GAME SCHEDULE / RESULT

試合日程・結果

GAME RESULT 試合結果

2025明治安田J3リーグ 第33節

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ザスパ群馬

群馬

2025.10.25 SAT 14:03 KICK OFF

正田醤油スタジアム群馬

2

2 0

0 0

0

試合終了

AWAY

奈良クラブ

奈良

GOAL

  • 99 山田太郎 99'
  • 32 河田篤秀 24'
  • 22 高橋勇利也 44'
  • 99 山田花子 99'

困難な状況の中でも
最良のバランスを見つけ出せ


ホーム3連戦の3試合目となる今節・奈良クラブ戦は、J3残留に向けて必勝を期して臨むゲームとなる。10試合ぶりの勝点3をつかみ、ホームでファン・サポーターと喜びを分かち合いたい。

目標を『J3残留』に切り替えてからは、守備への比重を高めたが、失点は止まらず、状況はなかなか好転しない。決して防戦一方というわけではなく、1試合の中でピンチが多いわけでもないが、あっさりと失点を重ね、勝点を落としてしまうゲームが続く。ただ、その原因が守備だけにあるかと言えば、そうではない。チーム全体が“中途半端”になりかけてしまっていることが、大きな理由に映る。最後尾に構えるGK近藤壱成は「“自分たちの色”がなくなってきていると思う」と口にし、現状を説明する。

「前半戦の最初のほうは、めちゃくちゃ相手のほうにも決定機があるけど、自分たちもある程度好機は作れていて打ち合いになったり、点は絶対に取れるけど失点が安易だったりという感じでしたが、今は普通のゲームをして、勝負強さやチームの勢いや流れで勝てていない、勝点を落としている感覚です」

やはり、その裏にあるのは、残留争いにおけるプレッシャーや、今季自分たちが築き上げてきたスタイルとのバランスの難しさだろうか。3バックの左CBがスタートポジションながら、攻撃時にはあらゆる場面に顔を出し、ビルドアップの潤滑油の役割から、ときにはゴール前にまで飛び出してフィニッシャーまでこなす高橋勇利也は、こういう状況だからこそ強気な姿勢を貫くことが大事だという。

「今季は自分たちから崩れて本来の力を発揮できなかったり、普通なら起きないようなミスが起きたり、できるプレーを選択しなかったりするところがあります。特に今は、前期にはできていたことができていないとすごく感じますし、前に行きたい気持ちが強過ぎてロングボールばかりになって、ここまで積み上げてきたものを出せていないように感じます。気持ちで引っ張ることはもちろんですが、自分が1個のパスでターンしたり、クロスまで持っていったり、ゴールやアシストを決めたりすれば、おのずとチームは上向きになっていくと思うので、そこをみんなにも期待しつつ、一番は自分のそういうプレーで結果につなげていければと思います」

待っていても、構えていても、勝点3は転がってこない。積み上げてきたスタイルを貫くべきところでは貫き、アグレッシブな姿勢で自分たちから勝利を呼び込みたい。

今節を終えればいよいよ残り5試合となるが、幸い、残留を争うライバルである最下位のアスルクラロ沼津や19位のカマタマーレ讃岐、17位のAC長野パルセイロも勝点を伸ばせずにいるため、まだまだ自力で残留を手繰り寄せられる状況にある。ラスト5を優位な立場で戦うため、そして目標を達成するため、今節は大一番である。

文:須賀大輔(エル・ゴラッソ群馬担当)


沖田 優監督
Q.なかなか状況が好転しない難しい状況だと思いますが、何が大事になるでしょうか。
「自分たちが持っている力や、やってきたことを最大限生かしつつ、守備面でも組織的にできている時間帯ではほとんどやられなくなってきていて、失点パターンも同じようになってきているので、それをいかに減らしながら戦っていけるかだと思います」

