GAME SCHEDULE / RESULT

試合日程・結果

GAME RESULT 試合結果

2025明治安田J3リーグ 第37節

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ザスパ群馬

群馬

2025.11.23 SUN 14:03 KICK OFF

正田醤油スタジアム群馬

6

2 2

4 0

2

試合終了

AWAY

松本山雅FC

松本

GOAL

  • 99 山田太郎 99'
  • 49 小竹知恩 06'
  • 7 西村恭史 16'
  • 49 小竹知恩 55'
  • 7 西村恭史 70'
  • 22 高橋勇利也 89'
  • 19 モハマドファルザン佐名 90'+7
  • 99 山田花子 99'
  • 14 安藤翼 20'
  • 46 安永玲央 36'

“成長”と5連勝を求めて――
沖田ザスパは止まらない

約1カ月ぶりとなるホームゲームは、今季の集大成を見せるための90分となる。前節のアスルクラロ沼津戦で勝利しJ3残留を決めたザスパ群馬が、このホーム最終戦で目指すのは5連勝。勝点40で並ぶ松本山雅FCとの戦いを制し、ファン・サポーターと笑顔で喜び合いたい。

群馬は怒涛の4連勝で「最低限の目標」(沖田優監督)である残留を達成した。前節は開始早々に西村恭史が決めた2つのゴールで主導権を掌握。しかし、後半は劣勢を強いられ、終盤には失点。1点差を維持して辛くも逃げ切ったが、90分トータルの試合内容として見れば課題が残った。

だからこそ、沖田監督は“成長”を強調する。「残留が決まったことで解放されたり、チャレンジできるようになったりするか」という言葉には首を横に振り、今節を含めて残された2試合に対して、チームとしての向き合い方をしっかりと示した。

「もっと攻守ともに上げていくことしか考えていません。4連勝目の沼津戦も、後半の内容はどうなんだと。攻守ともに良くなかったので、前半のようなプレーをもっと長くできないといけないです。自分たちが成長できる機会は、今季もう2試合しかないですから。そこは選手たちと共有しました」

この4連勝中の勝ち方はさまざまで、完封勝利もあれば、逆転勝ちもあり、相手の追い上げを振り切ったゲームもある。その中で共通しているのは、複数失点がなかったこと。どの試合も苦しい時間帯はありながら、耐える力、踏ん張る力がついてきたことは、チームとしての大きな成長である。

「自分たちに自信がついてきたところはあると思います。失点が続くとネガティブになってしまい、引いてしまうところもあると思いますけど、『これなら大丈夫でしょ』というちょっとした自信や、押し込まれていても『このままならしのげる』という自信が出てきたと思います」(大畑隆也)

4試合連続で複数得点を取れているように、攻撃面には大きな心配がないだけに、今節も守備の局面でどれだけ耐えられるかがカギとなりそうだ。

今季最後のホームゲームとなる今節、勝利が絶対なのは言わずもがな。前節で負傷離脱から復帰し、待望のホームデビューを目指す中島大嘉が「点を取りたい」と強く意気込んでいるように、選手たちもそれぞれの想いを持ってピッチに立つはずだ。ファン・サポーターを含め、すべての思いを結集させ、沖田ザスパは勝利をつかみ取る。

文:須賀大輔(エル・ゴラッソ群馬担当)


沖田 優監督
Q.前節のアスルクラロ沼津戦で4連勝を飾り、J3残留が決まりました。
「目標を(『J3優勝、J2昇格』から)変えることになってしまい、その状況の中で選手たちからすればプレッシャーもあったと思いますが、よくクリアしてくれたと思っています。そのクリアの仕方も、攻撃的なチームとして攻撃の練習で積み上げてきたことを捨てることなく、ブレることなく、夏場以降は守備の整備もして、強度を上げている中で、トータル(攻守)がかみ合った形で、プレッシャーの山を乗り越えて4連勝してくれました。そこは選手たちが大きく成長してくれたと思っています。チームとしても、クラブとしても、ブレずに4連勝という形で今の目標をしっかりと達成してくれたし、成長している姿を見せてくれたので、自分たちの基準は上がりました。だからこそ、1個でも勝ち続けて終わる、1個でも順位を上げて終わることが目標です。この方向性のまま、攻守ともにどんどんレベルを上げ続ける作業が続いていくことに変わりはないです」

