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TOP TEAM 2025.05.25

【5/25法政大学戦】「天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会」1回戦 法政大学戦

「天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会」1回戦
日時:5月25日(日)13:00キックオフ
会場:アースケア敷島サッカー・ラグビー場
対戦相手:法政大学

メンバー
ザスパ群馬
〈先発〉
GK  13 近藤 壱成
DF 4 船橋 勇真 (Cap.)
DF 14 菊地 健太
DF 25 中野 力瑠
DF 30 小柳 達司
MF 20 下川 太陽
MF 23 小野関 虎之介
MF 37 瀬畠 義成
FW 2 田頭 亮太
FW 10 髙澤 優也
FW 18 田中 翔太

〈控え〉
GK 21 キム ジェヒ
DF 22 高橋 勇利也
DF 24 新井 夢功
MF 8 山内 陸
MF 17 山中 惇希
MF 27 藤村 怜
MF 35 玉城 大志
FW 9 青木 翔大
FW 38 小西 宏登

監督 沖田 優


法政大学
〈先発〉
GK 21 寺田 周太
DF 5 大迫 蒼人
DF 6 薬師田 澪 (Cap.)
DF 17 長田 涼平
DF 20 梅津 龍之介
MF 14 松村 晃助
MF 15 小倉 幸成
MF 30 峯野 倖
MF 33 島田 春人
FW 9 相澤 デイビッド
FW 27 小湊 絆

〈控え〉
GK 1 川﨑 淳
DF 3 日髙 華杜
MF 4 塩田 悠人
MF 7 大畑 凜生
MF 11 小池 直矢
MF 32 菅原 太一
FW 10 洪 怜鎭
FW 25 前田 康尋
FW 36 大久保 祐希

監督 柳沢 将之


試合結果詳細
前半:0-0
後半:1-0
合計:1-0

〈得点〉
90+6分 髙澤 優也

〈交代〉
74分 37 瀬畠 義成 → 27 藤村 怜
74分 20 下川太陽 → 8 山内 陸
90+8分 4 船橋 勇真 → 22 高橋 勇利也
90+8分 18 田中 翔太 → 24 新井 夢功



沖田 優監督

「まず、サポーターがたくさん来てくれた中で勝ったということ、最後に粘り強く勝ちを見せられたことはすごく良かったと思います。
法政大学さんは(※隣の近藤壱成選手の肩を叩きながら)ウチのGKも輩出していますし、とにかく良いチームだと思いました。難しい試合でしたけど、最後はしっかり決める人が決めて勝てたので良かったと思います。全員の勝利だと思っています」

Q.前半は相手のプレッシャーも強く、自分たちの時間が作れずに苦しい時間帯だったと思います。前半と後半の戦いぶりを分けて評価してください。
「(アースケア敷島サッカー・ラグビー場は)いつもの正田醤油スタジアムとはちょっとボールの転がり方が違う中で、自分たちのしっかり下でつなぐサッカーをするには簡単な試合ではなかったですが、グラウンドにもよく対応しながら、苦しい時間帯をいかにしのぐかの粘り強さを見せながら、よくゲームを流してくれたなと思っています。

後半のほうがよりGK周り(のピッチ)が悪化していてより難しい中で、しっかりつなぐところはつなぐ、ロングフィードを使うところは使うという駆け引きでうまくゲームを流してくれたと思います。勝負を分けたところは細部で、球際の叩くところ、ラストプレーのクオリティー、一人ひとりの戦うプレーの積み重ねで勝利できたんじゃないかと思います」

Q.藤村怜選手、山内陸選手を投入したあたりから落ち着いてきて、だんだんとつなぐサッカーが形になってきたのではないでしょうか。
「ただ、彼ら2人が入る前から、(菊地)健太から(瀬畠)義成とか、真ん中で受けるのが怖い中でしっかり作っていました。2人が入ってから流れが変わったというより、みんながうまく90分をつないでくれたなと思います」

Q.直近のリーグ戦からスタメン全員を入れ替えて、ほとんど初めてのメンバーで戦ったことについて。
「今日と近いメンバーはありましたけど、11人まったく同じメンバーはなかったと思います。ルヴァンカップの(1stラウンド・1回戦)長崎戦、(天皇杯群馬県予選決勝・)上武大学戦も今日の試合もそうですけど、いつも選手に伝えているとおりのことですが、誰が出ても自分たちのやろうとしているサッカーを表現できる選手たちばかりです。驚きはないですし、もっとできる可能性もあると思います。実際に、リーグ戦も同じようなメンバー構成で進んだことはほぼないので、全員で成長しているというのをハッキリ証明した試合だったと思います」