Q.失点の仕方、タイミングについては、どう受け止めていますか。
「自分たちの守備組織がちゃんと整っているときはチャンスを作られていないけど、整っていないときでも、一人ひとりの球際や止め切るところ、時間を稼ぐとか、ゴールまでは近づかせないとか、そういうことで防げると思うし、課題はハッキリとしているぶん、今週もそこにフォーカスして取り組みました。それが次はより良いものとなり、失点を減らしていければと思います。でも、もっと自分たちの良い部分に対しては勇気や自信を持ってやらないといけないです。残りの試合数を考えると、どうしてもプレッシャーの掛かる状況ではあると思いますけど、自分たちの良さを捨ててなくしてとなると、余計にゲーム運びが難しくなると思うので、自分たちの持っている力を自信と勇気を持って出すことが絶対に必要だと思います」

Q.中途半端になってしまうのは、一番怖いですよね。
「本当にそのとおりです。とにかく中途半端になることが一番良くないです。ベクトルをそろえやすいように、自信を持てるように1週間準備してきたので、そこを再確認して試合に臨めればいいと思います。良い準備はできていると思います」

Q.今節・奈良クラブ戦に向けて。
「ホームゲームが続き、自分たちを応援してくれている人たちがあれだけいる中で勝ちたいという思いはあります。でも、もう本当にホーム・アウェイに関係なく、一試合一試合で勝点を積む、得点を増やすという作業は必要だと思います」

Q.奈良戦のポイントを教えてください。
「しっかりと攻撃力があり、パスのうまさとかも兼ね備えているチームだと思っているので、その辺りで劣勢になってはいけないと思っています。自分たちがボールを握る時間を長くすることも必要ですし、相手もそういうことができるチームなので、我慢するところは我慢し切って流すところも必要です。そこでの両方のバランスでうまくゲームを進めていって、勝機をつかみたいと思います」


DF 3 大畑 隆也選手
Q.もったいない失点が続いてしまっている印象を受けます。
「(前節の)福島ユナイテッドFC戦も、そこまで危ないピンチがあったわけではないのに、前半に失点してしまったり、ちょっといけそうだなというタイミングでセットプレーから失点してしまったり、安易な失点が続いてしまっていると思います。でも、(課題は)ハッキリしていて、カウンターとセットプレーのところ。そこは今週に入ってみんなで(改善に向けて)やっていこうと話していますし、あとは本当に気合いや魂でどうにかなる部分もあると思います。声など、簡単なところで解決できるとも思っているので、試合で出せるようにやっていきたいです」

Q.具体的にはどういう状況なのでしょうか。
「どちらも中途半端になってしまっていると思います。ただ、監督からは『自分たちのボールを大事にしていくスタイルでやろう』と言われているので、もっと良い状態で攻撃陣に配球して、自分たちの攻撃の時間を長くして、守備の時間を減らしていきたいと思います。守備のところではカウンターとセットプレーを防いでいければ、今は構えた状態でやられることはなかなかないと思うので、もちろんそこは徹底してやっていきたいと思います」

Q.J3降格となった昨季の経験を踏まえて、大事になることはありますか。
「昨季は最後の最後まで改善ができなかったですけど、ここまできたら気持ちだと思っています。みんなで統一してやるサッカーはありますけど、一人ひとりがどれだけ気持ちを出して、どれだけ走れるかです。残り6試合、全部勝てば上を目指せるので、勝っていくだけだと思います」

Q.今節・奈良クラブ戦に向けて。
「ホームでのこの試合で弾みをつけたい思いはあります。あとはファン・サポーターの方たちも、ホームではより一層(多く)来てくれると思うので、本当に皆さんに勝ちを届けたい。その思いで頑張っていきたいです」


