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GAME SCHEDULE / RESULT

試合日程・結果

GAME RESULT 試合結果

2024明治安田J2リーグ 第26節

AWAY

ザスパ群馬

群馬

2024.08.10 SAT 18:33 KICK OFF

IAIスタジアム日本平

0

0 3

0 1

4

試合終了

HOME

清水エスパルス

清水

GOAL

  • 99 山田太郎 99'

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ザスパ群馬史上2番目というホームゲームの来場者数を記録した前節のヴァンフォーレ甲府戦は、0-1という最少得点差で敗れた。正田醤油スタジアム群馬に集ったのは11,271人。これはJ2第25節全試合の入場者の中でも2番目に多かった。そんな大きな後押しがあった中での敗戦に、誰もが悔しさに暮れた。

一方で、強力な外国籍選手を多く擁する甲府戦では、守備の手応えを得ている。かつてJ1得点王にも輝いたピーター・ウタカに対して、城和隼颯は球際の争いや空中戦でもほぼ完勝。チームとしても、83分に失点を喫するまではほとんど相手にシュートも打たせていなかった。

主将の城和は、今節・清水エスパルス戦への準備を開始した6日の練習で、よく声を出して周囲を鼓舞していた。一つのダッシュを行う際にも、「さあ行こう!」と声を張る。それは「キャプテンである自分だからこそ、声を出して雰囲気を変えたい」から。「そうしてきたベテラン選手の背中を見てきたし、今度は自分の番」だと、行動に移している。

そんな城和に対して、練習中に声を掛けてコミュニケーションを取る選手がいた。今夏に加入したFWの河田篤秀だ。縦幅を狭くしたエリアでのミニゲームで、武藤覚監督は前線の選手の動き出しを使う縦パスやゴールに向かう動きを求めた。その練習中の出来事だった。

河田は、どんなタイミングでパスが欲しいのかを伝えるとともに、城和ら最終ラインの選手はどんな意図を持って前方へのパスをうかがっているのかを聞いていた。

こうしたコミュニケーションを、武藤監督も歓迎。練習の再開を少し遅らせて、彼らの話が終わるのを待っていた。「(連係面向上のためには)コミュニケーションを取ることが解決策になるし、むしろ取っていかないといけないことでもある」(武藤監督)。全体練習後にも、河田は城和や中塩大貴らと会話を続けた。甲府戦後、河田が話していた「自分の使い方を意識していないところはあると思うので、もっとチームメートには伝えていきたい」と話していたとおりの姿がそこにはあった。

誰が見ても分かるとおり、いま、チームに必要なのはゴールだ。甲府戦での失点は反省すべきことで修正が必要だが、勝利のためには得点を取らなければならない。だからこそ、河田らFWの選手にボールを届けていくこと、シュートを果敢に狙っていくことを指揮官も求めている。サガン鳥栖というJ1のチームから加入した河田はその得点感覚を期待されており、チームとしても彼にボールを届けていきたい。

今節、対する清水エスパルスは前節のベガルタ仙台戦を1-2で落とし、首位の座を横浜FCに受け渡した。それでも横浜FCとは勝点1差の2位。乾貴士や権田修一、北川航也といった元日本代表選手に、強力なブラジル人選手も擁するタレント軍団だ。チームを率いるのは、ザスパで3シーズンプレーした経験があり、そして2013年と14年には監督も務めた秋葉忠宏氏。情熱の指導で、清水を戦う集団に鍛え上げている。なお、その清水から育成型期限付き移籍でザスパに加わっている川本梨誉と齊藤聖七は、契約上の理由で出場することが叶わない。

昨季、清水に勝利した試合がそうだったように、ボール支配率は相手のほうが上回ると予想される。ザスパのチャンスの数は少ないかもしれない。それでも、J1での経験も豊富な河田、それに樺山諒乃介といった選手を生かすことで、勝利への一撃を狙いたい。練習で意識づけている、“河田を生かすボール”にも注目だ。


武藤 覚監督

――前節・ヴァンフォーレ甲府戦を振り返った上で、あらためて選手とどんな内容を共有したのでしょうか?
「良い流れで攻めていた時間で、うまくチャンスを作れませんでした。その中で、相手は必死に交代選手を使いながら攻めに出てきて、自分たちがその攻撃を受けて最終ラインが下がってしまいました。失点に至った流れに原因はあって、それは修正できること、という話をしています」

