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CLUB 2024.11.13

細貝萌 社長代行兼GM就任会見レポート

2024年11月12日(火)にGCCザスパークにて開催しました、細貝萌社長代行兼GM就任会見をレポートにてお届けいたします。また、本会見の模様は近日中にザスパ群馬公式YouTubeにて公開予定ですので、公開までしばらくお待ちください。


【赤堀社長 挨拶】

皆さんこんにちは。代表取締役社長の赤堀でございます。本日はお忙しい中、多数のメディアの皆様にお集まり頂き誠にありがとうございます。そしてカメラの向こうにいらっしゃるファン・サポーターの皆さま、それからスポンサーの皆さまをはじめとする関係者の皆さま、今シーズンリーグ最下位で終わってしまったこと、なかなか勝利をお届けすることができなかったこと、全てのステークホルダーの皆さまに心からお詫びを申し上げたいと思っております。クラブとしてはこの結果を非常に重く受け止めております。組織はもちろん、あらゆるクラブ運営の仕組みや体制、こう言ったものを全て見直してゼロからやり直す覚悟で取り組んで参りたいと思っております。

今回、細貝選手が2月1日付で社長代行兼GMに就任することが先日の取締役会で決まりました。名実ともにザスパ再生の象徴として、群馬サッカー界におけるシンボルである細貝さんに社長になって頂くことが最良の選択であると判断し、重要なステークホルダーの皆さんとも相談しながら、10月の初めの頃に打診をさせて頂きました。

今後は営業、ホームタウンといったところを私と一緒に、フットボール面の再構築という部分を、細貝さんと佐藤強化部長と共にそれぞれ二人三脚でやっていきたいと思っております。今後も変わることなく皆さんに応援して頂けるように新しい体制でしっかり取り組み結果を出していきたいと思いますので、引き続きご支援のほどよろしくお願いしたいと思います。

【細貝 新社長代行兼GM 挨拶】

この度、社長代行兼GMに就任が決まりました。僕としてはクラブが良い方向に向かえるようにベストを尽くして励んでいきたいと思います。一つ一つ自分らしく乗り越えながらチーム一丸となって前進していきたいと思っています。よろしくお願いします。


【新体制のご紹介(赤堀社長)】

先ほども申し上げた通り、2月1日付で現在取締役会長である前橋育英高校の山田耕介先生が取締役相談役に、私赤堀が代表取締役会長、細貝さんが社長代行兼GMとなります。皆さんご存知の通り取締役への就任というのは株主総会での決議が必要なので、2025年4月に開催される定時株主総会において社長代行兼GMから代表取締役社長兼GMへ正式に就任するという形としました。

業務分掌的なところをご説明させて頂くと、私の方で事業戦略、管理部門、海外のクラブを含めた戦略的なアライアンス、今年から開始したGCCザスパークの指定管理事業、事業・マーケティング、フランチャイズ事業、あとはJリーグ、サッカー協会との連携、Jリーグ実行委員の方は引き続き私の方で務めさせて頂きます。

細貝社長代行兼GMは、主にトップチームのフットボール戦略の部分を強化部と一緒に作り上げていきながら、育成・普及部門のアカデミーとの一気通貫の組織づくりに取り組んで頂きたいと思っております。加えてスポンサー営業やホームタウン活動、イベントをクラブの顔として活躍することを期待しています。


【質疑応答】

■細貝選手の今回の抜擢はどういったところが最良と判断したのか

(赤堀)細貝さんに関しては、国内外での経験はフットボール面において群馬で一番経験豊富な選手だと思っています。そういったキャリアを持った選手が社長兼GMを務めるという事例はなかなかないのかなと思っています。元Jリーガーで言うとセレッソ大阪の森島寛晃さんですとか、レノファ山口FCの渡部博文さん、Jリーグの野々村芳和チェアマンも北海道コンサドーレ札幌で社長を務められていたこともあり、その方々と細貝さんの経歴を照らし合わせた時に、プロサッカー選手を引退して群馬の前橋出身で、キャリアの最後に地元クラブで引退したこともあって、最も相応しい人物なのかなと思っています。先ほどの引退会見もそうですが、皆さんもよくご存知の通り人柄、人間性が優れているところの一つだと思っています。ファン・サポーターから愛されているところは非常に大きなアドバンテージなのかなと感じております。総合的に考えて細貝選手が引退を決めたタイミングでオファーをさせて頂きました。これが最良の選択になるとしたいと思いますし、これだけのキャリアを持った選手が覚悟を持って引き受けてくれたこの心意気、期待を裏切らないようにしっかりと我々がサポートしていきたいと思っています。

