GAME SCHEDULE / RESULT

試合日程・結果

GAME RESULT 試合結果

2025明治安田J3リーグ 第21節

AWAY

ザスパ群馬

群馬

2025.07.19 SAT 18:03 KICK OFF

CITY FOOTBALL STATION

1

0 0

1 1

1

試合終了

HOME

栃木シティ

栃木C

GOAL

  • 99 山田太郎 99'
  • 19 モハマドファルザン佐名 55'
  • 99 山田花子 99'
  • 42 マテイヨニッチ 90'+3

首位との対峙はスタイルのぶつけ合い
カギは“ショートとロング”の使い分け


リーグ後半戦の初戦となった前節・AC長野パルセイロ戦はスコアレスドローに終わり、今季初の連勝とはならなかった。完勝に近かった前々節・松本山雅FC戦で機能した攻撃を同じようには披露できず、生命線となるビルドアップが停滞。ロングボールの比重が大きくなり、自然と攻撃の時間とシュートの本数が少なくなってしまった。

その反省を踏まえて、今週のミーティングでは改めてショートパスとロングボールの使い分けの確認に時間を費やした。CBとして成長しつつある野瀬翔也は「(長野戦は)個人的には今季で一番悪いくらいのパフォーマンスでした。PKを与えてしまったシーンを含めて、自分がチームのリズムを崩しそうになった場面もありました」と個人的な反省を述べつつ、チームとしての改善点を指摘する。

「ロングボールを悪として捉えてはいないですけど、(長野戦は)それ一辺倒になってしまっていたところがありました。近くでつなぐというベースを持ちながら、ロングボールを有効的に使うスタイルをもう一度確認してやっていきたいです」

今季のザスパ群馬が掲げる“超攻撃的サッカー”の基本は、あくまでも足元でつなぐこと。その応用として、ロングボールを織り交ぜることで相手に足元と裏(への抜け出し)の両方を意識させ、惑わせることができれば、思うツボである。

今節の相手となる栃木シティが、J3屈指のハイプレッシャーのチームと考えれば、まさにそこの使い分けがカギとなる。「栃木シティとの対戦は自分たちのスタイルをぶつけ合う試合」と、この一戦を睨む沖田優監督は、首位との対峙を楽しみにしている。

「ウチとの試合だけ、それまでの試合とは守備の仕方を変えてくるチームも多いですけど、栃木シティはそういうチームではないと思っています。お互いにスタイルをぶつけ合って勝つか負けるか、勝敗がハッキリするゲームになると思います」

また、この試合を人一倍楽しみに待つ選手もいる。今月に育成型期限付き移籍加入が発表されたばかりで、前節で群馬デビューを果たした小竹知恩だ。栃木県出身の彼にとっては、プロになって初めて地元で開催されるゲームとなる。

「(栃木シティの)スタジアムが実家からすぐなので、家族や友だちも『(観に)行く』と言ってくれています。そういう人たちのためにも勝たないといけないですし、前節は引き分けてしまったので、相手は首位ですけど、ここで叩ければ良い流れに乗れると思いますので、勝利に貢献できるように全力を出したいと思っています」

逆襲を誓う後半戦の2試合目のタイミングで首位を破れれば、それはチームにとって大きな自信となるはず。ましてや、隣県のライバルに負けるわけにはいかない。“スタイルのぶつかり合い”が予想される一戦を制し、今度こそ上昇のきっかけをつかみたい。

文:須賀大輔(エル・ゴラッソ群馬担当)


沖田 優監督
Q.前節・AC長野パルセイロ戦を振り返ってください。

「自分の伝え方を含め、ロングボールの割合や、状況を見てロングボールを使ったのかどうかというところを考えると、まだ完全にロングボールをうまくは使いこなせていなかったです。自分たちのスタイルは、“ロングボールを蹴ってセカンドボールを拾えればOK”というわけではないので、そこの使い方をもっとうまくやっていきたいと思います」

Q.ロングボールを蹴るなら技術や精度が大事になると思いますが、判断の部分も大事になるということですね。
「まさにその両方ですね。短いパスのほうが、精度が上がるのは間違いないですし、長いボールが通りづらいのは当たり前のことです。ロングボールを的確に使い、ロングボールを蹴るなら必ず通すということは、チームを立ち上げたときからずっと言ってきたことです。それを公式戦で使い分けてもいい段階にようやく入りかけていますけど、長野戦はまだうまくいきませんでした。でも、通過点という感じで、これが下(足元)ではいつでもつなげるし、上(ロングボール)もうまく通せるようになり、いつ使うのか、その判断の精度が上がったときには、どんな相手もウチに対する守備が難しくなると思うので、次の段階に入っていけるかなと思います」