――清水エスパルス戦までの1週間で取り組んでいくことは?
「点を取るところで、それはやらないといけません。甲府戦に関しては、相手のストロングは消せたと思っていますが、自分たちの良さは出せていた部分と、もっと出せたよねという部分があって、もっとゴールに向かう形ができていればスタジアムの雰囲気も変わっていたと思います。もっとゴールに近づくこと、もっと完成度の高いプレーをしていくことが重要で、もちろん闇雲にシュートを打っていくわけではありませんが、シュートを打ち、危険なクロスを入れていなかいとゴールにならない。それはずっとある課題で、取り組んできていることです」

――今節・清水エスパルス戦に向けて。
「みんな一生懸命トライしてくれています。ケガ人が出て、それに契約の問題で出られない選手がいます。選手たちは『試合に出るチャンスを狙おう』とやってくれていると思います。清水は、やはり個の能力は高いですし、J2にいてはいけないチームの一つだと思っています。その次の横浜FC戦もそうですが、優勝・昇格を狙っているチームに対して、自分たちにできるのはチャレンジすること。自分たちのいま以上の力を、そしてベストを出せるようにしていきたいと思っています」

DF 2 城和 隼颯

――練習で取り組んでいることはどんな部分でしょうか?
「後ろの選手として、前線のアクションを拾ってパスを出すことが、チャンスが増えることにつながると思っています。点を取らないと勝てないので、そのためにより前への意識を強めないといけないというのは中断期間から感じていたことです。(前線に蹴ったときに)たとえ奪われても、前からプレッシャーを掛けられると思うので、チャレンジしていければと思っています」

――今節・清水エスパルス戦に向けて。
「非常に強力な選手がたくさんいるチームですが、そこで抑えることができればポジティブな部分も増えてくると思います。前節ではピーター・ウタカ選手とのマッチアップになり、そこで手応えがある部分もあります。それでも、1試合で調子がよかっただけではなくて、それを継続させることで評価も上がると思います。相手の名前がどうこうではなくて、自分たちにフォーカスを当ててやっていきたいと思います」

――練習では周りへの声掛けが目立っています。
「こういう順位にいるからこそ、一つのミスで雰囲気が悪くなるようなこともあります。キャプテンである自分だからこそ、声を出して雰囲気を変えたいという思いでやっています。これまで、そうしてきたベテラン選手の背中を見てきましたし、今度は自分の番だと思っています」

MF 5 川上 エドオジョン 智慧

――前節・ヴァンフォーレ甲府戦で見えた課題は?
「守備で前線からハメにいくところでの行き方ですね。それに最後の時間帯は、後ろに全体が下がってしまいました。攻撃では、裏に抜けて走る選手がいたのに、ボールを持っている選手がそれを見えていなかった。そこを合わせる部分は練習でも意識してやっています」

――今節・清水エスパルス戦に向けて。
「スペースを見つけながら、前に出ていくタイミングを図っていきたいですね。ただ、走ってもパスが出てこなかったら意味がないので、周りとの意識を合わせていきたいです。大外のスペースをうまく使って、そこからどうやってゴールまでもっていけるか。一人ひとりのプレーの質をより出していくことにも集中していきたいです。
ボールを持たれるシーンも多くなると思いますが、そこでじれずにボールを奪い、すぐ取られることがないように焦らずにプレーしたい。それと、奪った瞬間に前のスペースが空いていたら走っていきたいです」

FW 28 樺山 諒乃介

――前節・ヴァンフォーレ甲府戦を経て、ご自身のいまの状況をどう捉えていますか?
「甲府戦では30分ほど出場しましたが、あまりいい形でボールが入ることがなかったです。でも、それは言い訳でしかなくて、どういう状況であっても自分の、そしてチームの得点につなげられるようにやっていくしかありません。甲府戦に関しては、反省点だらけでした」

――今節・清水エスパルス戦は、清水から育成型期限付き移籍で加わっている川本梨誉選手が契約上の理由で出場できません。先発への思いは?
「先発で出られるかどうかはまだ分かりませんが、スタメンで出るのであれば、自分に求められているゴールやチャンスクリエイト、仕掛ける姿勢を見せることが大事だと思います。失うものはないので、どんどん仕掛けて、相手をビビらせていきたいです」