Q.残留が決まったことで、解放されたり、チャレンジできたりすることはありますか。
「そう考えるよりも、むしろ、もっと攻守ともに上げていくことしか考えていません。勝ちながらも攻守ともに課題があり続け、毎試合そこに向き合い、もっとやれる、もっとやれると思いながら戦っていましたし、4連勝目の沼津戦も、後半の内容はどうなんだと。攻守ともに良くなかったので、前半のようなプレーをもっと長くできないといけないです。そこら辺の課題を次の試合では解決できるようにしていこうと話しているので、(今節の松本山雅FC戦では)それをピッチで良いプレーとして出してくれたらいいなと期待しています」

Q.残り2試合、もう1回自分たちの成長に向き合ってやっていこうということですね。
「そうです、もっともっとです。自分たちが成長できる機会は、今季もう2試合しかないですから。沼津戦の課題で言えば、後半の良くない時間帯をもっともっと短くするチャンスはあと2回しかないんだよ、と。そこは選手たちと共有しました」

Q.今節はホーム最終戦となります。
「今季はホームで勝利が少なく、もっと早くしたかったですけど、今ようやく4連勝と勝利を増やせているので、(その中で)ホーム最終戦を良い形で飾れるようにより集中して、良いパフォーマンスで勝ちたいと思っています」

Q.松本のファン・サポーターも大勢来てくれるでしょうし、良い雰囲気での試合となりそうですね。
「隣県のライバルクラブとの対戦は楽しみですね。ましてや順位も近く、勝てばひっくり返せるので、シチュエーションとしてはすごく良いゲームになると思っています。そういった意味でも楽しみにしていますし、勝って5連勝する姿をホームのファン・サポーターの皆さんに見てもらいたいと思っています」


DF 3 大畑 隆也選手
Q.前節のアスルクラロ沼津戦に勝利して4連勝となり、J3残留が決まりました。
「実力のある選手はいるのでこういう連勝はできると思っていましたし、これまでも『ひとつ連勝できれば』と思っていた中で、やっと連勝できたと感じています。もともと実力はあったと思っているので、苦しい中でしたし、最低限の目標にはなりますけど、J3残留を決められて良かったと思います」

Q.この4連勝中は複数失点の試合がありません。
「前線のハードワークに助けられています。あれだけ前に行ってくれれば、後ろは(コースを)限定しやすいですし、高い位置でボールを奪えるシーンも増えていたので、そこには助けられています。あとは、ゴール前ではみんなが体を張って、シュートブロックしたりクロス対応で跳ね返してくれたり、そこが徹底できているから複数失点がないことにつながっていると思います」

Q.今季はなかなかできなかった勝ち方を今はできていると思います。
「自分たちに自信がついてきたところはあると思います。失点が続くとネガティブになってしまい、引いてしまうところもあると思いますけど、『これなら大丈夫でしょ』というちょっとした自信や、押し込まれていても『このままならしのげる』という自信が出てきたと思います。あとは、一人ひとりの気持ちでも変わってくると思うので、それがどの試合でも相手よりも勝っていると思います」

Q.今節の松本山雅FC戦はホーム最終戦です。
「ここまで4連勝できているので、ホームで5連勝したいです。今季はふがいないというか、昨季から悔しい思いを(ファン・サポーターに)させてしまっているので、良い形で終わるためにも勝利で終わりたいと思います」




FW 11 加々美 登生選手

Q.先発に復帰したところからチームは4連勝しています。
「4連勝は素直にうれしいですけど、個人としては結果を残せていないので、そこは悔しいです。たまたま自分が出たタイミングで勝っているのでそういう見え方になっているかもしれないですけど、チーム全員がベストな力を出しているから勝っていると思います。引き続き、チャンスをもらえたら結果を意識して、5連勝、6連勝としていきたいと思います」