Q.できることと、やれることが増えてきているからこそ、その整理が進んでいけば、もっとできること、やれることが増えていくと。
「そうです。そういう意味では、今までできていることを捨てているわけではないので、そこを逃してはいけないです。ロングボールや守備をベースにチームを作っていくことは簡単ですけど、自分たちは攻撃主体、つないでいくという難しいことからチームを作り始めたので、これからは肉づけしていく作業に入っていけます。だからこそ、後半戦はより結果を出しながら、スタイルを進化させていければいいと思っています」

Q.今節・栃木シティ戦に向けて。
「栃木シティとの試合は、自分たちのスタイルをぶつけ合う試合だと思っています。ウチの試合だけそれまでと守備の仕方を変えてくるチームも多いですけど、栃木シティはそういうチームではないと思うので、お互いにスタイルをぶつけ合って勝つか負けるか、勝敗がハッキリするゲームになると思います。前回対戦では勝っているので(第2節/2○0)、アウェイでもしっかりスタイルをぶつけ合って勝ちたいと思います」

Q.ここで首位に勝てれば勢いがつくと思います。
「見ていても面白い試合になると思います。前回対戦は第2節でしたけど、お互いに目指すべきスタイルをどのくらい出し合えるのかというゲームになりましたし、福島ユナイテッド戦(第12節/4○2)もそういうゲームになったかなと思います。お互いにつぶし合って、良さを消し合ってという試合展開だと、見ていて少し面白みが減る試合になりやすいですけど、そういう意味でも楽しみにしています」

Q.長野戦後に「続けていかないといけない」という話がありましたが、その部分についてはどうでしょうか。
「守備の部分はある程度、(前々節・)松本戦から長野戦で継続性はあったと思いますけど、攻撃の面では、松本戦で表現できていたことが長野戦では少し落ちてしまったかなと。そこは相手があってのことですけど、それがホームだったことがより悔しさを増してしまうゲームでした。引き分けではなくて勝たないといけなかったです。ただ、自分たちのホームでやるときは、大きく言えば、相手がそれまでの試合とウチとの試合でやり方を変えて対応して良さを消そうとしてくるところを、打破し切れていないと言えます。そういうこともあってホームでは引き分けが多いと感じています」

Q.後半戦は“継続力”が1つのポイントになりそうです。
「守備のベースは上がってきているなかで、後半戦は自分たちの特徴をつかまれている状態での対戦だからこそ、より次のバリエーションを増やしたり精度を上げたりする姿勢を見せ続けないといけないですね。もちろん、自分たちも前半戦の対戦を踏まえて戦えるので、失点を減らしつつ、確実に攻撃を続けて進化させていく姿勢を出せればと思っています」


MF 8 山内 陸選手
Q.前節・長野戦を振り返ってください。
「前回対戦時(第3節/2●3)と同様に長野は前から来る予想で、そのとおり前から来ていて、ロングボールは決して悪いわけではないですけど、前半はロングボールが多かったという印象があります。ただ、それはベンチから見ていた感想であり、実際のピッチのなかの感覚は分からないですが、見ている限り、そんなに悪い印象はなかったです。でも、シュート数はもうちょっと欲しかったなとは、試合後に思いました」

Q.後半からピッチに立ったときは、どういうことを意識してプレーしていましたか。
「ビルドアップをもう少しうまくできれば良かったですけど、前半よりも完璧にマンツーマンみたいな感じでつかまってしまっていました。それでも(相手のプレスを)折れるところは折っていかないと回収される流れになってしまうので、そこはリスクを負ってでもつなぐ姿勢を見せていったほうがいいと思いました」

Q.長野戦のように、対戦が2巡目になり、相手の対策が進んでいくだろうという予想はありますか。
「ウチとやるときは前からハメていったほうがいいと、どのチームも考えると思いますけど、それをどれだけ僕たちは剥がして相手をあきらめさせるかという試合になっていくと思います。そこでビビらずにやっていければ自分たちの時間帯は増えていき、相手の陣地でボールを持って、シュートまで迫れると思います」