――サガン鳥栖でもともにプレーした河田篤秀選手の生かし方について、どう考えていますか?
「もっとカワくん(河田)の動きを見つけてあげてそこにボールを出すことで、カワくんの良さが出ると思います。ラフなボールでもいいので、積極的にカワくんの背後へのボール、また頭へのボールを狙っていきたいです」

progress of a match 試合経過

ザスパ群馬
清水エスパルス
前半後半データ後半前半
3シュート23
2CK6
GK
7FK10
オフサイド
0PK0

MEMBER LINEUP メンバーラインナップ

スターティングメンバー
  • GK 21 櫛引政敏

  • DF 3 大畑隆也

  • DF 2 城和隼颯

  • DF 36 中塩大貴

  • DF 50 菊地健太

  • MF 5 川上エドオジョン智慧

  • MF 44 仙波大志

  • MF 37 瀬畠義成

  • MF 6 天笠泰輝

  • FW 32 河田篤秀

  • FW 28 樺山諒乃介

控えメンバー
  • GK 42 石井僚

  • DF 29 田頭亮太

  • MF 15 風間宏希

  • MF 7 和田昌士

  • MF 11 杉本竜士

  • FW 23 平松宗

  • FW 40 佐川洸介

監督
  • 武藤覚

スターティングメンバー
  • GK 57 権田修一

  • DF 3 高橋祐治

  • DF 14 山原怜音

  • DF 66 住吉ジェラニレショーン

  • DF 70 原輝綺

  • MF 10 カルリーニョスジュニオ

  • MF 11 ルーカスブラガ

  • MF 13 宮本航汰

  • MF 33 乾貴士

  • MF 36 宇野禅斗

  • FW 23 北川航也

控えメンバー
  • GK 1 沖悠哉

  • DF 5 北爪健吾

  • DF 28 吉田豊

  • MF 19 松崎快

  • MF 21 矢島慎也

  • MF 44 西原源樹

  • FW 9 アブドゥルアジズヤクブ

監督
  • 秋葉忠宏

DATA 試合環境

入場者数
15651
天候
28.1℃ 75%%
主審
清水修平
副審
桜井大介、千葉直史

MOVIE ハイライト動画

COMMENT 監督&選手コメント

監督コメント

本日行われました「2024明治安田J2リーグ第25節vs清水エスパルス戦」の試合後監督記者会見における武藤監督のコメントをお知らせいたします。


武藤 覚監督

「やはりエスパルスさんは、昇格争い、優勝争いをしているチームだけあって、すごく迫力あるゲームをさせてしまったと思っています。前半の立ち上がりは悪くなくて、相手の背後に行くこともありましたが、球際の強さ、切り替えのところの強さは、さすがエスパルスさんだと感じました。


そこで圧倒されてしまった前半だと思っていて、テクニックの高さや、どこが空いているか見つけるところの差を見せつけられたと思いました。逆に自分たちがそれを次に生かせるように、しっかり振り返ってやりたいですし、何ができて何が足りなかったのか、何をもっとやらなければならないかというのをしっかりと精査して、次のゲームの準備をしたいと思います」

 

(ハーフタイムにはどんなことを伝えたのでしょうか?)

「スコアが0-3になってしまったので、点を取りに行かないといけませんでした。後半の立ち上がりに一発のチャンスはありましたが、ああいうところを決められたら、流れは違ったものになったかもしれません。そこで決められなかったというのが一つあります。流れをもってこられず、また相手に流れを持っていかれてしまいました。流れをもっていくエスパルスさんの強さを感じたゲームになりました。でも、それを経験できたことについては、絶対に次に生かしたいと思っています」

 

(逆サイドまで帰ってボールにアタックし、0-4になってもゴールの中にあったボールを拾っていた天笠 泰輝選手を、慣れない位置に入れてまでもピッチに残した理由はなんでしょうか?)

「絶対に諦めないし、最後まで戦う姿勢を出してくれる選手だったので、そういうところは大事にしたいです。まだまだリーグが続く中で、何も結果が決まっているわけではありません。今日のゲームで終わりではない、絶対に最後までやり切ろうというのはやってくれていたと思います。

 

ただ、前半で3失点をしてしまうとゲームが難しくなるのは間違いないことなので、前半の振り返りをしっかりとしつつ、そういう選手の気持ちを大事につなげていきたいと思います」 

 

(試合後の選手たちに何を伝えましたか?)

