FW9
青木 翔大Shota AOKI
ザスパ群馬
群馬
正田醤油スタジアム群馬
2前半 0
0後半 0
試合終了
栃木シティ
栃木C
前半 | 後半 | 計 | データ | 計 | 後半 | 前半 |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | シュート | 12 | ||||
7 | CK | 8 | ||||
GK | ||||||
17 | FK | 7 | ||||
オフサイド | ||||||
0 | PK | 0 |
GK 13 近藤壱成
DF 2 田頭亮太
DF 3 大畑隆也
DF 22 高橋勇利也
MF 8 山内陸
MF 6 米原秀亮
MF 7 西村恭史
MF 11 加々美登生
FW 20 下川太陽
FW 9 青木翔大
FW 17 山中惇希
GK 1 石井僚
DF 43 野瀬翔也
MF 37 瀬畠義成
MF 35 玉城大志
MF 36 安達秀都
MF 27 藤村怜
FW 38 小西宏登
FW 18 田中翔太
FW 10 髙澤優也
沖田優
GK 31 相澤ピーターコアミ
DF 22 鈴木裕斗
DF 2 カルロスエドゥアルド
DF 15 佐藤喜生
DF 33 乾貴哉
MF 14 関野元弥
MF 26 宇都木峻
MF 16 加藤丈
MF 8 森俊貴
FW 9 都倉賢
FW 77 田中パウロ淳一
GK 1 原田欽庸
DF 42 マテイヨニッチ
MF 11 表原玄太
MF 20 土佐陸翼
FW 19 村越健太
FW 24 熊野敬二郎
FW 25 東川続
FW 40 鈴木国友
FW 99 平岡将豪
今矢直城
「風がかなり強い中で、前半は優勢で、後半は思ったようにゲームは進められない流れになりました。選手たちは自分たちのスタイルを出すことに集中してくれて、結果的に2-0で勝てたことは良かったと思っています」
(沖田監督にとって、監督としての初勝利です。いまの気持ちを教えてください)
「自分にとっての初勝利ということ以上に、このグループ、このチームになって、選手たちにとっても初勝利だと思います。(チームが始動してから)7週間しか経っていない中でこういう攻撃を意識したプレーをお客さんの前でできることに関しては感謝したいですし、選手たちに『初勝利おめでとう』という気持ちのほうが強いですね」
(クラブとしては昨年9月以来、5カ月ぶりの勝利になりました)
「自分は、昨年(の結果)がどうだったかというのはまったく意識していなかったです。ただ、サポーターのみなさんにとってはこのスタジアムで久しい勝利だったということなので、すごくうれしいです。とにかく1試合でも早く勝利を届けたいし、ゴールを見せたいし、それは今日のミーティングでも『とにかく早く、ゴールと勝利を届けよう』という話はしていました」
(得点シーンを振り返っていかがでしょうか?)
「しっかりと(パスを)つなぎながら敵陣に入っていく。1点目は、そういうプレーを出した中でのCKでしたし、2点目はアンカーのヨネ(米原秀亮)のターンから一気に背後を取ったところからのゴールでした。しっかりとワンタッチで(クロスを)上げられるときに前線の選手がGKの前にしっかりと走り込んでいる点では、トレーニングでしっかりとやってきたことがすごく出たゴールだと思っています」
(後半の試合運びと選手交代についてはどう感じていますか?)
