの中に入ることが出てくると思うので、足を振ることは大事にしたほうがいいと思いますね。あとは、矛盾するように聞こえてしまいますが、エリア内に入ろう、入ろう、クロスを上げよう、上げようとなり過ぎている傾向もあります。自分が守備の立場だとしたら、ずっとペナ(ペナルティーエリア)付近で握られているのはすごくイヤなので、そこを焦れずにやると。真逆な2つですけど、どちらも良くしていけると思います」

Q.今節・SC相模原戦に向けて。
「2試合連続で点を取れていないですけど、自分たちが後ろからボールをつなぐのも手段の1つでしかないので、自分が直接(点を)取ることはできないですけど、後ろからの動かし方でゴールは求めていきたいです。アウェイでまだ勝てていないですし、苦手意識を持ってしまったら本当に良くないと思うので、そうしないためにもこのアウェイ2連戦で何としてでも勝ちたいと思います」

progress of a match 試合経過

ザスパ群馬
SC相模原
前半後半データ後半前半
8シュート6
4CK3
GK
15FK10
オフサイド
0PK0

MEMBER LINEUP メンバーラインナップ

スターティングメンバー
  • GK 13 近藤壱成

  • DF 8 山内陸

  • DF 43 野瀬翔也

  • DF 3 大畑隆也

  • DF 4 船橋勇真

  • MF 15 風間宏希

  • MF 7 西村恭史

  • MF 27 藤村怜

  • FW 38 小西宏登

  • FW 9 青木翔大

  • FW 17 山中惇希

控えメンバー
  • GK 21 キムジェヒ

  • DF 22 高橋勇利也

  • MF 37 瀬畠義成

  • MF 35 玉城大志

  • MF 36 安達秀都

  • FW 2 田頭亮太

  • FW 23 小野関虎之介

  • FW 20 下川太陽

  • FW 18 田中翔太

監督
  • 沖田優

スターティングメンバー
  • GK 46 バウマン

  • DF 2 加藤大育

  • DF 5 田代真一

  • DF 33 常田克人

  • MF 4 島川俊郎

  • MF 36 中塩大貴

  • MF 7 河野諒祐

  • MF 11 武藤雄樹

  • MF 16 高野遼

  • FW 23 加藤拓己

  • FW 14 髙木彰人

控えメンバー
  • GK 1 三浦基瑛

  • DF 18 三鬼海

  • DF 28 小笠原佳祐

  • MF 6 徳永裕大

  • MF 17 竹内崇人

  • MF 25 田中陸

  • FW 9 ラファエルフルタード

  • FW 22 福井和樹

  • FW 99 イスマイラ

監督
  • シュタルフ悠紀リヒャルト

DATA 試合環境

入場者数
1347
天候
19.7℃ 60%%
主審
小林健太朗
副審
井出本瞭、菊池俊吾

MOVIE ハイライト動画

COMMENT 監督&選手コメント

監督コメント

「サポーターの方々は雨に濡れながらもあれだけずっと声援を送ってくれていましたし、ゲームもスタートから最後まで終始主導権を握れていたと思うので、何とか2点目、3点目を取って勝利を届けたかったですけど、そこが達成できなかったことはすごく残念です。ただ、キックオフから終始、ザスパ群馬の攻撃的なマインドを持ったサッカーをやり続ける、見せ続けるという意味では表現できた試合だったと思います。これを続けていけば、ここまでも一歩一歩積み上げてきましたけど、もう少しすればもうちょっと良い結果、数字がついてくると思っています。選手たちはよく頑張ってくれたので、称えたいと思います」

Q.主導権を握れていたからこそ、勝ち切れなかった思いが強いでしょうか。
「そうですね。ゴールをこじ開け切れなかった、勝ち切れなかったと思っています」

Q.3試合ぶりのゴールは生まれましたが、決定機をたくさん作っていくことが現時点での課題でしょうか。
「ここ2試合は得点が取れなかった中でようやく1点取れた思いはありますけど、ペナルティーエリア内での崩しは、自分たちの次の段階としてトライしている最中だと思っています。それでも、相手陣地でどういうサッカーをするのかというところは、前節(・テゲバジャーロ宮崎戦)よりも1つ階段を登れたと思っています。じゃあその次、あれだけ相手陣地に入れる、セカンドボールも回収できるとなったあとに、選手たちにはハーフタイムにも伝えましたけど、もう少し相手の脅威となるような、シュートまで行けるような終わり方を増やすために、もう少し詰めていかないといけないと思っています。この2週間、3週間は良い練習を集中してできているので、この先は楽しみだと思っています」