「ここで終わりではないよ、ということです。まだまだやらなければならないことはあるし、ここで経験させてもらったことを生かしていく、と。優勝、昇格争いをしている次の相手の横浜FCに対してもどう立ち向かうかというところで、今日の振り返りをしっかり生かしてやっていくというのは選手と話しました」

 

(最後までサポーターは声援を送っていました。ホームで行われる次の横浜FC戦に向けて、コメントをお願いします)

「また次はホームでゲームができます。クラブもお客さんがたくさん入れられるように動いている中で、前節は1万1,000人以上が入っていただいても勝つことができませんでした。次のゲームに勝てるように、しっかり準備していきたいと思います」

選手コメント

選手写真

DF2

城和 隼颯Hayate SHIROWA

(試合を終えて、どんな感情ですか?)
「何でもできなかった試合でした。本当に、もう1回トレーニングから見つめ直さないといけないと思っています」

(非常に高い相手の攻撃のクオリティーに対して、どう感じながら対処していましたか?)
「そういう相手に対して、プレッシャーを掛けるところと掛けないところの判断が、チームとして統一できなかった感じがありました。守備のまとまりが甲府戦に比べて良くなかったのは、自分の責任でもあると思っています。チームとして守備の統一についてもっともっとやっていかないといけないですし、本当に失点ゼロでいかないと残留は厳しいと思うので、もう1回、週明けからやっていきたいと思っています」

(攻撃での糸口について、どう感じていましたか?)
「カウンターでチャンスになりかけている場面もありました。そこをしたたかに狙っていくならば、その徹底をしてもいいと感じています。どちらともなく、間をポンポンとつながれてしまって先制点を取られてしまいました。普段の練習での積み重ねが出ると思うので、それについてはまだまだだと今日の試合では思いました」

(セットプレーからも多くのピンチを作られてしまいました)
「失点の多くはセットプレー崩れや、カウンターから喫しました。そういう細かい部分で点を取られてしまっているのが今シーズンですし、チームとしてまだまだ足りない部分です。チームとしてのルールはありますが、相手にプレッシャーを掛けられなかったからこそ、ああいうピンチが生まれてしまったと思っています。シュートを体に与えることなども、まだまだ足りないと思っています」

選手写真

MF6

天笠 泰輝Taiki AMAGASA

(どんな思いで戦い続けていましたか?)
「前半を0-3で折り返すことになってしまい、エスパルスさんの勢いを出させてしまっていました。最初から気持ちの弱さが出たというか、一人ひとりがもっと戦わないといけなかったと思っています」

(天笠選手のプレーからは、強い気持ちを感じました)
「それをしなければ自分はダメですし、プレーで見せないといけない立場です。こういう状況だからこそ、諦めない気持ちを出さないといけません。群馬からここまで応援に来てくれる人がいて、そういう人たちに対して走らない、戦わないというプレーだけは絶対にしてはいけないと思っています。それはチームのため、来てくれるサポーターのためでもあると思っているので、絶対にやめてはいけないと思っていました」

(慣れない位置でも起用され続けたのは、武藤監督の一つのメッセージでもあったと思います)
「いまは、本当に悔しいです。うまくいかない状況ですが、諦めたら絶対にダメですし、いろいろあるサッカー人生の中でもここでどれだけできるかが、これからの自分にもつながっていくと思っています。絶対に、チームとしても個人としても諦めないでやっていかないといけないですし、僕は絶対に諦めないと決めているので。もっと全力で練習からやっていきたいと思っています」

選手写真

DF36

中塩 大貴Daiki NAKASHIO

(内容、結果についてはどう感じていますか?)
「攻守の切り替えのところで圧倒されてしまいました。相手もすごく気合いが入っていて、単純にすべてにおいて圧倒されてしまったという印象です。自分たちとしては、どこで守備のプレッシャーを掛けていくのか、どちらから行くのか、どのタイミングで行くのかを合わせられなかったですし、奪ったあとのボールを大事につなげられず、簡単に失点してしまいました。すべてにおいて劣っている印象を受けた試合でした」

(相手の攻撃のクオリティーの高さについては、どう感じていましたか?)
「自分たちがしっかりとした準備ができて、やることをしっかりとやれていたら、それを出させないことができた部分もあったと思います。1失点目などは、あまりにも簡単にパスを中へ入れさせてしまいました。だんだんと全体のラインが下がってしまって前に出ていけない、スタミナ的にも前に出られないというのももっと改善しなければならないので、練習からやっていければと思います」