「点差と風向きを考えれば、相手は前半以上に圧を掛けてくると想定していましたし、ハーフタイムに選手たちにも話していました。(後半の)最初の最初は少しうまくいっていましたが、途中からうまくいかなくなりました。システムも人も変更したのは流れを変えるため。ただ、システムを変えたことは守ろうと思った上でのシステム変更ではなく、相手のボールを下げやすくするために変えましたし、相手陣に入ってもっとボールを動かす時間を作りたいという意味での変更でした。それについては、思ったような回数と時間を作り出すまでにはもっていけなかったと感じています。それでも、数回はありましたし、要所、要所で効いていたシーンはありました。変える前よりも相手の流れを変えられた部分はあると思いますので、少しの効果はあったかなと思います」
(前節のあとに、『後半の内容を前半から出せれば』という言葉がありました。この試合では前半からいい内容を披露できていたと思います。この1週間、どんなアプローチをしてきたのでしょうか)
「その話は今週頭のミーティングでも振り返って、『あの内容を90分できるようにしよう』という意志合わせはしました。選手自身もそれはみんな感じ取っていたようで、今週1週間、選手たちは非常に集中して『少しでもレベルを上げるんだ』と、僕が『集中しろ』と言う必要はいっさいなく、能動的に取り組んでくれました。それが今日の試合の前半につながったのではないのかなと思います。反省を選手たちがしっかりとピッチで表現してくれたので、そこはすごく評価しています。素晴らしいと思います」
(風が強く、それに相手が前からプレッシャーを掛けていたら、長いボールを蹴りたくなる気持ちも出ると思います。それでもしっかりとパスをつなぎとおす選手たちのマインドはどう映っていますか?)
「キャンプ中から、風が強くても、ボールを取られても、選手たちは続けてくれています。その思いを選手たちはしっかりともってくれていると思います。GKのところで取られようが、ペナルティーエリアの近くで奪われようが、まったく関係ないので(笑)。自分も『続けろ、続けろ』と言っていますし、選手自身がまったく怖がっていないことが本当に素晴らしいと思います」
(そういう姿勢が結果につながったことが大きいですね)
「そうですね。それを続けながら勝つ。2点を取っているからということでそれを止めて、蹴って、時間稼ぎだけをして勝っても、自分の中ではそれは価値が低いと思っています。1試合、1試合、目の前の試合に勝つことも大事ですが、中長期的なこのチームの成長も考えているので、まだ7週間しか経っていない中で本当は怖いと思いますが、選手も本当に勇気をもって、よくチャレンジしてくれているなと思っています」
(この2試合を終えての手ごたえを教えてください)
「どんな相手も、どんなシステムでも、どんなプレッシャーの掛け方をされても、必ず相手陣のペナルティーエリアまでボールを運んで行くことを目指すチーム作りを初日からしています。それをできるようになるのに時間を要するのが普通のチームで、普通の選手たちだと思いますが、7週間でここまで進んでいます。選手たちの成長力と順応力はものすごく高いものだなと思っていて、すごく評価しています。6週間しか経っていない中での開幕戦という緊張感、まだ勝っていない中での第2節と、お客さんの前でプレーするのは、選手として本当はものすごく怖いことだと思うんですよね。それをキックオフした瞬間からやる選手たちの逞しさはすごく感じています。そういうマインドを植え付けたいとスタートしましたが、もうちょっと時間が掛かると思っていました。本当はミスだらけで大量失点して2連敗してしまうことも十分にあると覚悟しながらスタートをしましたが、しっかりとある程度のお客さんに伝わるくらいの攻撃を示しながら、しかも1勝1分と負けることなく勝点4を積み上げました。選手たちの対応力と成長力にびっくりしています」
(いま感じている課題はありますか?)
「プレーの精度ですね。チームとしても、もっともっといろいろな形やシステム、バリエーションの中で、プレーの精度を上げて何回も何回もペナルティーエリア内に入る回数を増やしたいですし、シュート数も増やしたい。そして、ミスを減らしていきたい。その3つに関しては、試合を重ねるごとに10節、20節、30節と進む中で確実に成長していくと思っています。結果を出しながら成長しながら、まず今季はJ3優勝に向かってやっていきたいし、それだけに終わらずにもっと精度を上げて、シーズンが終わったころにはJ2上位くらいの力をもっている状態で1年間を終えたいと思っています」
(次節・AC長野パルセイロ戦に向けて)
「このチームにとっては初めてのアウェイゲームですが、アウェイだからといって少し守備にウエイトを置くということはまったく考えていないです。ホーム・アウェイに関係なく、自分たちのスタイルを貫きとおして勝てるように、1週間また準備をしたいと思っています」
FW9
青木 翔大Shota AOKI
試合を振り返って、いかがですか?