Q.得点シーンはきれいに崩せたと思います。
「ペナルティーエリアの中に人数を割いていくという形の中で、シュートを打つ、こぼれ球にも(詰めて)もう1回打つ、ペナルティーエリアに迫る人数や仕掛けもすごく良い攻撃だったと思います。クロスだけでなく、ペナルティーエリアの中を横切るボールを増やして、斜めのパスやGKとDFの間へのボールも増やしながら、得点数も増やしていきたいです。それができるようになれば、自然と勝点3は増えてくると考えています」

選手コメント

選手写真

FW38

小西 宏登Hiroto KONISHI

試合を振り返って
「アウェイでまだ勝てていなかったのと、ホームでも先週(前節・テゲバジャーロ宮崎戦)引き分けてしまって、自分自身もスタメンになってから勝てていなかったので、何としてでも勝ちたい一戦でした。結果は引き分けですし、目標としているJ2昇格には勝点3が必要なので、次の試合はもう負けられない気持ちでいます」

Q.意図的にボールを握れる時間が長かった中、決定力が課題になりましたか。
「そのとおりで、前半からボールの保持はできていました。その中で、自分のところで言うと、サイドでどういうふうにボールを受けるかは考えていました。試合が止まったときに監督と話したり、野瀬(翔也)とも話したりして、前半の最後のほうにはサイドで受けて仕掛ける場面もありました。けれど結局、最後のクオリティーの部分で言えば、ゴールにつながるパスやシュートは自分もそうですし、チームとしてももっともっと積み上げていかないといけないと思いました」

Q.攻撃の終わり方で大事にしていることはどんなことですか。
「サイドに入ったあとにポケットを取りにいく。中盤の選手がインナーラップをして、よりゴールに近いところでクロスに合わせたり、クロスへの入り方も誰がどこに入るかは話したりしています。惜しいシーンはありながらも得点につながっていないですが、もうちょっとチームですり合わせていくことで、もっとスムーズに得点につながっていくかなと感じています。ただ、フィニッシュの部分はずっと課題としてあるので、そこの質を上げていかないといけないですね」

Q.その質を上げるために大事なのは選手一人ひとりの意識の部分になりますか。
「みんな意識はしていますし、責任も感じています。そこは練習から取り組んでいますけど、結果につながらないと評価されないので、自分たちで得点につなげていくしかないと思います。あとはもう少しゴール前では単調にならず、工夫が大事かなと思います」

Q.その中でも得点シーンは理想的な形だったと思います。
「(山中)惇希くんは左からも突破できる選手だと分かっていて、(自分は)逆サイドですけど練習からコミュニケーションをとっています。自分がクロスを入れるときは惇希くんが入ってくる、惇希くんがクロスを上げるときにはここに入ってほしいとは話していて、(ゴールシーンでは)深い位置を取ってくれたので、マイナスに入りました。たまたまボールが前に転がってきて自分が決めましたけど、練習からすり合わせてきた形なので、偶然ではなく必然のゴールだったと思います」

Q.あの形をどのくらい増やしていけるかが大事ですね。
「監督からもワイドトップからワイドトップのところは意識的に言われていましたし、それで得点を取れたことは良かったと思っています」

選手写真

MF17

山中 惇希Atsuki YAMANAKA

試合を振り返って
「前節(・テゲバジャーロ宮崎戦)に比べれば、自分の良さを出しつつチームとしてもやりたいことは出せたと思いますし、突破からクロスのシーンは多く作れたと思います。充実したゲームにはなったと思っています」

Q.前半は少し攻めあぐねた感覚もありましたか。
「相手が引いてブロックを敷いてきていたので、チームでも『目線を変えて崩していこう』と話していた。そこの部分を意識しつつ、どこで良さを出そうかうかがって前半はやっていたところはありました。
前半の布石を後半で拾ったというか、割と狙ってはいたので、相手も疲れてきたというか、ずっと狙っていたからこそあの得点につながったところはありますね」

Q.ゲームを支配している時間が長いからこそ、得点が取り切れなかった印象も残ると思います。
「1点にとどまってしまったのは最後の質のところだと思いますし、(そこを解消できれば)2点、3点取って勝てるチーム、本当に強いチームになってくると思います。あれだけボールを握っていても結果を見たら1-1でしたとなると、優勝・昇格という目標は遠くなってしまうので、そこはいち早く2~3点取ってゲームをクローズできるチームになっていかないといけないです。オキさん(沖田優監督)もそれを望んでいるので、少しでも早くそうなれるように練習からやっていかないといけないですし、自分自身の良さをどこで出せるか狙いながら、やっていきたいと思います」