DF 22 高橋 勇利也選手
Q.なかなか状況が好転しない状況です。
「みんなやろうとしているし、戦っていないわけではないし、必死に勝とうとしている中で結果が出ていないです。連敗もあり、引き分けを挟んで9試合勝ちがない中でも、みんなよくやってくれています。勝ちがないのが非常に悔しいし、もどかしいです。ただ、現状を変えるには1個の勝利しかないと思いますし、毎試合毎試合みんなでやっていますけど、それでも足りないところがあるということです。目標を残留に切り替え、『負けたくない』『降格したくない』とどうしても不安はよぎってしまいますけど、自分たちが最初に掲げていた、チームとしても個人としても絶対に上に行きたい気持ちや、ここで結果を残したい、目の前の相手に勝ってやるという気持ちを、こういう状況でも出すくらいのメンタリティーで挑まないと。まずは自分がそこを意識しながら、周りに伝播させていければいいと思います」

Q.目標をJ2昇格からJ3残留に切り替えることは簡単ではなかったと思います。
「開幕当初からもちろん優勝を掲げて、沖田(優)さんのサッカーで成長することも掲げてきて、自分も成長をすごく感じています。でも、取りこぼしてきた勝点があり、少しずつ自信を失い、チームのメンタリティーにも影響はあったと思います。実際、現実を見たときに降格の可能性もありますし、理想を掲げただけでは上には行けないです。上を見ている間に下が近づいてきている現実もあり、チームとしても残留に目標を変えましたけど、自分の中では降格したくない気持ちは強いです。もちろん、ファン・サポーターの皆さんは不安になると思いますけど、自分たちがそういう感情をピッチで見せてはいけないと強く思っています。とにかく1勝すれば、チームの雰囲気もガラリと変わって、『次も勝つぞ』という雰囲気に変わっていくと思います。目の前の1勝のために、強い思いを持ってやらないといけないと思っています」

Q.ホーム3連戦の3試合目となる今節・奈良クラブ戦に向けて。
「毎試合毎試合、『勝つしかない』と言っていますし、(第29節の)SC相模原戦からいろいろとメンバーを替えたり、システムを変えたりしていますが、大事なのはどのメンバー、どの戦術だろうが、勝ちたい(という気持ちを見せる)だけではなく、プレーにフォーカスできているかです。勝ちたい気持ちに加えて、ポジショニングや味方への声かけ、パスの精度など、ピッチの中で1個のボール、1つのプレーにフォーカスできる選手が集まらないといけません。気持ちで引っ張ることはもちろんですけど、自分が1個のパスでターンしたり、クロスまで持っていったり、ゴールやアシストを決めたりすれば、おのずとチームは上向きになっていくと思います。そこをみんなにも期待しつつ、一番は自分のそういうプレーで結果につないでいければと思いますので、攻守全部の局面で勝つつもりで臨みたいと思います」


GK 13 近藤 壱成選手
Q.状況がなかなか好転しないです。
「数試合前に、『ここからの試合で自分がどれだけシュートを止めて勝点を取れるかが、自分の成長やチームの結果に直結する』と話したんですが、直近の3試合は自分個人としてはすごく悔しいですし、チームとしてうまくいく時間帯が少なくなってきています。そして、そのうまくいっていない時間で耐えられなかったからこそ、この3連敗になってしまったなと。チームの目標も切り替えて残留になって、勝ちを目指す部分も大事ですけど、勝点1を拾っていけるかどうかもすごく大切になってくる中で、(失点)ゼロで抑える試合を早く作りたいです。そうじゃないとこのままズルズルと行ってしまうなと思っています」

Q.もったいない失点が多いと思います。
「そういう失点をしないように、展開を流せたりミスをしなかったりできればいいですし、もちろん(サッカーは)ミスのスポーツなのでミスはありますけど、そのミスを大きく広げずに、自分たちの攻撃に持っていくところができていないと思います。決して防戦一方な試合はないですけど、攻撃がうまくいってエリア内に入ってというシーンもそんなに多くないです。今は“自分たちの色”がなくなってきていると思います。前半戦の最初のほうは、めちゃくちゃ相手のほうにも決定機があるけど、自分たちもある程度好機は作れていて打ち合いになったり、点は絶対に取れるけど失点が安易だったりという感じでしたが、今は普通のゲームをして、勝負強さやチームの勢いや流れで勝てていない、勝点を落としている感覚です。攻撃でうまくいかないと自分たちの良さを出し続けたり、信じ続けたりすることがどうしても難しくなってくると、今はひしひしと感じています」