「風が強くて寒い中でしたけど、サポーターのみなさんがいい雰囲気を作ってくれて、その中で勝てたことは良かったと思います。まだまだミスは多いですし、僕のところでノッキングを起こしている場面も多いので、まだまだ改善する余地はあると思います」
先制ゴールは今季のチーム初ゴールにもなりました
「そこまで意識はしていなかったですけど、チャンスが回ってきて、ポジション争いがある中で結果を残していかないといけないと思っていたので、まず1つ取れたのは良かったですね」
先制点の形はチームとして狙っていた形だったんでしょうか?
「きれいなゴールではなかったですけど、こぼれてくるだろうなという予測の中でこぼれてきました。きれいではなかったですが、1点は1点なので決められて良かったですね」
今日の試合の収穫と課題を教えてください
「まず勝てたことは収穫で、勢いが付くと思いますが、だからといって一喜一憂するのではなく、課題も出たので勝ちながら修正していくことが大事だと思います」
あらためて、4年ぶりに群馬へ帰ってきたことの思いを聞かせてください
「J3というカテゴリーですが、自分を必要としてくれたクラブですし、サポーターのみなさんも本当に温かく迎えてくれたので、結果で恩返ししないといけないと思っています。強い覚悟と言葉で言うのは簡単ですが、その言葉に尽きるくらいの強い覚悟で今季はやろうと思っているので、何としてもJ2に昇格できるように頑張っていきたいと思っています」
MF7
西村 恭史Yasufumi NISHIMURA
試合を振り返っていかがでしょうか?
「ホーム2連戦だったので絶対に勝ちたかったですね。風が強くて、後半は難しい時間帯も続きましたが、チーム全員でしっかりと守って全員で取った勝利だと思います」
ゴールシーンを振り返っていただけますか?
「(山中)惇希のボールもすごく良かったですし、その前の流れも普段から練習しているような形が出ていました。ゴール前に入っていくことは自分の強みでもあります。そこにいいボールが来たので、自分は当てるだけでした。惇希には感謝していますし、ホームで初ゴールを決められたので良かったと思います」
今季は『超攻撃的サッカー』を掲げている中でいまのチームの手ごたえはいかがですか?
「昨季と違うサッカーをしていると思いますが、日に日にうまくなっていると感じる部分も多くありますし、もっとうまくなると思えるところも多くあって、観ていても楽しいというサッカーはまだまだできると思います。自分たちもやっていて楽しいサッカーをいま以上にできると思うので、勝ちながら、改善するところはしていくということを続けていければいいと思います」
ご自身の役割はどう感じていますか?
「自分は(加賀見)登生や(藤村)怜のようにドリブルで打開していくというよりも、ボールに触るタイプなので、ボールを前進させる過程に関わりながらゴール前に入っていくところや、守備のところでは相手の攻撃の芽を摘むなど、要所、要所で効くようなプレーが持ち味です。ポゼッション(のサッカー)をやっている以上はミスもあるので、自分のところでボールをバチっと取れればいいですね。そういうシーンはもっと増えてくると思いますし、攻撃でもゴールやアシストはここから増えてくると思うので、そこを意識してやっていければいいと思っています」
DF3
大畑 隆也Ryuya OHATA
引き分けに終わった前節を経て、今節はしっかりと勝利で終えることができました
「先週は勝つべき試合を引き分けてしまったので、今日は何としても勝たないといけないという思いの中で勝利できました。そこはひと安心ですね」
前節の反省を生かし、今節は前半から自分たちのスタイルを出せていたと思いますがいかがでしょうか?
「いい部分も出せていましたが、風もありましたし、自分たちはもっとやりたいことがあって、そのレベルは上にあります。もっともっと良くなると思うので、もっと(やりたいことを)出していきたいというのが本音ですね。環境とか関係なくできるようにならないといけないと思っています」
守備陣としては2試合連続無失点という結果が出ていますが、いかがでしょうか?