■どのようなビジョンを持って経営していくか

(細貝)まずは自分がしなくてはいけないこととしてクラブの現状を把握することだと思っています。今もクラブにいるのである程度は知っているつもりではありますが、より深く把握することで今後何をしていかないといけないのかも含めて、赤堀さんと連携を取りながら前進していきたいと思っています。

その中で僕自身の海外での経験、ビッグクラブと言われるようなところでもプレーさせて頂いたこともありので、そこでの経験を群馬に持ってくる、群馬に少しでも良い形になるように、どんどんトライしていきたいと思っております。

そしてGMを兼任するということに関しては佐藤強化部長と共に連携を取って、現場が少しでも良い体制、良い方向に向かっていけるように努力していきたいと思います。人としてお互いリスペクトし合っていけるような環境、関係性で前進していきたいという話を佐藤さんともしております。

■新体制での目標、立て直しに向けて経営的な目標は

(赤堀)中長期的な計画については色々なところでお話しさせて頂いている通り、2030年に売上20億円以上、そしてJ1に昇格するという中期の目標は変えるつもりはありません。今回のJ3への降格というのはある意味想定外ではありますが、そこは一つの通過点として捉えて中長期の目標に向かって事業を拡大していきたいと思います。

(細貝)まずは強化の面でしっかりとした土台を作っていきたいと思います。先ほどもお伝えさせて頂いた通り、佐藤さんとしっかりと連携を取りながらチームが成長していけるようなメンバー含めて、ここから話をしていきたいと思います。

一昨日まで選手まで選手として過ごしてきた中で、クラブとしては良い方向に向かっていくために強化の視点としては、既存の選手たちの契約の更新が終わったタイミングで僕は監督の人選にも関与していきたいと思います。

経営面に関しては赤堀さんと共に見ていきたいと思いますし、スポンサー営業を中心とした広告収入、グッズ収入を中心とした物販、チケットセールスを中心とした入場料収入といった3本の柱がすごく大事だと思っているので、そこを上げていくことでクラブの規模を大きくしていけるようにフォーカスしていきたいです。

あとはスポンサーとの対応含めてステークホルダーの皆さまとザスパを、群馬を良くしていくためにお互いをリスペクトした良い関係性を築いていけるように努力したいと思います。

■4月1日付で両名が代表権を持ってクラブを運営することになるが

(赤堀)今後は細貝さんと二人三脚でクラブの経営にあたっていくということになります。許される限り長くやりたいと思っておりますが、当然許されないケースもあると思いますので認めていただけるように経営改革、事業の拡大を目指して経営していければと思っております。

■1年でのJ2復帰に向けて今後の増資は検討しているか

(赤堀)必要に応じたオプションの一つとして捉えています。今期の決算にもよりますが純資産の多寡によっては増資という選択肢もあると考えています。

■現役引退後は様々な選択肢がある中で今回の決断への意欲を持った理由

(細貝)来シーズンのカテゴリーがJ3になってしまうことは変えられないことですが、自分が今回のオファーを引き受けることで自分も責任を持って赤堀さんと一緒にやっていきたいと思っています。いきなり社長というのは当然周りの方から心配されることもあるかもしれませんが、チームが良い方向に進むように自信を持って進んでいきたいと思っています。