Q.中途半端になってしまうのが一番怖いし、もったいないですよね。
「ちゃんとベクトルを合わせて試合に向かわないといけないです。どんな状況でも『こうやる』と決めたからには、腹を括ってやることがすごく大事だと思います」

Q.目標をJ2昇格からJ3残留に切り替えたことはどう受け止めましたか。
「チームのみんなに聞いても同じように答えると思いますけど、今季は本当に完敗の試合が少ないけど、勝点は全然取れていなくて、勝てるような試合を引き分けたり、引き分けで終わらせるべき試合で負けてしまったり、そういう試合があまりにも多すぎました。自分たちの感覚と結果のギャップがすごくあった中で、ハッキリと目標を切り替えることは必要だったと思います。“ここぞの試合”を勝てれば、昇格争いができるチームだったと思いますけど、今の現実を(クラブ全体として)受け入れないといけないですし、絶対に残留はしないといけないです。ちょうど節目の年ですし、これまでJリーグでやってきた歴史を閉ざさないためにも、なんとか目の前の試合を戦っていきたいと思います」

progress of a match 試合経過

ザスパ群馬
奈良クラブ
前半後半データ後半前半
9シュート7
3CK5
GK
13FK15
オフサイド
0PK0

MEMBER LINEUP メンバーラインナップ

スターティングメンバー
  • GK 21 キムジェヒ

  • DF 8 山内陸

  • DF 30 小柳達司

  • DF 3 大畑隆也

  • DF 22 高橋勇利也

  • MF 37 瀬畠義成

  • MF 11 加々美登生

  • MF 27 藤村怜

  • FW 4 船橋勇真

  • FW 32 河田篤秀

  • FW 49 小竹知恩

控えメンバー
  • GK 13 近藤壱成

  • DF 14 菊地健太

  • MF 5 山口一真

  • MF 7 西村恭史

  • MF 15 風間宏希

  • MF 36 安達秀都

  • FW 18 田中翔太

  • FW 20 下川太陽

  • FW 38 小西宏登

監督
  • 沖田優

スターティングメンバー
  • GK 15 岡田慎司

  • DF 3 澤田雄大

  • DF 5 鈴木大誠

  • DF 16 奥田雄大

  • DF 40 吉村弦

  • MF 14 中島賢星

  • MF 25 神垣陸

  • MF 41 森田凜

  • MF 7 田村亮介

  • MF 23 岡田優希

  • FW 11 百田真登

控えメンバー
  • GK 99 遠藤雅己

  • DF 13 都並優太

  • DF 22 生駒稀生

  • MF 10 山本宗太朗

  • MF 17 田村翔太

  • MF 20 國武勇斗

  • MF 70 川谷凪

  • FW 9 酒井達磨

  • FW 24 山本駿亮

監督
  • 小田切道治

DATA 試合環境

入場者数
2389
天候
16.3℃ 70%%
主審
酒井達矢
副審
塚田健太、大穂祐太

MOVIE ハイライト動画

COMMENT 監督&選手コメント

監督コメント

沖田 優監督
「かなり時間がかかってしまって、本当にこの1勝はファン・サポーターの皆さん、いつも支えてもらっている皆さんにとっても非常に大きな1勝だったと思っています。これだけ長く勝てなくてようやくつかんだ1勝ですけど、その間、選手もスタッフも誰一人崩れることなく、乱れることなく、チームのやるべきことを日々、上を向いてやり続けてくれたことが、この1勝につながりました。自分たちのサッカーを信じて、ということを証明できた1試合だったので、非常に大きな1勝だったと思っています。この間、選手・スタッフだけでなくて、クラブも自分たちを信じて、信頼して支えてくれましたし、グラウンドキーパーさんはパスサッカーをやれるようにいつもきれいに芝生を整えてくれていますし、これだけ連敗している間も食堂のお姉さんたちもいつも明るく和ませてくれるなど、そういうすべてのことがつながった1勝だったなと思っています。ただ、選手も先ほどファン・サポーターに伝えていましたけど、誰も満足している人はいなくて、この位置にいるようなチームではないとみんな思っているので、次の試合に向けて、明日の練習からまたしっかりと積み上げて、確実に目の前の試合を1つずつしっかりと勝っていくことでみんなの力を証明し続けていきたいと思っています」