「いい攻撃がいい守備につながると思うので、そこはプラスに捉えていますし、僕たちが集中して相手を抑えれば攻撃の選手も思い切って攻撃できると思うので、2試合連続無失点は良かったと思います」
攻撃の起点として大事にしていることはなんですか?
「監督も『(つなぎのミスから)失点しても俺の責任だから自信をもってやれ』と言ってくれていますし、そういうメンタリティーではやれています。ただ、もっとうまいことをやれればもっとチャンスは広がると思うので、まだまだ攻撃に関してはやるべきことがあると思っています。まだ2試合が終わった段階で伸びしろはありますし、沖田さんも『もっと良くなっていかないといけない』という話をされているので、自分たちも求められていること以上に成長できるようにやっていきたいです」
昨季から考えても久しぶりにホームで勝利を喜べたことについて、いまの思いを教えてください
「僕は群馬出身なので特にみなさんに悲しい思い、もどかしい思い、苦しい思いをさせてしまっていたと思っていました。早く勝利を届けたいと思っていた中で、先週に勝てれば良かったですけど、2節目で勝利できたので、やっぱりひと安心しましたね。ただ、これを継続していかないといけないと思っています」
約6カ月ぶりの勝利。
攻撃的につかんだひさびさの勝点3
タイムアップを告げるホイッスルが鳴り響いた瞬間、スタジアムの至るところで歓喜の輪ができた。ザスパ群馬が勝利。クラブとしても昨季のJ2第29節・ブラウブリッツ秋田戦以来の勝点3となり、およそ6カ月ぶりに正田醬油スタジアム群馬が喜びと笑顔であふれた。
前半がすべてだった。特に後半はゲームを支配し、攻め込む時間を長くしながらも勝ち切れなかった前節・FC琉球戦の反省をもとに、今週のミーティングで沖田優監督と選手たちは意志をすり合わせた。「あの内容を90分できるようにしよう」。この日の先発に選ばれた11人がそのとおり実行する。
キックオフ直後、まだ1分も経過していないファーストプレーで最終ラインでのビルドアップの乱れを突かれ、栃木シティFCの都倉賢にシュートまで持ち込まれてしまう。それでも、選手たちはまったく慌てないしブレない。相手のプレスの掛け方や人の配置を冷静に、そして的確に見極め、最終ラインから細かくつないでボールを前進させていく。6分には右SB田頭良太がインサイドに入って引き出したところから、西村恭史、下川太陽、加賀見登生とつなぎCKを獲得した。
吹き付ける強い風にも、栃木シティの前線からのアグレッシブな守備にも恐れを抱かない群馬はビルドアップからリズムを掌握していく。風上のコンディションもうまく利用しながら、果敢にゴールを目指していった。そして24分に先制点が生まれる。CKの二次攻撃から最後は青木翔大が体ごと押し込みゴール。4年ぶりに帰ってきた献身のストライカーが、チームの今季初ゴールを挙げた。
先制点によりがぜん盛り上がるスタジアムの空気の中、得点直後の25分に再び青木翔大が決定機を迎えると、アディショナルタイムの45+2分には流れるような攻撃を披露する。中盤でセカンドボールを拾った米原秀亮が華麗なターンから左サイドに展開。これに抜け出した山中惇希がゴール前へダイレクトで上げたクロスに2列目から走り込んできた西村恭史が頭で合わせる。まさに、“これぞ沖田ザスパ”という攻撃で貴重な追加点を奪った。
風下の後半は、49分にゴールキックのつなぎでミスが起こり、いきなりピンチから迎えるが、ここはCB高橋勇利也が渾身のカバーでゴールを死守。67分には右サイドを崩され、シュートを打たれるが、今度はGK近藤壱成がセーブ。セカンドボールにも素早く対応してゴールを守り、守備陣が体を張ってチームを盛り立てた。
ピンチやミスはありながらも、チームとして目を引いたのは、2点のリードがあろうが、風下に立たされようが、ピッチ上の全員がつながりボールをつなぐ意志を放棄しなかった姿勢。プレシーズンから積み上げてきた努力と成果と覚悟が伝わってきた。