(ファン・サポーターは最後まで声援を送っていました。次の試合に向けては?)
「本当に、下を向いていても何もないので、練習から自分たちができること以上のことをもっと表現していきたいです。今日も多くの方が駆け付けてくれました。その方々に対して何を見せて、何を届けるのか。それについてもっとこだわってやっていきたいと思っています」

SUMMARY総括

櫛引が何度も好セーブを見せるも
首位浮上の相手に圧倒されて4失点


15,651人を集めたIAIスタジアム日本平で、ザスパ群馬が試合前の時点で2位の清水エスパルスに挑んだ。「J2にいてはいけないチームの一つ」と武藤覚監督が評していたように、清水は先発に日本代表キャップ保持者を4人並べるなど個人の能力に長ける。群馬としては前回対戦では3失点を喫して敗れており、リベンジマッチの意味も内包していた。昨季、同スタジアムで挙げた3-1の勝利、その再現を狙った。

開始早々、カルリーニョス・ジュニオに抜け出された場面は、タイミングよくGK櫛引政敏が飛び出したこともあり枠を外れるシュートになった。群馬も7分、中央付近でボールを受けた河田篤秀がドリブルを仕掛けてミドルシュートを放つ。武藤監督が「立ち上がりは悪くなかった」と振り返るとおり、序盤は一進一退の流れだった。

だが、群馬の対応に慣れてきた清水がその鋭い牙をむき始める。11分、原輝綺の縦パスに抜け出した北川航也が右サイドからクロスを入れると、飛び込んできた乾貴士が合わせる決定機。シュートが枠を外れて失点を回避したものの、この好機に絡んだのは日本代表経験者たちで、クオリティーの高さを見せつけられた場面だ。

そして20分、先制点が清水に入る。乾が中央でパスを受けると巧みにターン、動き出していたカルリーニョス・ジュニオにスルーパスを通す。今度は櫛引との1対1をカルリーニョス・ジュニオが制してゴールに流し込んだ。

そこからは完全なる清水ペースに移行した。群馬の守備のプレッシャーを適切にいなしながら守備網の間にパスを差し込み続け、試合やボールを支配した。攻め込めばほとんどがクロスやシュートで終える清水は、群馬に奪われても猛烈なプレスですぐさま回収していた。

主体的にボールを奪うことが叶わず、攻守の切り替えでも「圧倒された」(中塩大貴)群馬は攻め手を見出すことができない。それでも前線の河田が相手を背負ってキープ出来たときなどは、突破力のある樺山諒乃介が前向きで仕掛けるシーンも作ったが、ゴールを脅かすまでには至らなかった。

逆に27分、そして前半アディショナルタイムとCKから相手に追加点を許して、0-3でハーフタイムを迎えた。

後半のスタートから、群馬は風間宏希をボランチに入れて瀬畠義成を3バックの一角に移し、さらにリーグ戦4試合ぶりの出場となる和田昌士をシャドーのポジションに投入することで流れを変えにかかった。

その和田が46分、風間も68分に左サイドからのクロスを合わせて絶好機を迎えたものの、どちらもGK権田の好セーブに遭って得点を奪えない。

攻めに出たい群馬に対して、清水は何度も大チャンスを創出していたが、古巣戦となった櫛引が鬼気迫るセービングでこれを阻止し続けた。それでも74分、途中投入のガーナ出身FWアブドゥル アジズ ヤクブにシュートをねじ込まれて4点差に。点差が開いても「僕は絶対に諦めないと決めている」という天笠泰輝らが奮闘した。しかし、最後まで声援を送り続けたファン・サポーターにゴールを届けることはできなかった。

結局、0-4のままタイムアップ。この勝利で首位に浮上した相手との差を見せつけられた格好となった。厳しい結果に終わったが、武藤監督は「優勝、昇格争いをしている次の相手の横浜FCに対してどう立ち向かうか。ここで経験させてもらったことを生かしていく」と力強い口調で述べた。

中塩大貴も「下を向いていても何もない。練習から自分たちができること以上のものをもっと表現していきたい」と前を向いていた。次節は8月17日(土)、正田醤油スタジアム群馬に横浜FCを迎える一戦となる。