Q.加々美選手が前線から守備のスイッチを入れることで良いリズムが生まれていると感じます。
「ベンチ外で(試合を)観ていたときから言っていましたけど、強度の部分がウチのチームには足りないと思っていたので、自分が出たときの守備の部分をイメージしながら観ていたことを、今実践できていると思いますし、それは4連勝しても変えずにやろうと思っています。FWで出させてもらったので、前からのスイッチはすごく意識しています」

Q.後ろの選手から直接「助かる」というような言葉をかけられたりはしますか。
「特にはないですね…(笑)。でも、まず前がスイッチを入れないと後ろも迷ってしまうと思うので、まず行ってみて、ついてきていなかったら連続して自分が行けばいいと思っていますし、そこの意識は相手もかなりイヤだと思います。自分たちがボールを保持していて、奪われたときにプレスに行かずに相手に時間を作ってしまうと、陣形を整える時間や体力を戻す時間を作られてしまうと思うけど、プレスに行くことで相手も戸惑うと思うので、そこはすごく意識しています。そこの切り替えで相手に時間を作らせず、蹴らせて、またマイボールにしてボールを保持できれば、相手はすごくきついと思うので、そこは意識しています」

Q.今はショートカウンターからの得点が多いです。
「今まではボール保持が多くて、そういうシーンはあまりなかったですけど、成長している部分だと思います。ただ、まだまだ技術的なミスの課題は多いと思いますし、監督もそこは課題だと言っていて、選手たちも感じていると思うので、もっと練習から(クオリティを)上げていきたいと思っています」

Q.ゴールへの“飢え”はどうですか。
「今季はまだ2点しか取っていないので、あと3点くらいは取りたいですね。チャンスがないわけではないので、そこでどう落ち着いて決めるかだと思います。残り2試合で結果を意識して、得点を狙いたいです」

Q.西村恭史選手とは良いコンビネーションでプレーできているように映ります。
「ヤス(西村)は得点への嗅覚がすごいですし、そこは自分に足りないところだと思います。だから負けないように頑張りたいです」

Q.今節の松本山雅FC戦はホーム最終戦です。
「(今季)残留争いになってしまい、かなり悔しいです。今季はホームで2点取っているので、ホームラストでも自分が決めて、みんなで盛り上がれたらいいと思います」




FW 48 中島 大嘉選手

Q.前節のアスルクラロ沼津戦で復帰しました。
「久々の試合でしたけど、あまり何も思わなかったですね。点を取りたい。それだけだったので、感傷に浸ることはなかったですね」

Q.1本、ゴールのチャンスもありましたね。
「2本かな。あそこで決めたかったです。試合が終わったときに『久々に試合に出られて良かった』みたいな感情は全くなく、点を取れなかった悔しさなど、いつもと変わらない感情でした。なんなら、いつもよりも余計に悔しいし、焦りみたいな感じです」

Q.フィーリングの部分が戻ってくれば、という感触ですか。
「まさにそこですね。いざシュートを打つ瞬間、それが1秒だとしても、その1秒をどれだけ長く感じられるかが重要で、この前(沼津戦)はそれが短かったです。だから、すぐに打たないといけないと思って、思考する時間がなかったです。ただ、それは試合を重ねていけば、もうちょっと1秒を長く感じられると思います」

Q.ピッチから離れていた期間はどう過ごしていましたか。
「もしかしたら、ケガをしなかった世界線というか、ケガをしないで長い時間プレーして、たくさん点を取ってという自分よりも、4カ月くらいリハビリしていた今の時間のほうが、5年後、10年後を考えたときには良い出来事だったんじゃないかなと。ケガして治って、またケガしてという4カ月で気がついたこと、新しい視点が、今後の自分にとって良いものになるんじゃないかなと思っています」

Q.気がついたことはどういったことですか。
「4カ月もサッカーをしていないので、気がつくことしかやることがないんですよ(笑)。でも、本当に得たものは多かったです。今までケガをしたことがなかったので、自分の体の解像度は上がったし、ケガをしたときの対処法も得たし、実力で出られないときとはまた違った視点で試合を観ることができました。俯瞰して、客観的に組織を見ることはあまりできないので、プロ5年目でいろいろな経験をしてきましたけど、うまくいかないことが多かった中、ここでケガすることが“ラストチャンス”だったと思います。活躍して、ステップアップして、海外にも行ってというタイミングでケガをしていたら、たぶん自分では消化できていなかったと思うので、ここでケガの経験をできて、全部そろいました。あとは、復帰して活躍して上に行くだけですね。だいぶ良い経験になりました」

