GAME SCHEDULE / RESULT

試合日程・結果

GAME RESULT 試合結果

2025明治安田J3リーグ 第24節

HOME

ザスパ群馬

群馬

2025.08.23 SAT 19:03 KICK OFF

正田醤油スタジアム群馬

0

0 1

0 0

1

試合終了

AWAY

栃木SC

栃木SC

GOAL

  • 99 山田太郎 99'
  • 99 山田花子 99'

ダブルと連勝をつかみ取れ
その先に、視界は開ける


残り16試合での巻き返しを果たす上で、再開初戦となった前節・FC大阪戦での勝利は大きかった。前回対戦(第10節/3●4)で悔しい負け方となった相手へのリベンジ、そして中断期間中に取り組んできた守備面での成果を発揮しての無失点。開幕から貫く攻撃的なマインドが生んだ複数得点と収穫は多い。何より、正田醤油スタジアム群馬に集まったファン・サポーターと5カ月ぶりに勝利の喜びを共有できたことで、チームは一歩前進した。

その流れで今節は、栃木SCとの“北関東ダービー”の第2ラウンドを戦う。ホームでライバルを叩ければ、勝点3以上のものを得られることは間違いない。そのうえ、今季初となる連勝につながれば、一気に視界が開けてきそうな気配もある。痛快この上ない“ダブル”を果たし、反撃の夏を突き進みたい。

83分に下川太陽のクロスから生まれたオウンゴールが決勝点となったアウェイでの前回対戦(第15節/1〇0)を思い出してもらえれば分かるように、おそらく今回も我慢比べの戦いとなるだろう。お互いの意地とプライドがぶつかり合う上に、栃木SCの立場に立てば“同じ相手に二度は負けられない”はず。だからこそ、それを受けるのではなく、逆にへし折るぐらいの気持ちで迎え撃ちたい。地元・群馬県出身の大畑隆也は、あくまでも平常心を保とうとしながらも、群馬県民としての思いをパワーとエネルギーに変えて戦うつもりだ。

「変に意識はしたくないですけど、ファン・サポーターの方はダービーの雰囲気を作ってくれると思います。群馬を盛り上げるという意味でも、この注目された試合で勝つことに意味があると思うので、群馬県民の1人、群馬出身の1人として、全力を尽くして勝利に導きたいです」(大畑隆也)

第1ラウンド同様に栃木SCが前からプレッシャーを掛けて、高い位置でボールを奪うとしてくるなら、開幕からここまでブレずに貫いてきたポゼッションで相手を一枚一枚はがしていけばいいし、一進一退の展開となれば、前回対戦や前節のように耐えるところは耐えながら、焦れずに戦えばいい。後半戦に入り、ザスパ群馬は戦い方の幅を広げており、相手の出方やゲームの状況に応じて、ピッチ上での振る舞いを変えられるようになりつつある。大事なのは、“蹴るのか、つなぐのか”の使い分けとバランスを間違えないことだ。

「一番盛り上がるであろうダービーマッチで連勝できたら勢いに乗ってくると思うので、本当にこの試合はただの1試合ではなく重要な1試合だと思います。ファン・サポーターの方たちの気持ちをしっかりと汲んで、自分たちの『負けたくない』という気持ちも合わせて勝ちたいと思います」(風間宏希)

夏休み最後のホームゲームということで、クラブ全体を挙げて観客動員に大きな力を注いでおり、スタジアムが今季最高の雰囲気になることは間違いない。シーズンダブルと連勝の両方をつかみ、いよいよ、沖田ザスパの本領発揮が始まる。

文:須賀大輔(エル・ゴラッソ群馬担当)