90分に途中出場の髙澤優也のヘディングシュートは相手GKに止められ、ダメ押し点とはならなかったが、2-0のスコアを保ったまま試合終了。ホームのファン・サポーターと一緒に久しぶりに味わうこの感情に地元・群馬出身の大畑隆也は「早く勝利を届けたいと思っていたのでひと安心です」と一瞬、胸をなで下ろしつつ、「これを継続していかないといけないと思っています」とすでに次を見据えていた。
文:須賀大輔(EL GOLAZO)
攻撃vs攻撃。
「面白みのある試合を見せられればいい」
二度目の正直へ──。ザスパ群馬が今季初勝利をつかむべく、ホーム開幕2連戦の2試合目に挑む。
開幕戦となったFC琉球戦は勝つことができなかった。再三にわたって攻め立てるも、最後まで1点が遠く、勝点3を得ることはできず。残ったのは勝点1であった。ただ、それ以上にチームや選手それぞれに残ったものがある。それは“やれる”という手ごたえ。6週間あったプレシーズンで沖田優監督の下で築き上げてきた攻撃的なサッカーの片りんを開幕戦からしっかりと表現できたことは、これから長いシーズンを戦っていく上で自信になる。
特に後半に見せたサッカーは、大きな希望を抱かせた。GK近藤壱成をディフェンスラインのビルドアップに組み込みながら、相手のプレッシャーを剥がし、スムーズに敵陣へと侵入。そこから両サイドを幅広く使った攻撃は相手を惑わせ、観る者を魅了した。左WG山中惇希のクロスに右SBの田頭亮太が飛び込んで合わせた51分のボレーシュートや、加々美登生の折り返しから河田篤秀が狙いすまして放った73分のシュートが枠を捉えられていれば、文句なしのゲーム展開であっただろう。ただ、やはり得点は水物。最後尾で攻撃の起点を担うGK近藤は「相手の陣地に入って、ペナルティーエリアに侵入していく回数を増やしたいですね。前節は枠内シュートが7本で無得点でしたけど、(ペナルティーエリア内に入っていく回数を増やして)枠内シュート数を10本、15本にしていけば、自ずとゴールは生まれると思う」と前向きに捉えている。
その試合から、1週間の準備期間を経て迎える今節の相手は栃木シティFC。昨季、JFLの舞台で最多得点を誇り、優勝してJ3に昇格してきたチームだ。開幕戦では昨季終盤までJ2昇格プレーオフ争いを演じていたSC相模原に勝利。Jリーグの舞台でも戦える力を十分に示した、厄介な相手である。
昨季、北海道コンサドーレ札幌のコーチとして栃木シティFCと天皇杯で対戦した経験をもつ沖田優監督は、「すごく力のあるチームだと思います。天皇杯で戦って、今矢直城監督のチームを見たことがあります。そのときからJFLレベルのチームではないと思っていました。それは開幕戦を見ても変わらず、力のあるチームだなと思いましたし、今季は補強もして、いいチームだなという印象に変わりはないですね」と警戒。横浜F・マリノスでアンジェ・ポステコグルー監督(現・トッテナム・ホットスパーFC監督)の通訳を務め、誰よりも近いところでアタッキングフットボールの影響を受けてきた指揮官が率いるだけに攻撃的な姿勢でぶつかってくることは間違いないだろう。沖田監督は「攻撃を大事にしているチームだと思うので、攻撃vs攻撃の対峙で、試合がどうなるのかはすごく楽しみにしています。ホームの中で群馬サポーターに面白みのある試合を見せられたらいいと思います」と真っ向勝負を挑むつもりだ。
開幕戦ではスタイルと方向性を示した。それなら、次は勝利を挙げてファン・サポーターと喜び合う番だろう。沖田ザスパは、いつでも攻撃的に勝利をつかみにいく。
文:エル・ゴラッソ群馬担当 須賀大輔
沖田優監督
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Q.ミーティングで選手たちに伝えたことは何ですか。
(開幕戦では)自分たちのサッカーに対して現時点でやれることは、怖がることなくみんながトライしてくれたと思っています。そのスタイルや目指しているものに変わりはないので、その確認をしました。(開幕戦の)後半のようなサッカーを、前半から見せた上で、どうやったら90分間やっていけるかということを確認しました。
Q.ボールを保持しながら攻め込み、相手をもっと走らせたかったということでしょうか。