Q.試合内容はどう評価されますか。
「ここ数試合は少し、今の状況を気にし過ぎてか、自分たちのプレーに自信や勇気を持ち切れずに、攻撃で良くない時間が長いと思っていました。そこに関して、今日は自分たちの持っている力を攻撃面で前面に出そうとトライしてくれました。守備のところももっともっとアグレッシブに、自分たちのボールが長くなるように守備をしようというところもしっかりとやってくれました。苦しい時間帯もありましたけど、耐えるところは耐えて、最近の課題だった部分でもゲームを流しながら、よく最後までリードしたままゲームを進めてくれたと思っています」

Q.前節・福島ユナイテッドFC戦から先発を7人入れ替えた理由や意図を教えてください。
「みんな自分たちのスタイルを大事にして、ここまで成長してきてくれた選手たちだと思っています。先ほども言ったように、ここ数試合の自信やアグレッシブさを踏まえたら、大きくチームバランス、選手バランスを変えることも決断しながら、こういうときこそチーム全体でいろいろな選手の力を出しながらというのが今回の最良の策だったと思っています。これまでも試合に出てもおかしくない選手たちが日々成長し続けてくれていますし、そういう意味では自信を持って選手を送り出せる良い1週間の準備ができていたので、良かったと思っています」

Q.前線からのハードワークが光っていたと思いますが、得点シーンはどういう評価でしょうか。
「(1点目は)奪ったボールを(山内)陸から(河田)篤秀へと素早い形で、しっかりとカウンターの矢を放てましたし、今日の起用にしっかりと応えてくれた(高橋)勇利也と(小竹)知恩の関係で左サイドは非常に活性化していて、そこから点(2点目)も生まれましたので、非常に良い2点だったと思っています」

Q.取り組んできた守備面で無失点に抑えられた出来や価値を教えてください。
「ちょっとずつ、ちょっとずつ守備に時間を割いてやってきたことが、少しですけど結果として出たとは思います。けれど、まだまだ足りないところは多いし、もっともっと続けないといけないところはあると思いますので、守備面ももっともっと良くなるように続けていきたいと思います」

Q.今日の勝利は残り5試合にどうつながっていくでしょうか。
「この順位、状況でなくしていたもの、ちょっとした勇気や自信を取り戻すきっかけになる良い1勝だったと思っています。それを次にしっかりと生かしていきたいと思います」

Q.残り5試合への思いを聞かせてください。
「誰も満足していないということを試合後のロッカールームの選手たちからも感じ取れましたし、それはすごく良いことだと思います。しっかりと気を引き締め直して、残り試合を大事に1つずつ勝っていけるように良い準備をしていきたいし、良い成長を続けていきたいと思っています」

選手コメント

選手写真

FW11

加々美 登生Toi KAGAMI


Q.久しぶりの先発で相当な気合いが伝わってきました。
「気合いが入りすぎてしまいましたけど、今のチームに足りない部分だと考えていましたし、その前への勢いというのは『前半で交代してもいい』というくらいで、本当にそうなってしまいましたけど、そのくらいの勢いで入りました」

Q.姿勢やアクションで示すことが大事だなと感じていましたか。
「アフター気味のファウルが多くなってしまったことは反省をしつつも、そういう(アグレッシブな)気持ちを出せば後ろも士気が上がると思っていました。ただ、攻撃の部分ではあまり良い形を作れなかったことは残念です。点を取りたいし、アシストもしたいし、攻撃の選手なのでそこは心残りですけど、そこは次回、修正して臨みたいと思います」