沖田 優監督
Q.再開初戦となった前節・FC大阪戦で勝利しました。
「開幕から選手たちがコツコツとやってきてくれた頑張りというか、積み上げというか、選手もスタッフもチーム全体が同じ方向を向いて、攻撃力を上げていこうとやってきた部分と、前半戦での課題を融合させながら、中断期間の3週間でレベルアップできたので、そういう積み重ねがいろいろなところで出た試合だったと思います。その中で、課題もしっかりと出たけど勝利できた、良いゲームだったと思っています。とにかくチームとしてもクラブとしてもホームで勝ちたかったですし、子どもたちが多く集まってくれたゲームであのような内容を見せられたという意味でもすごく良い1勝だったと思っています」

Q.勝った瞬間、冷静にかみ締める姿が印象的でした。
「うれしかったですし、『(選手たちは)よくやってくれた』と思いましたけど、最後、ピッチの角で時間稼ぎをしていたので、サイドを変えたほうがもっと時間は作れるだろうと思って、あんな表情になっていたんだと思います。あとは、まだ後半戦で1勝をつかんだだけなので、これを繰り返していかないといけないと思っていました。ようやく後半戦が始まった感じなので、ここで大喜びしている場合ではないということです。とはいえ、選手たちとハイタッチしたときは『頑張ってくれてありがとう』という気持ちは強かったです」

Q.今節・栃木SC戦でも続けることが大事だと思います。
「本当にそうですね。(前節は)よくやったし、良い1勝でしたけど、これに満足している選手はいないですし、続けてこそです。本当にここからだと思うので、今週の頭にも『今節はダービーだし、ここで勝ってこそ。喜んでいる場合ではなく、続けてやっていこう』という確認をしました」

Q.今回はホームで“北関東ダービー”を戦います。
「前回対戦したときは勝っているので、今回も勝てるようにしたいです。アウェイから勝って帰ってこれたからこそ、今回はホームで夏休みに対戦できますし、クラブも集客を頑張ってくれていますので、本当にいろいろな意味でこの試合で勝ってこそだと思っています」

Q.前回対戦時は我慢比べのゲームだったと思います。今節もそういうゲームになりそうですね。
「そうなると思っています。(6月の前回対戦は)0-0の時間が長くて、どっちが先に取るんだというしびれる展開でしたけど、あの試合は1,000人近くのサポーターでゴール裏の一角をみっちりと埋めてくれて、その後押しをすごく感じられました。選手たちはよくあの声援に応えてくれたと思いますので、ホームでも同じようにファン・サポーターの後押しを力に変えて戦えればと思っています」

Q.今節を含めて残り15試合で大事にしたいことは何でしょうか。
「目の前の一試合一試合に集中してやろうとFC大阪戦に臨みましたし、次の栃木SC戦でも全力を出して戦うだけです。残り何試合とかはあまり考えずに、目の前の1試合に勝ち続ける。そこにこだわっていかないといけないと思うので、その進化とこだわりで、前半戦では負けていたようなゲームを引き分けにしたいですし、引き分けていたようなゲームを勝ちにしていきたいです。今できることを最低限やって、勝ちながら課題を見つけてどんどん進化させていきたいと思っています」 


MF 15 風間 宏希選手
Q.前節・FC大阪戦は久しぶりの先発出場となりました。
「ボールをもらう回数も少なかったですし、自分としては満足できる出来ではなかったですけど、チームの勝利のために自分なりに考えてプレーはしました。あとは、もっとボールをたくさん受けて、チームのリズムを作れればと思います」

Q.そう評価する理由は?
「自分自身のポジショニングもそうですけど、チームとしては、つなぐところと蹴るところで言えば、蹴るほうがあの試合では比重が高かったと思います。その判断はいいと思いますけど、怖がらずにつなぐところも、もう少し相手に見せていければと思いました」

Q.再開初戦で上位相手に勝てた価値についてはどう考えていますか。
「今はどのチームにも勝っていかないと上には行けないですけど、FC大阪という上位のチームに勝てたことは自信にはなると思うので、良い勝利だったと思います」