そうですね。前節の前半は一人ひとりがボールを離すのが少し早過ぎました。前半は相手もまだ元気ですし、手堅い守備をされた中で少し苦しんだ印象はあります。本当にいい自分たちの状態を表現できず、ミスも多かったということも伝えました。
Q.ボールを動かす理想の形はどういうものですか。
GKを攻撃に参加させるのは絶対。そして、相手陣地までパスをつないでしっかりと前進させていく。相手がどのシステムでも、どういうプレッシャーの掛け方をしてきても、自分たちはそれを剥がしていける、ということを示したいです。チームの中でも、攻撃のバリエーションやパターン、サッカーの型というものはこの6週間でいろいろとやってきました。1種類ではありません。琉球のような守備の仕方に対しては、ある程度表現できたとは思っています。また、次の相手は違う守備の形だと思っています。プレッシャーをいつでも回避して、前に進んでいくという方向性はチームで共有しています。
プレッシャーの掛け方がマンツーマン色の強いチームが相手ということもあれば、そうでないチームあります。ではどういうバリエーションでやるかというのは、ある程度選手の頭にも入っています。キャンプ中もいろいろなタイプのチームと対戦できましたからね。ただ、公式戦ではまだ1チームとしか対戦していません。ここからどんなチームが相手でもまずはパスをつないで相手のプレッシャーを剥がしていきます。そのスタイルには変わりはないです。
MF 27 藤村怜
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Q.前節・琉球戦を振り返って。
後半の戦い方を前半からできていれば、相手も消耗したと思いますし、得点は取れていたと感じています。それはチーム全体としても共有しました。
Q.パスをつないで攻める中で、相手を動かせている感触はありましたか。
前半から相手のイヤがる位置でボールを受けようとしていましたが、相手の守備の距離感が良かったですね。全体的に攻め急ぎ過ぎた印象もあるので、もっとパスを回して、回して、スキがあれば行くという形でも良かったかなと感じています。それでも、最初の試合にしてはいい内容だったとは思います。
Q.ボールを保持する中で、どこでスピードアップしていくかというポイントもありそうです。
ボールを回していく中で、相手の守備のスライドが間に合わず、間がポンと空くことが必ずあります。それを狙う駆け引きが一番難しいところだと思っていて、ボールに対して2人、3人とつながっていく攻撃のバリエーションを出すことができれば、うまくいく印象はあります。
Q.周囲との連係で意識しているところはありますか。
誰かにボールが入りそうなときのサポートのタイミングは意識しています。“3人目の動き”は今季、チームとしてもやりたい部分ではあります。常に相手と味方を見ながら、裏を取ることを考えながらやっていますね。
Q.インサイドハーフからも相手最終ライン裏へのランニングは意識しているのですね。
たとえボールが出なくても相手をつる動きにつながりますし、それらがつながっていくことで初めて相手を崩せると思います。それが一番難しい部分ですが、攻撃を作っていく段階ではボールを取られる気はしないですが、どこで攻撃に出て行くかの見極めは難しいですね。
Q.昨季は負傷が長引いて、出場機会が限られました。開幕戦は先発。いま感じている充実感を教えてください。
公式戦は11カ月ぶりくらいでした。あまり意識はしていなかったですが、試合感覚は大事だと痛感しています。試合に出られたことに対する喜びも感じつつ、早くもっといまの戦い方に慣れるようにしたいです。自分のプレーが出せずに悔しさが残る開幕戦でした。もっと良くなると思うので、練習から試合のテンションでやっていけば自然と結果は出ると思っています。
GK 13 近藤壱成
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Q.Jリーグデビューとなった開幕戦を振り返って。