Q.ケガをしているときも、常にポジティブな姿を見せているように映りました。
「実はめちゃくちゃメンタルは弱いし、すぐに泣きます。でも、最初に膝をケガしたときに弱いところを見せてはいけないなと思ったんです。北海道コンサドーレ札幌にいる深井一希さんって5回くらい膝をケガしていますけど、あの人は周りに弱いところを見せないんですよね。落ち込んでいるところも。ずっといつもどおり振る舞っていて、それがすごいと思っていたので、俺がケガして落ち込んで、マイナスの雰囲気を出していたらチームに良いことがないと意識して行動していました。それも良い経験だったと思います。男として、強くなったと思います」

Q.今節の松本山雅FC戦に出場すれば、ホームデビューとなります。
「本当に楽しみですね。ホームで初めて俺のプレーを観る人もいるでしょうし。ホーム最終戦で、初めて出てきた選手が点を取って勝ったら印象に残ると思うので、それをどれだけ熱いシーンにできるかですね。正直、良いプレーをしようとは思っていないです。本当に点を取りたい、点を取って勝ちたい。俺が点を取って勝ちたい。絶対に取りたいですね」

Q.出場した際にどれだけ100%、120%の力を出せるかですね。
「精神的にも肉体的にも良い準備をして、試合の日の朝起きて、『あ、今日は俺の日だ』と思えたら勝ちです。そこまで良い生活をしたいです。点を取る日はそういう思いになる。沼津戦の日も思ったんですけどね(笑)」

progress of a match 試合経過

ザスパ群馬
松本山雅FC
前半後半データ後半前半
12シュート8
1CK4
GK
6FK14
オフサイド
0PK0

MEMBER LINEUP メンバーラインナップ

スターティングメンバー
  • GK 21 キムジェヒ

  • DF 36 安達秀都

  • DF 43 野瀬翔也

  • DF 3 大畑隆也

  • DF 22 高橋勇利也

  • MF 37 瀬畠義成

  • MF 11 加々美登生

  • MF 27 藤村怜

  • FW 4 船橋勇真

  • FW 7 西村恭史

  • FW 49 小竹知恩

控えメンバー
  • GK 13 近藤壱成

  • DF 30 小柳達司

  • MF 6 米原秀亮

  • MF 14 菊地健太

  • MF 15 風間宏希

  • MF 19 モハマドファルザン佐名

  • FW 18 田中翔太

  • FW 38 小西宏登

  • FW 48 中島大嘉

監督
  • 沖田優

スターティングメンバー
  • GK 1 大内一生

  • DF 24 小川大貴

  • DF 44 野々村鷹人

  • DF 16 宮部大己

  • DF 40 樋口大輝

  • MF 36 松村厳

  • MF 18 大橋尚志

  • MF 46 安永玲央

  • FW 20 前田陸王

  • FW 14 安藤翼

  • FW 41 村越凱光

控えメンバー
  • GK 35 神田渉馬

  • DF 19 杉田隼

  • DF 7 馬渡和彰

  • MF 25 川上航立

  • MF 15 山本康裕

  • MF 22 佐相壱明

  • MF 23 滝裕太

  • FW 42 田中想来

  • FW 43 林誠道

監督
  • 早川知伸

DATA 試合環境

入場者数
7157
天候
15.8℃ 50%%
主審
國吉真吾
副審
長田望、平塚将哲

MOVIE ハイライト動画

COMMENT 監督&選手コメント

監督コメント

「7,000人を超える多くのお客さんが集まってくれた中で、自分たちが今まで積み上げてきたサッカーを出し切れるかというところに焦点を置いて、ゲームを進めました。非常に良い入りをしてくれて、先制もしたけど、追いつかれてしまいました。2点目を取られてから、前半の終わりまでは非常に悪い内容だったと思っています。ハーフタイムには選手たちと、『自分たちのサッカーを勇気を持って出し続けよう』と再確認しました。ミスを恐れなくていいし、勇気を持ってやっていこうと。後半は長い時間、自分たちらしいプレーを続けてくれたと思っています。結果的に、終わってみれば6点、6-2で勝利できたということは、非常に大きな1勝でしたし、内容も非常に素晴らしいものだったと思っています。今季は苦しい時期もありましたけど、選手たちは攻守ともに今できる自分たちのパフォーマンスを長い時間表現してくれたと思っています」