Q.今節はホームで栃木SCとの“北関東ダービー”です。
「今季はまだ連勝できていないですけど、一番盛り上がるであろうダービーマッチでそれができたら勢いに乗ってくると思うので、本当にこの試合はただの1試合ではなく重要な1試合だと思います。ファン・サポーターの方たちの熱は感じていますし、その中で試合ができるので、皆さんの気持ちをしっかりと汲んで、自分たちの『負けたくない』という気持ちも合わせて勝ちたいと思います」

Q.前回対戦を踏まえて、栃木SCの印象はいかがですか。
「かなりアグレッシブなチームだなという印象はありますけど、そこで怖がらずにやれたからこそ勝てたと思います。今回も監督が言うようにロングボールを見せつつも、つなぐところはつないでいくことがすごく重要ですし、前節はそこに課題を感じたので、改善しながら戦えればいいと思います」 


DF 3 大畑 隆也選手
Q.再開初戦となった前節・FC大阪戦は完封勝利でした。
「中断期間では守備のことに結構取り組んできたので、それで失点ゼロに抑えられたことは良かったです。ただ、もうちょっと徹底しないといけない部分はいくつかあったので、そこを改善できれば無失点を続けていけると思います」

Q.今節は栃木SCとのダービーマッチです。
「変に意識はしたくないですけど、ファン・サポーターの方はダービーの雰囲気を作ってくれると思いますし、そういう試合で点をたくさん取って勝つ試合を観たいと思っている人も多いと思います。また、フロントの方たちも観客1万人を目指して、いろんな施策をやってくれていますし、大勢のファン・サポーターの方の前で勝利することで『また来たい』と思ってくれる人も増えると思うので、勝利を届けたいと思っています」

Q.栃木SCの印象はどうですか。
「昨季J2にいたチームなので地力があるというか、雰囲気があるというか、(前回対戦でも)昨季のJ2を戦っているような感じがありました。力のあるチームだと思います」

Q.群馬が勝利した前回対戦の結果を踏まえ、栃木SCにも意地はあるでしょうし、今回も我慢比べのようなゲームになる可能性もあると思います。
「前回は最後の最後に1点を取れました。ただ、FC大阪戦で言えば、僕たちは(FC大阪との)前回対戦でのやられ方が悔しくてやり返せたと思いますけど、今回で言えば、栃木SCもそういう感じで来ると思うので、そこで受けて立つのではなく、自分たちのやるべきことをやりたいです。そうすれば今の自分たちなら点は取れると思います」

Q.地元出身選手として、“北関東ダービー”とはどういう試合ですか。
「(これまで所属した)カターレ富山やテゲバジャーロ宮崎でも隣県のチームとの試合はちょっと違う空気というか、意識しないようにしていたとしても周りの空気で『ダービーだな』と意識することはありました。そう考えると、地元の人間として群馬を盛り上げるという意味でも、この注目された試合で勝つことに意味があると思うので、群馬県民の1人、群馬出身の1人として、全力を尽くして勝利に導きたいと思います」 


MF 37 瀬畠 義成選手
Q.再開初戦となった前節・FC大阪戦で勝利しました。
「自分の力を出せたかと言われると、『出し切れた』とは言い切れないという印象があります。これまで積み上げてきたスタイルでは、良くも悪くも自分が関わることでチームのリズムが出ると思っていたので、ゲームに関われていないとは思わないですけど、(前節は)自分たちのリズムで進めるよりも相手がボールを握る時間のほうが長かったと思います。もちろん、守備でコントロールするところもあると思いますけど、今のやり方からすればボールを保持するところは変わらずにやるべきことなので、そこはもっとうまくゲームをマネジメントしないといけないです。そういう意味での物足りなさはありました」