クラブハウスでミーティングしていたときが一番緊張していました。そこからバスに乗ったときも緊張していると感じましたが、スタジアムに着いてウォーミングアップをし始めたときに緊張がほぐれてきて、『やってきたことを出すだけだ』という考えになりました。試合ではやってきたことを出せたと思います。
Q.緊張の理由は。
ずっと立ちたかった舞台で緊張したのもあるでしょうし、この新しいサッカーの中で、自分がいいプレーをできなかったらチームが崩れるのは分かっていました。攻撃のスタートを任せてもらっているぶん、プレシーズンの6週間で積み上げてきたサッカーを見てもらいたいし、そのためには自分がビビっていてはダメ。そういう緊張はありましたね。でも、試合に入りのところでビビらずにやろうとしていたことがうまくいきました。6週間やってきたこと出せたと思います。
Q.上手くボールを動かせていたと思います。
キャンプのときから、[4-4-2]で守備をハメにくるチームには絶対に取られない自信はありました。J1、J2のチームを相手にやれていたことがJ3の舞台で出せなかったら、オキさん(沖田監督)が言っているようにJ1基準を絶対に達成にできないですしし、J3優勝にもつながらないと思います。ビビらずにやれて良かったです。
Q.今後はどうアタッキングサードに入っていくかというテーマもありそうですが?
相手の陣地に入って、ペナルティーエリアに侵入していく回数を増やしたいです。前節は枠内シュートが7本で無得点でしたが、そうしていけば自ずと10本、15本とシュート回数を増やすことができるでしょうし、ゴールは生まれると思います。そこは目指していきたいです。僕自身で言えば、パスを近いところにつないでいくだけではなくて、相手が前掛かりに来たときには一発で相手の最終ラインの裏を取って、相手に前から来させないようにしたいです。その精度はもっと上げていきたいですね。
Q.今節・栃木シティ戦に向けて。
まずは点を取って、サポーターのみなさんと喜べる時間を作りたいです。観に来て楽しかった、面白かったというサッカーをしたいですし、それには勝利が必要というのはチーム全員が分かっています。開幕戦の結果に満足している選手は誰もいません。またホームでできるのはアドバンテージですし、そこに向けて頑張っていきたいですね。
FW 20 下川太陽
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Q.開幕戦で群馬デビューを果たしました。
まだまだ個人としてもチームとしてもやれるなと感じています。個人的には、しかける回数を増やしたいですね。最初はみんな緊張もあって硬い部分もありました。前半の終わりごろや後半のようなサッカーをできれば、もっと面白いサッカーを見せられると思います。
Q.周囲の選手との連係はどうですか。
近いサイドにいる、カワくん(河田)やヤスくん(西村恭史)、(田頭)亮太とは連係が大事になります。ヤスくんと亮太と僕で三角形を作っているときはいい形で押し込めています。反対にうまくいかないときは、ローテーションで誰がここに入ったほうがいいのか、話し合ってうまくいくようにしています。
Q.いま取り組んでいるサッカーの魅力はどこに感じていますか。
攻撃的なサッカーなので、ずっとボールをもって、相手を振り回して、ゴールを決める。そしてまたボールを奪ってまた攻撃する。観ていて楽しい、面白いサッカーを個人的にも見せられたらいいですし、チームとしてもパスでこれだけ簡単に崩せるんだという部分を見せられたらいいと思います。
Q.下川選手自身は、ドリブルで積極的にしかける選手だと思いますが、どんなプレーを見せていきたいですか。
同サイドの亮太、ヤスくんはどんどん上がってきてくれて、3人目の動きもしてくれます。僕は高い位置を取って受けて、起点となって時間を作りながら、攻撃のスタートになればいいという思いはあります。
Q.今節・栃木シティ戦に向けて。
栃木シティさんはすごく勢いがあると思います。今季Jリーグに参入して、開幕戦も勝ちました。それこそ勢いがあると思うので、自分たちのサッカーを見せて、群馬には勝てないと思えるサッカーをできたらいいと思います。