Q.前半の2失点について。
「1失点目の形というのは、あのポジションでGKも(ビルドアップに)参加して、自分たちはフィールドプレーヤーを11対10にして優位に戦うんだ、攻撃的に進めるんだというマインドの表れなので、あの形で失点するのは選手たちのせいではないです。ミスでもなんでもないと思っています。ただ、それ以降ですね。2失点目以降、メンタル的に勇気を持てなくなったかなと。そっちのほうが問題だと思っています。あの位置で取られて、GKの背後を脅かされた失点は(今季ここまで)多くなかったと思いますし、このスタイルでずっとやっている割には限りなく少ないと思っているので、引き続き勇気を持ってやってもらえればいいと思っています」

Q.後半はさらに得点を重ねられましたが、90分の内容としてはどのような評価でしょうか。
「6点取れたことはすごく良かったと思っています。先ほど挙がったように、1失点目のような形の失点があっても、2-2に追いつかれても、後半は自分たちのプレーを怖がって、やめて、ロングボール一辺倒のサッカーに終始したかといえば、全くそうではなくて、2点目を取るまでのプレーを取り戻して、後半の45分間はしっかりとチャレンジし続けました。それによって前半よりも多く、4得点を重ねて6-2で勝てたことが、本当に今日の試合の素晴らしい部分だと思っています。これだけ多くのお客さんが入った中でそういうプレーをすることは、非常に怖いことかもしれないですけど、それでも勇気と自信を持ってやってくれたことを高く評価しています」

Q.それは1年間の積み重ねによるメンタル的な成長が大きいですか。
「2-2に追いつかれたシチュエーションでは、勝てていない時期は後半のようなプレーはできなかったかもしれないですけど、今は何があっても強いメンタリティでやり続けるというものを選手たちは獲得しているので、だからこそ5連勝できていると思います。この先も今できていることを継続して、やっていかないといけないと思っています」

Q.5連勝中と良い形でシーズンを終われそうな一方で、シーズン全体を見ると、当初の目標からはほど遠くなってしまったことへの思いはいかがですか。
「今の順位自体は到底納得できるものではなくて、自分の責任だと強く思っています。今ようやく5連勝できるような、攻守ともに質が上がっているこの状態をもっと早く達成させてあげたかったです。例えば、これが15節くらいのときに達成させてあげられていれば、上位争いをできていたと思いますので、そこは自分の力不足だと思っています。ただ、連敗中に、ファン・サポーターの皆さんも攻撃的なサッカーをやめて、守備的なサッカーで残留するのではなくて、自分たちのビジョンに対して、ともに戦い、支えると言ってくれて、そこから選手たちが自信と勇気を持ってプレーできて、今それが続いていることでクラブ全体として、“オールザスパ群馬”として、獲得している5連勝だと思っています。次の試合も勝利して、6連勝で来季以降のJ2を目指すサッカーに、より進化した形で進んでいけたらいいなと思っています」

選手コメント

選手写真

MF6

米原 秀亮Shusuke YONEHARA


Q.約5カ月ぶりの復帰となりました。
「だいぶきつかったですね(笑)」

Q.ピッチに入るときはどういう思いでしたか。
「手術が決まったときにカレンダーを見て、『松本山雅FC戦が一番のターゲット』とトレーナーの方と話していたので、ピッチに戻れたことはうれしかったです。さらに、その試合が古巣戦だったことは感慨深いというか、長い間所属していたのでいろいろな感情も湧いてきました。もし同点の展開なら難しかったかもしれないですけど、勝っていたので思い切りプレーしようと思えました」

Q.「いろいろな感情」とはどういうものでしたか。
「もちろん、自分自身のことで言えばうれしかったです。ただ、ピッチに入ったタイミングで4-2だったので、松本側の気持ちを思うと難しかったです」