Q.支配率が低くても勝てたという見方もできると思います。
「確かにそういう見方もできると思います。良い形で得点を取れて、特に2点目は僕たちが積み上げてきたものというか、ボールを動かしながら得点が取れたことは価値が大きいと思いますし、今季のザスパ群馬が掲げているコンセプトの中でかなり大きいです。そういう意味では、そこまで悲観するようなゲームではなかったですし、ボールを保持することだけがサッカーではないと思います。ここまで勝ち切れない試合こそ多かったですけど、最近は開幕当初と比べればボールの保持率が下がっても良い内容のゲームはできていたので、内容は決して悪くないと思っていますし、ああいう試合で勝ち切れたことは価値があることだと思います」

Q.今節はホームで栃木SCとの“北関東ダービー”です。
「ダービーなので、いまの順位を気にすることはないです。その一方で、僕らはまだ連勝がないので、地に足をつけて、“たかが1勝”だと思って戦わないといけないと思います。僕らの目標はJ2昇格。この試合に勝ったから一気に順位が上がるわけではなく、目標とするところにはまだ届いていないので、ここからは前半戦で取りこぼしたものを取り返していかないといけないですし、まだまだ満足できません。ただ、矛盾しますけど、ダービーはダービーであり絶対に負けられないですし、勝たないといけないゲームです。栃木SCに(シーズン)ダブルをしないといけないと思っています。泥臭く、気持ちを込めて、ファン・サポーターの方々の魂が震えるような試合をできたらと思います」

Q.前回対戦の内容と結果を踏まえて、栃木SCがさらにアグレッシブにプレッシャーを掛けてくる可能性もあると思います。
「オキさん(沖田優監督)は、順位が良くなかったとしても、これまで積み上げてきたものに対してブレないでいてくれているので、そこは選手としてはすごくありがたいです。監督が肝を据えているなら、俺ら選手はやるしかないと思えます。本当に選手たちは死に物狂いでやり切らないといけない、タフに戦わないといけないと思っているので、ここから連勝を重ねて巻き返していけたらと思います」

progress of a match 試合経過

ザスパ群馬
栃木SC
前半後半データ後半前半
8シュート6
2CK3
GK
11FK11
オフサイド
0PK0

MEMBER LINEUP メンバーラインナップ

スターティングメンバー
  • GK 13 近藤壱成

  • DF 36 安達秀都

  • DF 30 小柳達司

  • DF 3 大畑隆也

  • DF 22 高橋勇利也

  • MF 37 瀬畠義成

  • MF 7 西村恭史

  • MF 15 風間宏希

  • FW 38 小西宏登

  • FW 32 河田篤秀

  • FW 18 田中翔太

控えメンバー
  • GK 21 キムジェヒ

  • DF 43 野瀬翔也

  • MF 8 山内陸

  • MF 27 藤村怜

  • MF 49 小竹知恩

  • FW 9 青木翔大

  • FW 10 髙澤優也

  • FW 11 加々美登生

  • FW 20 下川太陽

監督
  • 沖田優

スターティングメンバー
  • GK 1 川田修平

  • DF 3 大森博

  • DF 88 内田航平

  • DF 25 岩﨑博

  • MF 8 福森健太

  • MF 77 藤原健介

  • MF 11 青島太一

  • MF 18 川名連介

  • FW 81 中野克哉

  • FW 32 太田龍之介

  • FW 10 五十嵐太陽

控えメンバー
  • GK 27 丹野研太

  • DF 37 木邨優人

  • DF 22 高橋秀典

  • DF 5 森璃太

  • MF 4 佐藤祥

  • MF 47 吉野陽翔

  • FW 80 オタボーケネス

  • FW 14 ディアマンカセンゴール

  • FW 29 矢野貴章

監督
  • 小林伸二

DATA 試合環境

入場者数
8574
天候
33.6℃ 51%%
主審
田邉裕樹
副審
宇治原拓也、塚田健太

MOVIE ハイライト動画

COMMENT 監督&選手コメント

監督コメント

「栃木SCとのダービーで、これだけのお客さんが勝利を期待して、『夏ザスパ』というイベントもある中で来てくださったのにもかかわらず、ゴールを1つも見せることができなかった、1つの失点で敗戦をしてしまった。本当に申し訳ないという言葉がすべてです」