Q.2回戦はJ1の鹿島アントラーズとの対戦となります。意気込みをお願いします。
「トーナメントなので、とにかく1つずつ勝ち上がっていく。今日勝てたことで、公式戦としていまJ1の上を走っている鹿島と対戦できるのは非常に楽しみだなと思っています。誰が出るかは分かりませんが、誰が出ても鹿島を脅かしていくような良い試合ができるんじゃないかと思っているので、いまから楽しみです」

FW 10 髙澤 優也選手

Q.得点シーンを振り返ってください。
「苦しい時間が90分を通して多かった中で、どっちがワンチャンスを決めるかという試合の流れだったので、率直に決めることができてうれしい気持ちと、まだまだチームとしても個人としても課題が残る内容だったかなと思います。

グラウンドがあまり良くない中でイージーミスが多かったので、グラウンドは関係ないとは言わないですけど、クロスの質やパスの質、トラップの質というところで全員のレベルがもう一段階上がれば、そこを気にせず新しい課題に向き合えるんじゃないかなと思います」

Q.気迫のあるプレーで向かってきていたと思いますが、法政大の印象は?
「僕も流経大(出身)なのでああいう感じというか、大学生でプロとやれる機会はなかなかないのですごくうれしいことですから、そのモチベーションも理解した上で、なめてかかったらやられるなと思っていました。本当にやりづらい相手ではありました」

Q.2回戦の鹿島アントラーズ戦について。
「やっぱり、上のカテゴリーのチームと対戦することはなかなかないので、法政大学が群馬とやるような気持ちで、自分たちJ3のチームがJ1と試合ができるのを楽しみにしています。鹿島にも知り合いの選手が何人もいますし、自分たちがやっているサッカーがどこまで通用するのかなど、すべてにおいて楽しみでしかないです」

GK 13 近藤 壱成選手

Q.OBとして立ちはだかる格好になりましたが、後輩たちのプレーはいかがでしたか。
「いまは(関東大学リーグ)2部ですけど、やっぱり良い選手がそろっているし、サッカーに対する取り組み方や勝負へのこだわりもすごく感じました。良い大学だなと思いました。

天皇杯の東京都予選を勝ち抜く難しさは身をもって知っているので、それを勝ち抜いた上でプロとやれるという、この1試合にかける思いは自分自身も持っていましたが、逆に自分が学生のときは勝ち抜けなくて悔しい思いをしていました(※大学1年時の2019年に法政大は天皇杯に出場しているが、当時はアマチュアシード枠で本戦から参加)。まさか勝ち抜いてきた後輩に立ちはだかる側として試合に臨むとは思っていませんでしたが、サッカー人生でそうそうない経験だと思うので、良い90分だったと思います」

Q.先輩としての意地は見せられたのではないでしょうか。
「そうですね。髙澤(優也)選手のゴールのおかげでなんとかメンツが保てたと思います(笑)」

Q.ピンチもありましたが、最後までゴールを割らせませんでした。
「今日の試合に関しては、僕自身が1点を止めたというシーンはそんなになくて、DF陣が頑張ってくれました。体を張ってシュートブロックに行ってくれましたし、簡単にシュートを打たせるシーンを作らないようにしてくれたと思います」

Q.2回戦はJ1の鹿島アントラーズとの対戦になります。
「自分自身のプレーがどれだけ通用するかもすごく楽しみですが、それ以上に、チームでやっているサッカーがJ1相手にどれだけやれるのか、いちサッカー好きとして楽しみです。楽しみだけで終わらせずに、アウェイ(※2回戦は鹿島の本拠地・県立カシマサッカースタジアムで開催)に来てくるれるファン・サポーターの方々がたくさんいると思うので、その方々を良い笑顔にさせられるよう、とりあえずまずはリーグ戦ですけど、良い準備をしたいと思います」

DF 14 菊地 健太

Q.決勝アシストのシーンを振り返ってください。
「もう集中していて、この一球にかける思いで蹴ったらあとは髙澤(優也)選手が素晴らしいボレーを決めてくれました。ありがたいです」

Q.この天皇杯1回戦はあまりリーグ戦に絡めていない選手たちで戦いました。
「この間の(天皇杯群馬県予選決勝・)上武大学戦もうまくいっていましたが、今回は相手のレベルも上がった中で、できた部分はありますけど、できなかった部分のほうが多いと思います。ただ、『カップ戦は内容より結果』だとみんな言っていたので、とりあえず勝てて良かったかなと思っています」