Q.最後にアシストを記録しましたが、プレー自体はいかがでしたか。
「まだ、全然ですね。復帰してすぐですし、ピッチでもっとやらないといけないと思いました」

Q.今季は新加入ながらキャプテンを任されましたが、ピッチを離れる苦しい時間も長かったと思います。
「9戦勝ちなしの時期などでも、ピッチの上で声かけをできないことが一番もどかしかったです。同じピッチに立っていたら声をかけられたであろうことも、室内で(リハビリを)やっている時間が長かったので、ピッチの外から見えていたことをもっと伝えられたかなとも思いますけど、戻ってきてからはポジティブな声を意識してやってきました。そこは残りの1試合も大事にしてやりたいと思います」

Q.歩くところから始めるようなリハビリだったと思いますが、その期間は長かったですか。
「順調に来ていて、むしろ予定よりも少し早く完全合流できていたので、長かったですけど、自分にとっては意味のある3カ月だったと思います」

Q.最終節の高知ユナイテッドSC戦に向けてはいかがですか。
「ここまできたら6連勝するだけだと思いますし、自分たちの形が確立されつつある中で、得点が多く、失点が減ってきている収穫は大きいので、来季につながる試合を最後にしたいと思います」

Q.ご自身としては、今季最後の試合をどう締めくくりたいですか。
「あまり自分のことは……。やっぱりチームとして勝って、良い終わり方ができればと思います」

選手写真

MF19

モハマド ファルザン佐名Faruzansana MOHAMADO


Q.ベンチからどのように試合を観ていましたか。
「前節(アスルクラロ沼津戦)も同じような展開で進んだといいますか、沼津戦は後半でしたけど、今日は前半の途中から崩れてしまったなと感じていました。ただ、後半はみんなで立て直して、4点も奪えているので、そこはチームとして成長できていると思います」

Q.投入されたときは、「もっと得点を取りにいけ」という雰囲気だったのか、「落ち着かせよう」という感じだったのか、どうでしたか。
「『取りにいけ』という感じでした。だから、(同じタイミングで途中出場した中島)大嘉くんと2人で『決めよう』と言っていました」

Q.オフサイドとなってしまいましたが、中島選手との関係でゴールネットを揺らしたシーンは鮮やかな攻撃でした。
「自分でもギリギリかなと思って、後ろから追い越していったつもりでしたけど、仕方ないですね……。形としては完全にイメージどおりでした。(高橋)勇利也くんからボールが来ましたけど、あれも完全に狙っていたので、タイミングを合わせられれば良かったです。それに大嘉くんに(点を)取らせてあげたい気持ちがすごくあったので、たくさんクロスを上げようとは思っていました」

Q.試合終了間際にはチーム6点目となる、自身にとってはホームでの初ゴールを決めました。
「ホームで決められていなかったので、決めたい思いはもちろんありました。パスをくれたのも、復帰戦だった米原(秀亮)くんだったので、決められて良かったです。相手GKが寄せてきていたので浮かすしかなかったですけど、ちょっと浮かしたらうまく入ってくれて良かったです」

Q.復帰後は、しっかりと結果を残せています。
「まだ体のキレは戻っていませんが、得点感覚は良くなってきている実感があるので、キレを戻しながらさらにやっていきたいです」

Q.最終節の高知ユナイテッドSC戦に向けて。
「チームとしては絶対に6連勝して終わりたいですし、個人的には点を取りたいと思っているので、結果にこだわってやりたいと思います」

選手写真

MF49

小竹 知恩Sean KOTAKE


MF 49 小竹 知恩選手
Q.大活躍でしたが、今日の試合についてはどんな感想を持っていますか。
「ホーム最終戦ということで、自分もここでゴールを取りたいと思っていたので、2ゴールできて、勝てて良かったです」

Q.先制点となった1点目はクロスだったのでしょうか。
「シュートを狙いました。『そのまま枠に飛べばいいな』くらいの感じでしたけど、本当に入って自分でもビックリしました(笑)」

Q.左サイドからのカットインは得意の形のひとつだと思います。
「自分の課題のひとつがシュートで、1試合で1本も打っていない試合もあって、そこはオカさん(岡山一成ヘッドコーチ)たちコーチからも『カットインして無理にでもいいから打て』と言われていたので、今日は絶対に打とうと思っていました。その中で入ったので、良かったです」