■今シーズンを終えた反省とそして今回の体制変更を決断した理由について

(赤堀)降格というものはJリーグにおける避けては通れないリスクです。正直に申し上げますと、そこに関しては今シーズンのスタート時点であまり意識していなかったというのが本音です。昨シーズンの大槻前監督下で残したJ2リーグが22チーム制となってからの過去最高成績とポイントを押さえた補強、一部のベテラン選手は退団することとなりましたが、多くの主力選手がチームに残ることを選択してくれて万全の体制で臨んだわけですが、今思えばその時にもう少し考える必要があったのかなと感じております。今でも自問自答していますし、この成績に陥ってしまった理由を聞かれることもたくさんあるのですが、「リスクを取らなかったこと」が失敗だったと自分自身で分析しています。J1の上位チームやヨーロッパのビッグクラブとされるようなチームであれば成績の良かったシーズンの翌シーズンはキープコンセプトをするのは当然の判断だと思いますが、我々のようなまだまだ上を目指さないといけない、もがき苦しんでやっと這い上がっていけるようなクラブがそこで守りに入るというのは、結果論ではありますがミスジャッジだったと言わざるを得ないかなと感じています。そこについては大いなる反省と捉えて、今後はリスクを取ってしっかりチャレンジすることにフォーカスしていかないとこのクラブは絶対に上には行けないと。「失敗」とあえて言わせて頂きますが、クラブとして今回学んだことも非常に大きいのかなと思います。当然のことながらこの成績でお客さんが喜んでくれるわけはありませんし、チケットの売上、入場者数にも明らかな影響が出ています。まずは強いチームを作って勝つ姿を見せるというサッカーの原点を目指していきたいと思います。その想いからフットボールをよく理解している細貝さんに今回のオファーを出しました。

一方でJ3への降格というあってはならないことは経営責任だと思いますので、その部分については非常に重く受け止めています。

このGCCザスパークを作るところから携わらせてもらって、いわゆる指定管理事業を今年立ち上げてそこからの収入も入るようになり、万年赤字体質のアカデミーの構造改革も昨年から着手して来ました。こちらもようやく単月で黒字化するようになってきましたので、そういった中で本来であればひと段落した時点で私も職を辞して次へ、という選択肢もあったのですが、ザスパの再生に向けたチャレンジというものを細貝さんと一緒にやっていきたいと思いました。これは自分だけではなく「細貝を支える立場としてやって欲しい」という要請があったのもまた事実です。そういった方々を裏切るわけにはいきませんし、この成績で終わったことへの責任を取る、聞こえは良いですがそれを放り出して逃げるということは、私にはできないですし、したくないと思いました。そういう選択をした以上は、再生に向けて全力を尽くす覚悟です。

■セカンドキャリアへのイメージともらったオファーを引き受ける時の心情は

(細貝)以前から僕は指導者になることへの関心はあまりなく、正直全くイメージしていませんでした。セカンドキャリアの前にまずは選手として出来るだけ長い期間プレーしたいと思ってシーズンをスタートして、自分の状況をふまえながら今後どうしていくかをチームと話していく中で「今シーズンで引退します」と伝えたところで赤堀さんからこういったオファーを頂き、僕としてすごく嬉しかったのが率直な想いです。

群馬で、ザスパ群馬に仕事として携わっていけること、僕はこのザスパ群馬というクラブが大好きなので、僕は群馬県前橋市出身ですし、群馬県全体のサッカーが成長するにはザスパ群馬がより良い方向に向かっていかなくてはいけないと感じています。J2、J1、その先のACL含めた長期的な視点を持ってやっていかないといきたいと思っていた中でのオファーだったので、僕としては非常に光栄だなと感じました。

とはいえ先ほども申し上げましたが社会人としての20年間が選手での経験しかない自分に対して「本当にやれるのか?」という疑問はずっとついて回るのは理解していますし、群馬が好きだから、とか情熱の有無だけではなく、経営面における数字はより把握していかないといけないと思っていますし、自分がここにいる意味というのはより明確にして臨んでいきたいと思っています。

あとはヨーロッパでの経験、特に規模の大きいクラブ、レヴァークーゼンやヘルタベルリン、シュトゥットガルトもそうですがそこでの経験をザスパに落とし込む努力していくことでクラブがより拡大していくことが良い方向に繋がると思っています。

オファーに対しては即決ではなかったですし、赤堀さんや僕が「やる」という決断をしたとしても他の取締役の方々のご意向もありますので、すぐには決定とはなりませんでしたが、カインズの土屋会長ともお話しする機会がありまして、お話をする中で「責任ある立場を自分が引き受けることで、群馬をよくしていきたい」と改めて感じた部分はあります。