Q.次節は首位・FC大阪とのアウェイゲームになります。
「すごくタフなチームであると感じているので、まずはベースの部分で負けない。現状、自分たちはチャレンジャーなので恐れる必要はないですし、自分たちのやりたいことをやりながら、サッカーのベースの部分の戦いにもしっかりと勝って、今月のラストゲームをしっかりと勝って終わりたいと思います」

選手写真

MF27

藤村 怜Ren FUJIMURA

試合を振り返って
「内容的には勝たないといけない試合でした。前半は相手にほぼチャンスがなかった中で一発で決められてしまって、そこから追いつけたことは良かったですけど、チャンスの数的には3点、4点と決められた試合だったので、もったいない試合をしてしまったと思います」

Q.2試合連続で引き分けと、勝ち切る力がいまは必要だと思います。
「チャンスはある中で決め切れないと。(攻撃の)形自体は作れているし、自分たちは間違っていないと思うので、そこの精度を上げていくに限りますかね」

Q.これだけ引かれた相手を崩すのは簡単ではない中でどのような工夫が必要か
「前半はなかなか良い形が出せなかったですけど、回し続けることで相手も疲弊してきますし、それがあったから後半は多くの場面でペナルティーエリアに入れたと思います。カウンターに対するリスク管理とのバランスも良かったと思いますし、崩しに関してはストレスなくできていたと思います」

Q.4試合勝利がない中で、チームとしてのメンタリティーはどうでしょうか。
「勝ちがないのはやっぱりチームとしても前向きな感じではないですけど、(この試合で言えば)内容的には圧倒していますし、これを続けていければ自然と連勝していけると信じています。そのときのために練習し続けるマインドではあります」

Q.次節は首位・FC大阪とのアウェイゲームになります。
「僕たちのやることは変わらないです。相手が首位だからと気負いすることもないですし、勝ちだけを目指して自分たちのサッカーをやるだけですね」

SUMMARY総括

ドロー決着で見せたもの。
充実の内容と流麗な崩し


アウェイ初勝利、そして4試合ぶりの勝点3を目指すザスパ群馬は、今季初めて前節からスタメン11人を継続した。ゴールは近藤壱成が守り、4バックには船橋勇真、大畑隆也、野瀬翔也、山内陸が並び、中盤は風間宏希、藤村怜、西村恭史で形成。前線は青木翔大を頂点に、右に小西宏登、左に山中惇希が入った。

群馬はピッチを広く使いながらボールを動かし、立ち上がりから主導権をつかむ。3分にはファーストシュート。CKの二次攻撃から右サイドで押し込み、小西の折り返しから藤村が右足を振り抜いた。

その後も圧倒的にボールを支配する群馬は、雨や風の影響も受けずにゲームを進める。これまでのアウェイゲームではビルドアップに苦戦することが多かった中、安定したビルドアップと狙いを持ったロングフィードを織り交ぜながら攻撃を仕掛けていった。13分には左サイドを起点とした連続攻撃からチャンスを創出。西村が惜しいシュートを打つが、相手GKの懸命な守備に阻まれた。

守備も安定し、完全にゲームの主導権を握っていた群馬であったが、ファーストピンチで先制を許してしまう。21分、セットプレーからのクロスははじき返すが、そのクリアボールを拾われると、クロスから失点。加藤拓己に強烈なヘディングシュートを叩き込まれた。

スコアが動いてもゲームの構図は変わらず、群馬がボールを握り続ける。焦れることなくボールを動かして相手を揺さぶりながら、両サイドを起点に押し込んでいく。そして45+2分に決定機を作り出す。右サイドから小西が得意の左足で入れたクロスに対して、青木が頭から飛び込む。しかし、シュートはポストを直撃して同点とはならなかった。

前半終了間際に負傷交代から安達秀都、後半開始から下川太陽を入れ、それに伴って立ち位置が変わる選手もいたが、群馬はポゼッションで大きく上回り敵陣で多くの時間を過ごした。

その姿勢がようやく71分に実る。右サイドから左サイドにボールを動かし、藤村が縦パスを入れたところで一気にスピードアップ。山中の折り返しに合わせた安達のシュートはGKのセーブに遭ったが、こぼれ球を小西が蹴り込み、ついに同点に追いついた。

その後も逆転を狙って攻め続けたが、山中がゴールネットを揺らしたシーンはオフサイドの判定となるなど、歓喜を呼ぶ2点目は遠いまま、後半も気がつけばアディショナルタイムに突入。結局、決着はつかずに1-1の引き分けに終わった。

群馬からすれば3試合ぶりにゴールが生まれたことはポジティブな材料。ほとんどの時間帯でボールを握って押し込み続けただけに、アウェイ初勝利につなげられればベストだったが、内容は充実していた90分となった。

文:須賀大輔(エル・ゴラッソ群馬担当)