Q.2点目は、余裕を持って力みなく打ったように見えました。
「(加々美)登生くんからクロスが上がってきたときに『ここにこぼれてくるだろうな』という予感があり、そのとおりに来て、力を抜いて打てたので良かったです」

Q.先発出場するようになってからコンスタントに結果を残せています。その要因をどう捉えていますか。
「先発で出られていないときにずっと悔しい思いをしていて、『自分が出ればチームを勝たせられる』という気持ちでずっといたので、(第33節)奈良クラブ戦から始まり、ここまで連続で先発で出させてもらっていますけど、スタメンで出るために準備していたことが結果につながって良かったです」

Q.今は良い循環でプレーできているようにも見えます。
「毎試合、結果を残せていると自信がつきますね。かといって、この結果には全然満足していないので、もっともっと高みを目指してやっていきたいです」

Q.最終節の高知ユナイテッドSC戦に向けて意気込みを聞かせてください。
「6連勝も懸かっているので、絶対に落としてはいけないゲームですし、しっかりと勝ってシーズンを終わりたいと思います」

SUMMARY総括

これぞ沖田ザスパ
ホーム最終戦で披露した“超攻撃”


前節のアスルクラロ沼津戦で4連勝を果たし、J3残留を決めたザスパ群馬は、約1カ月ぶりに正田醤油スタジアム群馬に戻り、ホーム最終戦を迎えた。前節からのスタメン変更は2人。出場停止明けの高橋勇利也が最終ラインの左に入り、中盤では安達秀都が5試合ぶりに先発入り。そして、ベンチには出場すればホームデビューとなる中島大嘉と、6月15日の第16節で出場して以来、負傷離脱していたキャプテンの米原秀亮が控えた。

激しくスコアが動く前半の45分間となった。前節同様に、群馬は幸先よく先制点を挙げる。6分、中盤の攻防でこぼれたボールを拾った藤村怜が中央を持ち運び、左サイドで張る小竹知恩へパスを送る。小竹はカットインを選択して、右足でシュート性のクロスを入れると、このボールがそのままゴールネットに吸い込まれた。

群馬はその後も良いテンポで攻撃を続け、追加点も奪う。16分、GKキム ジェヒの左サイドへのフィードを起点に、小竹が落としたボールを高橋が裏のスペースへ送る。これに抜け出した藤村が縦に運んで折り返すと、合わせたのは西村恭史。右足で丁寧に合わせたシュートがニアサイドを射抜いた。

ところが、ここからゲームの展開が急転する。20分、自陣でのビルドアップにミスが生まれたところを松本の安藤翼に突かれ、ロングシュートで1点を返されると、36分にも失点。今度は自陣深くで失うと、その流れから安永玲央に蹴り込まれ、2点のリードを追いつかれてしまった。

それでも、仕切り直しとなった後半は、群馬の独壇場となった。55分、右サイドのクロスから小竹が豪快なシュートを突き刺して松本を引き離すと、70分には4点目が生まれる。ボランチの安達が船橋勇真に当ててゴール前に潜り込み、船橋がつぶれ役となってこぼれたボールを拾うと、冷静にラストパス。これを難なく決めた西村は、2試合連続の2ゴールとなった。

群馬の“ラッシュ”はまだ終わらない。78分にモハマド ファルザン佐名と中島を、85分には米原をピッチに送り込み、攻撃の姿勢をさらに強める。モハマドのクロスを中島が押し込んだシーンは、オフサイドの判定でゴールとはならなかったが、89分にCKから高橋がゴールネットを揺らし、5ゴール目を奪取。さらに後半アディショナルタイムには、トドメの6点目。素早い切り替えからボールを奪い返し、ショートカウンターを発動。米原のパスをモハマドが押し込み、スタジアムを沸かせた。

終わってみれば、クラブ史上1試合最多得点となる6ゴールを奪って5連勝を達成。今季、一貫してきた“超攻撃的なサッカー”をホーム最終戦で披露してみせた。

文:須賀大輔(エル・ゴラッソ群馬担当)