Q.ただ、そういう姿勢が作り出した前半の45分間だったと思います。
「スタメンが久しぶりで、この2カ月くらいは上(スタンド)から試合を見ることが多くて、チームの足りない部分が見えたので、そこは今日、守備の部分で出せて良かったと思います。(2点目には絡んだが)自分的にはあまり貢献できなかったので、もっと相手のスキを見て攻撃で脅威になれるように。そういう選手になれれば、もっと相手も難しくなると思うので、ゴールを意識してやりたいと思っています」

Q.ご自身としても、チームとしても、この勝利は良いきっかけになるかと思います。
「勝利から遠ざかっていたので、リードしたときに守りに入ってはいけないということは分かりますし、残留争いだとピッチの中で混乱することもあると思いますけど、今日自分が出ていた時間は、攻撃のチームですけど割り切って守備で引っ張ることに重きを置いてやれたので良かったと思います」

Q.この勝利を残り5試合にどうつなげていきたいですか。
「今日の守備強度を出せればもっともっと勝ちが増えていくと思いますし、残り5試合全部勝つつもりで戦いたいと思います。連勝がまだできていないので、今日から次の試合に向けて準備していきたいと思います」

選手写真

DF22

高橋 勇利也Yuriya TAKAHASHI


Q.良いゲーム内容だったと思います。
「本来こういうゲームができるチームですが、勝てていなかった間はできていなかったので、立ち返るというか、本来あるべき姿を示せて良かったと思います」

Q.チーム全体として、吹っ切れたというか、迷いなくプレーできていたと感じました。
「『気持ちの部分から強気に行こう』という話はしていて、攻撃的に強気にやれていたので、つなぎの部分も守備ももっとできた部分はあると思いますけど、まずやろうとした姿勢がこの結果を生んでくれたと思います」

Q.“プレーで示す”という部分を、チームとしてもご自身としても体現できた試合だったと思います。
「もちろん、自分がゴールやアシストといった結果を残せばチームが勝利に近づくことは間違いないですし、本当に勝利が欲しい状況なので、自分で得点を取ってやろうと思っていました。今日はシュートまで行ける回数が多く、取れるポジションも高めだったので、本来やりたかったプレーがやっとできたと思います。ただ、チームとしてはもっとチャンスを作れるし、良い形でボールを奪えると思うので、そこは修正したいと思います」

Q.得点シーンは預けて、出ていって決めたゴールでした。
「今日は左で(小竹)知恩がスタメンで、彼は高い位置にいるからこそ生きるプレーヤーだと思うので、守備のときでも彼を高い位置に残そうとチャレンジしていました。あのシーンの前までも知恩は何回も仕掛けてくれていたので、ああやって相手DFを引きつけてくれたおかげで自分が空きました。あそこにポジションを取れれば、これからもシュートチャンスは増えていくと思います」

Q.得点後、今季一番のガッツポーズでしたね。
「そうですね、本当に一番でしたね」

Q.後半もしっかりと耐えられたと思います。
「今まで勝ってきた試合では、後半に少し守りに入る試合もあったと思いますけど、今日は後半も前半よりボールを動かしにいったし、奪ってからもどんどん前に出ていく姿勢を見せられたので、これまでの勝てた試合よりも良い後半だったと思います。先制された試合でもああいう試合を見せないといけないですし、どういう試合も強気な姿勢を見せて勝ちたいと思います」

Q.この勝利を残り5試合にどうつなげていきたいですか。
「選手もファン・サポーターも、苦しんできた9試合があり、この勝利が今後のカギになると思います。みんなが『勝ちっていいな』と感じたと思うので、この思いを忘れずに、勝利のためにまた1週間準備していきたいと思います」

選手写真

MF49

小竹 知恩Sean KOTAKE


Q.加入後、初先発となりました。
「ずっと途中出場が続いていて、悔しい思いを持ってやっていましたし、スタメンで出るという気持ちでずっと練習していたので、やっとチャンスが来て良かったと思います」