Q.前半戦でスタイルを貫いて戦ってきたことで、そのあたりの自信はチームにもありますか。
「今季からずっと続けてきていて、技術も全員が高くなっていると思うので、あとは試合でどれだけやれるか、メンタルの部分が大事になってくると思います。それをホームでもアウェイでもどれだけ出せるかだと思うので、本当に自分たち次第ですね」

Q.今節・栃木シティ戦に向けて。
「相手に関係なく、勝たないと勝点差が離されてしまいますし、栃木シティは前半戦で(自分たちに)負けたぶん、強い覚悟で来ると思うので、それを受けずに上回るパフォーマンスをできるようにしっかりと準備していきたいと思います。いまのチームにとっては、どの順位の相手にも勝つことがプラスになるし、士気が上がっていくことにつながっていくと思います。どこかで連勝できれば自分たちに流れは来ると思うので、一戦一戦しっかりとやっていくだけですね」


DF 43 野瀬 翔也選手
Q.前節・長野戦を振り返ってください。
「個人的に1試合を通してのパフォーマンスで見ると、今季で一番悪いくらいのパフォーマンスでした。自分がチームのリズムを崩しそうになった場面もありましたし、PKのシーンもそうですし、気を引き締め直してやらないといけないと思っています」

Q.チーム全体としてもビルドアップが安定しなかったと思います。
「ロングボールを使うことが最近は増えてきているなかで、ロングボールを“悪”として捉えてはいないですけど、そこの比重が大きくなってしまってロングボール一辺倒になってしまっていたところがあったので、それはミーティングでも話がありました。近くでつなぐというベースを持ちながら、ロングボールを有効的に使うスタイルをもう一度確認してやっていきたいです」

Q.CBとしては、中盤に預けにくい感じがありましたか。
「ちょっと距離感が遠かったのはありますけど、映像を見返したら自分がドリブルして運べるスペースは多くあったので、持ち運べるCBとしてそういうシーンを自分から作り出していけたらいいと思います」

Q.今節の相手・栃木シティも前から来るチームだと思います。
「個人的にはもう一度この1週間でアピールして、チャンスをもらえたら、持ち運びなどで下からつなぐ、崩すことを大事にして、ロングボールとショートパスの使い分けをしっかりとできればと思います」

Q.首位との対戦にもなります。
「何かしら理由があって首位に立っていると思いますし、自分たちはちょっと首位から離れているところにいるので、少しでもその差を埋めるには勝たないといけないです。首位にいまのスタイルで勝てれば自信にもなりますし、チームの流れも良くなると思うので、すごく大事な一戦になると思います」


MF 49 小竹 知恩選手
Q.ザスパ群馬に加入した思いを教えてください。
「清水エスパルスでなかなかチャンスがなく、移籍も考えていたなかで沖田優監督からザスパのサッカーを伝えてもらい、見させてもらって、このチームなら自分のスタイルに合うと思って迷いなく移籍を決めました。もちろん、清水で活躍したい気持ちはありましたけど、サッカー選手としても人としてもレベルアップするためにザスパでプレーすると決めたので、そこには正直迷いはなかったです。強い思いを持って来ました」

Q.前節・長野戦で群馬デビューを果たしました。
「スタジアムは良い雰囲気で、自分にとっては久々のゲームだったので、アップのときからすごく良い雰囲気でやらせてもらっていいスタジアムだなと感じました。試合には勝てなかったですけど、後半の途中から出て、短い時間のなかでも自分の持ち味は見せられたと思います。でも、それがゴールやアシストにつながったわけではないので、まだまだだと感じています。移籍したからにはザスパをJ2に上げないといけないので、どんどん自分の良さを出していきたいと思います」

Q.プレーの特徴を教えてください。
「フィジカルを生かしたスピードや、そのスピードで縦に突破してからのシュートやクロスが自分の良さだと思うので、そういうプレーをどんどん出していきたいと思います」

Q.ワイドのポジションは役割が多く、キーになるポジションだと思います。
「上下動が求められるポジションなので、守備のタスクに追われる時間もありましたけど、もっともっと自分が高い位置を取って、仕掛ける回数を増やしていかないといけないと思います。ただ、攻撃では前に出て行き、守備ではしっかりと戻るこの役割ができるようになったらひと皮、ふた皮むけると思います。前に出て行ければ自分の良さは出せると思いますし、守備は自分の課題でもあるので、成長しながら馴染んでいけばいいと思います」