Q.ゴールが遠かった原因はどの辺にあるのでしょうか。
「相手を前半から自陣に押し込めて、囲むようにして、攻め続けながらもこじ開けられなかった。前半から時間稼ぎをさせるくらい苦しめつつ、後半もだいたいの時間がそういう形で進み、攻め続ける、こじ開けるということをやり続けた選手たちのことは誇らしいと思っています。ただ、相手陣地に入ったあとのもっと危険なプレー、そこのバリエーションは、もっと自分の構築が進んでいれば、こういう試合でゴールを取らせることができたと思います。1点入れば逆転できるくらいのスタジアムの応援、ファン・サポーターの声援があったので、一気にゲームはひっくり返ると思っていました。そこは本当に自分の力のなさがゼロ点に終わってしまったと思っています」

Q.また連勝とはなりませんでした。
「今言ったようなところの構築が進んでいれば、遅すぎますけど、連勝できた、というところまでもっていけたと思います。ただ、そこも自分の力不足だと思っています。連勝はできなかったですけど、あれだけ相手をずっと疲弊させて、時間稼ぎをするしかないところまでもっていけましたし、ロングスローで失点をしてしまいましたけど、相手に圧力を掛け続けた、ダービーで栃木SCをゴール前に固めるところまで追い込み続けた時間と内容に対しては、選手を称賛したいと思っています」

Q.開始早々のロングスローからの失点が、栃木SCに勇気を与えたり、戦い方をハッキリさせたりした部分があると思いますが、その辺りはどう捉えていますか。
「ロングスローで前進されて、ロングスローから直接入れた形(※公式記録はオウンゴール)。セットプレーはサッカーの中の大事ないち局面だと思いますけど、自分たちもセットプレーからゴールを取らないといけないですし、これだけの内容だったら流れの中で点を取るならウチだったんだと、負けてはいけない試合だったと思います。セットプレーのところは、普段から意識高くコーチが改善してくれているし、自分もそこに関わってやっていますので、そこは修正、反省をしないといけないと思っています」

Q.終盤には今季初めて、前にストライカータイプの選手を3人並べたと思いますが、あくまでも攻め方は変えない感じだったのでしょうか。それとも、少しアバウトなボールを増やしていこうとしたのでしょうか。
「あれだけ押し込んでいたので、供給できる藤村(怜)、(風間)宏希、(安達)秀都のタイプにプラスして、最後のところはペナルティーエリア内に相手はDFが並んでいたので、ストライカータイプを時間とともに増やしていきながら、こじ開けていきたい思いでした。けれど、なかなかビッグチャンスを作り出してあげられなかったと思っています。もっともっと数多く作ってあげられれば、あの3人なら点を取れたと思います」

Q.次節からはアウェイ4連戦となります。
「まさに勝ち続けるしかないと思います。今日も落とせない一戦でしたけど、落としてしまって連勝を逃してしまったので、アウェイ、ホーム、距離に関係なく、一戦一戦、目の前の試合に勝ち続けていけるように、また明日のトレーニングからしっかりとレベルを上げて結果で示せるように頑張っていきたいと思います」

選手コメント

選手写真

MF27

藤村 怜Ren FUJIMURA


「事故のような形で点を取られてからは、相手も割り切りって守り切るということを前半からやっていたので、そこを自分が入ったときにどう崩すかと考えながら観ていました。サイドからニアポケットを取るところやサイドチェンジは有効だと思ったので、入ったときはそこを意識しながらやろうかなと考えていました」

Q.中盤で前を向くシーンがあったり、ポケットまで進入するシーンもあったりしたと思いますが、最後の精度についてはどう感じていますか。
「点は取れていないので、そこの精度はまだまだ低いと感じます。もうちょっと中からでも行けるところはあったかなとは終わってから思いました。中を使えば外が空いてくるので、そういった使い分けがあまり良くなかったと思います」