Q.アシストをマークし、チームも勝利しました。
「ユリくん(高橋勇利也)が決めてくれてアシストできましたけど、まだまだ点を取れるチャンスはありましたし、自分のところでもっともっと仕掛けることはできたと思うので、まだまだ満足していないです。ここからもっともっと上に行きたいと思います」

Q.アシストシーンは狙いどおりの形だったと思います。
「自分の持ち味はあそこで仕掛けて抜くところで、そこは監督やコーチ陣に日頃から求められているので、その意識は常にありました。(最後は2人に囲まれたが)来てもらえたほうが行けるというか、引かれるほうが難しいので、あそこは自分の得意な形を出せたと思います」

Q.この結果を残り5試合にどうつなげていきたいですか。
「なかなか勝てていなかった中で、スタメンで出た試合で勝利できたことはうれしいですけど、まだ1勝しかしていないし、何も成し遂げていません。残留争いをしている事実は受け止めながらも、1つでも上の順位に行けるようにやっていきたいと思います」

SUMMARY総括

存分に示した“熱”と“一体感”
待望の勝利をつかみ取る


J3残留を果たすために10試合ぶりの勝利を目指すザスパ群馬は、前節・福島ユナイテッドFC戦から大きくスタメンを入れ替えた。GKには高卒ルーキーのキム・ジェヒが約4カ月ぶりに入ったほか、山内陸、藤村怜、瀬畠義成、加々美登生、船橋勇真も先発に復帰。小竹知恩は今夏加入後、初先発となった。

前半はそのチャンスを得た選手たちがチームに“熱”をもたらした。

2トップの一角に入った加々美は、攻守にわたってアグレッシブにプレー。相手CBがボールを持てば鋭い出足でプレッシャーを掛けて守備のスイッチを入れ、攻撃の局面ではフリーランニングを繰り返してゴールに向かう姿勢を示す。また、右のワイドに入った船橋も豊富な運動量を生かして上下動を繰り返し、低くて速いクロスを何度も供給。右サイドの高い位置で攻撃の起点を担った。

その中で、先制点は24分に生まれる。奈良クラブにボールを握られる時間が少しずつ増えてきた矢先、自陣でパスカットした山内がすぐにルックアップして、迷わず前線にスルーパスを送る。これに抜け出した河田篤秀が冷静にGKとの1対1を制し、ニア上にシュートを突き刺した。

3試合ぶりに先制点を奪った群馬は、攻撃の勢いを緩めない。ショートカウンターから作り出した34分のチャンスは決め切れなかったが、44分に貴重な追加点を挙げることに成功する。自陣右サイドでのスローインを起点に、加々美のポストワークから高橋勇利也が左サイドの小竹に展開する。ドリブルで仕掛けた小竹は相手2人をはがし、ペナルティーエリア内から折り返すと、合わせたのは足を止めずに走り込んできた高橋。懸命に伸ばした右足でゴールへねじ込むと、会心のガッツポーズが飛び出した。

2点のリードで迎えた後半は、我慢の時間が短くなかったが、この日のチームには一体感があった。後半開始からピッチに立った安達秀都が中盤で存在感を示し、62分に送り込まれた山口一真も前線で献身的なプレーを見せる。そしてカウンターに移れば、阪南大の先輩・後輩である河田と山口でフィニッシュに持ち込むシーンを作り出し、果敢に3点目を目指した。

J2昇格プレーオフ出場権争いを繰り広げる奈良も粘り強く、後半は何度かピンチを作られたが、ここで立ちはだかったのはキム・ジェヒ。鋭いセービングでシュートを弾き出し、ゴールを守った。

6分の後半アディショナルタイムも力強く戦った群馬は、最後まで集中した守備を見せて2点のリードを守り抜き、約2カ月ぶりの勝利。タイムアップを告げるホイッスルが鳴り響いた瞬間、正田醤油スタジアム群馬は大きな歓声と安堵に包まれた。

文:須賀大輔(エル・ゴラッソ群馬担当)