Q.今節・栃木C戦に向けて。
「地元が栃木でスタジアムが実家からすぐなので、家族や友達も『(観に)行く』と言ってくれています。そういう人たちのためにも勝たないといけないですし、前節は引き分けてしまったので、相手は首位ですけど、ここで叩ければ良い流れに乗れると思いますので、勝利に貢献できるように全力を出したいと思っています」

progress of a match 試合経過

ザスパ群馬
栃木シティ
前半後半データ後半前半
8シュート9
7CK6
GK
16FK14
オフサイド
0PK0

MEMBER LINEUP メンバーラインナップ

スターティングメンバー
  • GK 13 近藤壱成

  • DF 36 安達秀都

  • DF 30 小柳達司

  • DF 3 大畑隆也

  • DF 22 高橋勇利也

  • MF 37 瀬畠義成

  • MF 7 西村恭史

  • MF 8 山内陸

  • FW 18 田中翔太

  • FW 10 髙澤優也

  • FW 19 モハマドファルザン佐名

控えメンバー
  • GK 21 キムジェヒ

  • DF 14 菊地健太

  • DF 43 野瀬翔也

  • MF 15 風間宏希

  • MF 49 小竹知恩

  • FW 9 青木翔大

  • FW 11 加々美登生

  • FW 20 下川太陽

  • FW 32 河田篤秀

監督
  • 沖田優

スターティングメンバー
  • GK 31 相澤ピーターコアミ

  • DF 22 鈴木裕斗

  • DF 42 マテイヨニッチ

  • DF 15 佐藤喜生

  • DF 33 乾貴哉

  • MF 14 関野元弥

  • MF 8 森俊貴

  • MF 10 岡庭裕貴

  • FW 79 齋藤恵太

  • FW 77 田中パウロ淳一

  • FW 99 平岡将豪

控えメンバー
  • GK 1 原田欽庸

  • DF 27 梅澤魁翔

  • MF 13 大嶌貴

  • MF 16 加藤丈

  • MF 26 宇都木峻

  • MF 28 小西慶太郎

  • FW 9 都倉賢

  • FW 23 吉田篤志

  • FW 90 ピーターウタカ

監督
  • 今矢直城

DATA 試合環境

入場者数
3568
天候
28.2℃ 65%%
主審
酒井達矢
副審
秋澤昌治、鈴木渓

MOVIE ハイライト動画

COMMENT 監督&選手コメント

監督コメント

「悔しい引き分けだったと思います。栃木県までサポーターが多く来てくれたんじゃないか、少なくても応援の声はザスパ群馬のサポーターの皆さんのほうが大きかったと思っています。それに対して、選手たちは自分たちのスタイルを怖がらずにプレーしてくれて、ボールをつないで攻撃して、奪われたら奪い返す、寄せると、サッカーとして非常に高いレベルで相手を上回っていた時間が長かったと思います。実際に1-0で終盤を迎えて、良いプレーをしてくれたと思います。相手はアフターでしか止められなかったシーンが数多くありましたし、CKの数も自分たちのほうが多いゲーム内容をしっかりと見せてくれたと思っています。そのぶん、勝たせてあげたかった。勝たせられなかったところは、最後、CKになる過程の中で自分たちにもしかしたら課題があったんじゃないかとか、ヘディングをさせてはいけないという前のところで守れるとか、いろいろな意見があると思いますけど、そういうところをもっともっと高めて、すべての面で完全勝利できるように。非常に悔しい引き分け、勝ちにふさわしい引き分けで終わってしまいましたけど、選手に対して細部のところをもっともっと向上できると求めながら、よくやってくれたと評価してあげたいと思っています」

Q.今日のゲームプランを教えてください。
「自分たちの攻撃の仕方、ビルドアップの仕方、スタイルに対して相手がだいたいこういうやり方でプレッシャーを掛けてくるという想定の範囲内のものだったので、しっかりとつなぐところと前線を使うところを選手たちがバランスよく表現できたところは称賛したいと思います。相手はつなぐのが怖かったのかロングボール一辺倒になっていたと思いますけど、そこらへんの攻撃的なマインドで相手を上回ったところで選手たちを称賛したいと思います」

Q.ゴールシーンはカウンターからでしたが、ゴールを決めたモハマド・ファルザン佐名選手の評価を含めて聞かせてください。
「まだ合流間もないですけど、非常に戦術理解度が高いですし、自分たちがワイドのポジションに要求することを短時間で表現してくれて、ゴールという形で結果を出したということで、非常に能力の高い選手だと評価しています」