Q.あれだけ引かれたら難しいですけど、それでもこじ開けるサッカーに今季から取り組んでいると思います。点を取れなかったことはどう受け止めていますか。
「シュートに持っていく形のバリエーションはもっと増やせると思います。相手が疲弊している中でどこが空いているのか、もっと見極めないと。ただただボールを回しているだけではゴールは取れないと感じますね」

Q.最後は、前線に3人のストライカーを並べましたが、もっとそこにボールを入れても良かったですかね。
「アンカーというポジションに入って、前を選択できる回数は何回かありましたし、もっと自分からでも前線に配球できたなと感じますね」

Q.次節・カマタマーレ讃岐戦からはアウェイ4連戦です。
「やることは変わらないです。自分たちのスタイルで結果を出していかないと周りからも認めてもらえない。結果を出してファン・サポーターの方たちに勝利を届けないとやっている意味はないと思うので、もっともっと勝ちにこだわって、自分たちのスタイルを貫いていきたいと思います」

選手写真

GK13

近藤 壱成Issei KONDO


「連勝が懸かっていて、ホームに8,000人を超えるお客さんに来てもらって、チームとしても栃木SC相手に“ダブル”を取ろうと1週間準備してきました。あまり勝ち負けを1人のものにするのは好きではないですけど、負けたのは完全に自分の責任だし、勝てなかったことはチームとしてもっとやらないといけないことがあると思います。あの時間帯で失点してしまったことで栃木SCがハッキリと割り切ったサッカーをしてきて、そこでこじ開けられなかったことはチームとしての課題であり、改善していかないといけないところですけど、あの失点がなければ違う試合展開だったと思います。これだけお客さんに来てもらったのに、しょうもない試合にしてしまった思いが強いですね」

Q.あの失点シーンは、すごく判断は難しかったと思います。
「あそこまで投げられる選手と対戦したことが初めてだったので、だからこそ、待って対応するようにしないといけなかった。自分の前に走ってきた選手に若干つられた感じがあって、相手との接触もあってという感じでした。もともとの判断から変えて弾いていたら、セカンドボールでやられていたかもしれないですけど、直接のゴールはなかったでしょうし、経験をさせてもらった、高い授業を払ったと思ってやるしかないですね」

Q.その後は押し込む時間がほとんどでしたが、攻撃はどのように見えていましたか。
「前半戦のこういう試合とは全然内容は違ったと思います。相手にとって怖いところにクロスを上げたシーンは多かったと思います。ロングボールで裏を取れないなら、下のパスで裏を取るところも多かったので、やっていることは良くなっているし、その回数も増えていっているけど、結局、結果がすべてです。1点取れたら絶対に逆転できるという気持ちでやっていましたけど、その1点がなかなか遠かったですね」

Q.次節以降に向けて。
「来週からアウェイでの4連戦が始まります。まだ連勝できていない状況ですが、次にホームでやるときにいまと全然違った順位で、違ったチーム状況で試合を観に来てもらいたいので、この1カ月、アウェイでどう自分たちのサッカーをできるか、連勝できるかというところにフォーカスしてやっていきたいと思います」

選手写真

FW38

小西 宏登Hiroto KONISHI


「ボールを支配していたのは自分たちですけど、攻撃のバリエーションの部分での工夫が足りなかったので、相手に引かれてからは工夫がなく、してやられてしまったゲームだと思います」

Q.きれいにサイドチェンジが入ったときは1対1で仕掛けられていたと思いますが、足元で受けたときは難しそうに映りました。
「外から観てもらっても分かるように、1つ飛ばしたり、対角のボールをもらったりしたときは仕掛けやすかったですけど、なかなか自分たちのテンポが上がらなかったので、そこはどうしようかなと自分も試行錯誤していました」