■課題に対する具体的なアクションはどんな部分があるか

(赤堀)先ほど申し上げました「リスクを取る」という部分では正確には「変える勇気を持つ」ことが大事だったと感じております。成績が良かったからといってキープコンセプトを選択したことが間違いだったと思わざるを得ないと感じております。そこで変えるべきは変える、私の決断できなかった部分だと反省しています。では誰が、というのをこの場で申し上げるのは辛いのですが、昨シーズンの成績に貢献して頂いたスタッフ、選手でももっと上を目指すのであれば思い切って変えるべき、チャレンジすることをしなくてはいけないのかなと、その反省をふまえて強化部や細貝さんとも話をしてもらっていますが、勇気を持って「変える」という部分に挑戦するアグレッシブさを表現しないとお客さんはついてこないと思いますし、一つでも勝つところ見せないとプロの興行として勝ち負けというのは極めて重要なファクターの一つであると思いますので、そこを目指すという原点に立ち返るチャンスだと捉えています。

■好成績を残した昨シーズンと比較してどんな部分に相違があったか

(細貝)僕は選手としてプレーさせてもらって感じたのは、昨シーズンに結果が出たことでチーム内の自分含めた選手個々に気持ちの部分で甘さが出たのかなと感じています。最終的にはピッチに立つのは選手なので、最年長の選手として責任を感じていますし、もっとやれる、やらなければならないというタイミングというのはポイントでいくつかあったかなと感じています。

個人的にチームは生き物だと思っていて、長いシーズンの中で上手くいく時とそうでない時はどちらもあります。その上手くいかない時にどれだけ何かを変えることができるか、何かにトライできるか。結果が出ている時は、ある程度考えなくても何だかんだ勝ってしまったりすることもあったりするので、その中で努力すること、克服するためにトライする部分で緩さというのが少しあったかなと感じています。

■新監督の人事について

(赤堀)監督は水面下でリストアップを進めています。ただJ1もJ3もシーズンが続いていて、「この人に打診をしよう」といった具体的な候補の絞り込み、オファーには至っていません。これから進めていくことになります。

■チーム強化における投資と回収のイメージ、ザスパで必要な選手像とは

(細貝)GMの立場としては、気持ちのある選手にこのザスパではプレーして欲しいなと思います。その気持ちというのは「ここで飛躍してやる」というところを持ってやってくれる選手に来て欲しいです。

僕自身もたくさんのチームでプレーさせて頂いて感じたことですが、プロサッカー選手というのはたくさんの方に見てもらって、クラブとしてはたくさんの方にスタジアムに足を運んでもらうことが大事だと思っています。その中でプレーする喜びというのは僕の20年間で感じたことでもあるので、少しでも多くの方にスタジアムに来て頂く、選手たちはその中で結果を出していくことを目指して欲しいと思っています。

僕個人としては今後世界に飛び出していく選手に携わっていきたいと思っていますし、国内外に視線を向けながら進んでいけたらと思います。

■細貝萌としてはどういうサッカー感を志向するのか

(細貝)僕個人がどういうサッカーをしたいか、というよりは赤堀さんとも話していることでもありますが、チームとしてしっかりとしたフィロソフィーを作ること、どの方向に向かって行って、どういうものであるべきかというベースを今後改めてアップデートしていきます。そのベースに沿った監督の人選、選手の獲得に繋げていくことが自然だと思いますので、僕個人の志向というよりは強化、スタッフ、選手含めたクラブが一体となって、「こういうサッカーで結果を求めていく」というフィロソフィーをしっかりと掲げて前進していきたいと思っています。

■細貝さん自身が社長になる上での強みはどんな部分か

(細貝)先ほども申し上げましたが、一方通行ではなく互いにリスペクトしながらのコミュニケーションを意識したいと思っています。すでに強化部の皆さんには「言いたいことがあれば言って欲しい」と伝えていますが、仲良しでやっていくという意味ではなくお互いに主張しながら、人として接することでクラブを良くしていくというイメージを持っているので、その部分で貢献できれば良いなと思っています。

フロントスタッフの皆さんにもこれから伝えていきたいと思いますが、仕事をするのは人間なので、ここの関係性が上手くいかないと良い仕事もできないと思うので、その部分を向上させながら、クラブを良くしていきたいと思います。僕自身がトライすること、分からないことに関しては学ぶという姿勢を持ちたいと思います。

僕としてはスポンサーの皆さんも大事な存在であることは理解していますし、20年プロサッカー選手をやってきてファン・サポーターの気持ちというのも少なからず分かっているつもりです。ファン・サポーターの皆さん、そしてザスパ群馬を気にかけてくれる皆さんとともに成長して、J2復帰、その先のJ1を目指していきたいと思います。そこに向かって一緒に進んでいきたいと思っています。