Q.あまり組んでいないメンバーでも、実行するのが大変なサッカーをしっかりやれていたと思います。
「後ろから丁寧につなぐという今年のスタイルで、後ろの選手はやることがいっぱいあるんですけど、その中でも自分がもっとボールを受けてつながないといけないと思います。相手のプレスを回避できる準備がもっとできていたら、この試合はもっとラクにできたのかなと思っています」

Q.とはいえ、後半はターンでプレスをはがしたり、自ら打開するシーンもありました。
「前半はちょっとポジショニングが低過ぎて相手のプレッシャーを受けていたので、(瀬畠)義成とかと話して後半は改善しました。自分がちょっと高い位置を取ることで相手がタツくん(小柳達司)のところに行けないようにして、来たら俺のところが空くので義成にワンタッチで落としたりとか、そういうのはできたかなと思っています」

Q.左サイドの連係は良かったように見えました。
「田中翔太選手と小野関(虎之介)選手がよく走ってくれるので、本当に助かっています」

Q.普段出てないメンバーもやれるぞというのを見せられたのではないでしょうか。
「相手はプロ内定者が多かったですが、大学生相手に負けちゃいけないということで、まず勝てたことが安心ですし、自分はまだリーグ戦で1分も出ていないので、これを機に出られたらいいなと思っています」


10番の劇的ゴールで初戦突破。
鹿島への挑戦権をつかみ取る

前日夜から降り始めた雨はすっかり上がり、日差しも穏やか。程よい風も相まって、キックオフ直前にはアースケア敷島サッカー・ラグビー場は快適な気候の下、天皇杯1回戦を迎えた。

ザスパ群馬が相対するのは法政大。一昨年に関東大学リーグ2部に降格したとはいえ、毎年のようにプロ選手を輩出する名門中の名門。“プロ予備軍”と言って差し支えない強敵で、この1回戦ではFC東京加入内定の小湊絆、横浜FM加入内定の松村晃助がスタメンに名を連ねた。

今回は関東大学リーグ1部の明治大を破って東京都代表の座を勝ち取り、6年ぶりの天皇杯出場。その6年前には東京ヴェルディ、ガンバ大阪を続けて破る快進撃を見せた。

群馬は直近のJ3第13節・高知ユナイテッドSC戦(2△2)からスタメン11名を総入れ替え。多くの選手にチャンスが回ってきた。

試合が始まると、法政大は長身FW相澤デイビッドへのロングボールからスタート。対する群馬は3分、後方から細かくつないで左ウイングの田中翔太がクロス。お互いのスタイルがハッキリと出る立ち上がりになった。

6分、群馬が左右の揺さぶりからの下川太陽のボレーでチャンスを作り、8分には法政大の小湊にカットインからシュートを浴びるもGK近藤壱成がセーブ。13分に船橋勇真のクロスに髙澤優也がボレーを放てば、17分には法政大のクロスが惜しくも合わず。一進一退で試合は進んでいった。

群馬は24分や26分にはビルドアップからのミスでピンチを迎えるも、周囲がカバーして得点を許さず。34分には腕章を巻いた船橋が負傷して一時ピッチを離れるも、ヘッドギアを装着して復帰。これでより士気が高まったか、39分には菊地健太がプレッシャーをターンではがして前進。相手をゴール前へと押し込み、波状攻撃を仕掛ける。スコアこそ動かなかったが、群馬優勢で前半を折り返した。

後半の立ち上がりはプレスを強めてきた法政大の守備に苦戦し、ファウルで止められるシーンも多くなってなかなか前進できない群馬。それでも辛抱強くボールを回しながら、相手のプレスが弱まったところで攻撃に転じていった。

74分には藤村怜と山内陸を投入。それぞれが下川、瀬畠義成のポジションに入り中盤の活性化を図ると、ペースをつかみ始めていた中でより攻撃機会が増えていく。79分には小野関虎之介がターンでの突破からクロスを上げると、何度もブロックされながら続けてシュートを浴びせていった。

しかしお互いの消耗とともに、徐々に間延びした展開となりぶつかり合いも増えていく。90+1分には法政大のクロスを阻止すべく、体を張って飛び込んだGK近藤が痛むもプレー続行。母校相手に闘志を見せた。

そしてこのまま延長戦に突入かと思われた90+6分、左サイドの高い位置で菊地が鋭いクロスを上げると、ナンバー10・髙澤がジャンピングボレー。左足で完ぺきにとらえたボールがゴール右に突き刺さり、先制点かつ決勝点に。群馬が2回戦へと歩みを進め、次はJ1首位の鹿島アントラーズと対戦することとなった。

文:沖永 雄一郎(EL GOLAZO)