Q.ダメならじっくりやり直す選択肢が多かったですよね。
「相手が思ったよりも引いてきて、自分としては高い位置で受けたかったですけど、(相手が)狙っていることも分かっていたので、チェックの動きで下に入ることはしていました。ただ、背後は取りにくかったですし、中に当てての3人目の動きや自分がワンツーで入っていくなど、バリエーションをもっと増やせれば相手も混乱したと思います。クロスばかりでシュートが少なかったので、そういう工夫があればシュートまで行けたかなと思います」

Q.攻撃陣として、無得点という課題にはどう向き合っていきますか。
「自分的にはサイドに入ってからの工夫や中に入ってからのバリエーションが課題だと思いますし、自分としても考えさせられるところもありました。1対1の仕掛けだけでなく、頂点に当てて3人目を使うとか、クロスだけでなく、下の部分でのバリエーションを増やさないといけないと思いました」

SUMMARY総括

出だしでつまずき…
またも逃した連勝のチャンス


再開初戦の前節・FC大阪戦(2〇0)からスタメン11人を継続したザスパ群馬。前節の勢いのまま、栃木SCをホーム・正田醤油スタジアム群馬に迎え撃つ。狙うは“北関東ダービー”のシーズンダブルであり、今季初の連勝。ライバルから勝点3を奪い、浮上のきっかけをつかみ取りたい一心でこの試合に臨んだ。

立ち上がりは、前節と似たような展開となった。3分に自陣からのビルドアップを起点に河田篤秀がファーストシュートこそ打ったが、主導権は栃木SCに握られる。自陣から思うように脱出できない時間が増え、9分には失点を喫してしまう。ロングスローをGK近藤壱成が処理し切れず、ボールはそのままゴールラインの内側に転がってしまった。

先制を許してからもしばらくは我慢の時間が続いたが、何とか少しずつ盛り返していくと、27分にようやく狙いどおりの攻撃の形を作る。風間宏希が中盤で引き出し、右サイドの小西宏登に預ける。小西はインスイングのクロスを送り、大外の高橋勇利也が折り返す。飛び込んだ河田にはわずかに合わなかったが、ゴールを予感させた。

その後は、近藤のファインセーブでしのいだ30分のピンチなど、追加点は与えずに、ボールも主導権も掌握していく。ただ、縦パスもラストパスも増やしてはいったが、ゴールをこじ開けるまでには至らず、1点のビハインドで前半を折り返した。

まずは追いつきたい後半、選手交代はなしでスタート。前半の半ば以降と同様にボールこそ握るが、チャンスは作れないまま時間が経過していく。そこで、62分に最初の交代で2枚代え。ボランチの瀬畠義成と右ウイングの田中翔太に代えて、藤村怜と加々美登生をピッチに送り込んだ。

その直後、65分に栃木SCの中野克哉にポスト直撃のシュートを打たれて肝を冷やすが、66分には決定機を創出。左右に大きく揺さぶり、風間のクロスを河田が丁寧に落としたボールに高橋がダイビングヘッドで合わせるも、わずかにゴール上へと外れた。

攻め続けるしかない群馬は、ゴール前を堅く閉じる相手を何とかこじ開けにかかるが、狙いどおりのフィニッシュの形は作れず。77分に青木翔大と小竹知恩、86分には髙澤優也を投入し、前線に厚みをもたらすが、ハーフウェーラインを越えた辺りをボールが動くばかりで、逆に失い方が悪くカウンターを受ける場面も散見。6分と掲示された後半アディショナルタイムでも1点が遠く、そのままタイムアップを告げるホイッスルを聞くこととなった。

試合後、黄色く染まったビジター席から歓喜の声が響き渡ったのとは対照的に、ホームゴール裏からは溜め息とブーイングが入り混じり、またしても今季初の連勝を逃すこととなった。

文:須賀大輔(エル・ゴラッソ群馬担当)