Q.首位とのアウェイゲームでの勝点1をどのように捉えていますか。
「これまでの過程で首位の栃木シティさんで、もちろん強いチームでリスペクトするべきチームだと思いますし、いまの結果は素晴らしいと思います。自分たちが到底足りていないところです。とはいえ、続けている姿勢とか、どっちが首位だったのかと観ている人は思ったのではないかと。少なくとも僕はそう思っています。今日のザスパ群馬の選手たちは自分たちのスタイルを曲げることなく貫き通してくれて、悔しい部分もありますけど、価値のある引き分けだと思います。もっともっと上げていかないと自分たちは本当の意味での首位になれないという自覚と反省をもって、次に向かいたいと思っています」

選手コメント

選手写真

MF19

モハマド ファルザン佐名Faruzansana MOHAMADO

Q.ゴールシーンを振り返ってください。
「後半はカウンターの応酬というか、スペースがけっこうあったのでそこは狙っていたところというか、たまたま良いところにボールが来て、あそこは自分の得意なゾーンなので、うまく連係して西村(恭史)選手から良いパスが来たので決め切れて良かったです」

Q.前半からゲームをコントロールもできていたと思います。
「ピッチがすごく悪かったのでなかなかボールをつなぐのが難しくて、それでも後ろの選手や中盤の選手がつないで前進してくれて、いつもどおりつなぎたいという気持ちでやっていました」

Q.先制したからには勝ち切りたかったゲームだと思います。
「もちろん勝ちたかったです。ただ、1点ではなくチャンスはけっこうあったと思いますし、自分もあと何本かチャンスがありました。そこで決めていればもっと簡単に勝てたゲームだったと思うので、そういうゴールを増やしていきたいと思いました」

Q.プロ初ゴールの思いを聞かせてください。
「移籍してきたときから結果を残すことは1つ課題として掲げていたので、結果を残せて良かったです」

選手写真

DF22

高橋 勇利也Yuriya TAKAHASHI

Q.全体的に押し気味に進めることができたゲームだったと思います。
「試合前から栃木シティさんは迫力のある攻撃など、強度の高いゲームになると考えていましたけど、自分たちの攻撃のスタイルを貫いて、攻撃の質で負けないと意識して臨みました。ピッチ状況はあまり良くなかったですけど、その中でやろうとしていることを発揮できて、得点まで取れたので勝ち切りたかったですね」

Q.ピッチは滑る感じでしたか。
「ボコボコしているところがありましたけど、今までJ3のスタジアムはいろいろと経験してきていたので、そこは言い訳せずにサポートの質や背後に抜ける動きで対応はできていたと思います」

Q.前半から相手を前から捕まえる守備も機能していたと思います。
「積極的な攻撃プラス守備ということで、前で奪えたらゴールに近かったですけど、それで相手がロングボールを蹴って回収できたので攻撃の回数が増えたと思います」

Q.ゴール前での守備の集中も光っていたと思います。
「相手の交代の使い方はすごくうまいと思いましたし、そこから圧力を掛けられていましたけど、守備陣としてはしっかりとコミュニケーションをとれば守れる自信はありました。最後の失点は自分が(ベンチに)下がってしまってからやられてしまったので、最後までピッチに立っていなかった自分の責任かなと思います」

Q.最後は守り切りたかったですよね。
「理想は守り切るではなく2点目、3点目を取るところで、2点目を取るチャンスが何回もあったのにそこで取れないことが自分たちの課題です。そういう姿勢を見せながら最後は守り切るのが守備陣の役目なので、そこを果たせなかったことは課題かなと思います」

選手写真

MF49

小竹 知恩Sean KOTAKE

Q.地元・栃木県での試合となりました。
「家からすごく近い距離のスタジアムなので気合いは入っていましたし、家族や友達が来てくれることは知っていたので、すごく強い気持ちで臨みました」

Q.群馬加入後、2試合目の出場となりました。
「持ち味のスピードを生かすプレーはやれないとダメですし、そこはもっと見せていきたいですけど、シュートやクロスはまだまだ足りないですし、それが結果につながっていないので、チャンスにつながるようなプレーとその回数を増やしていきたいと思います」

Q.ドリブルでの仕掛けは目立っていたと思いますが、そこからクロスを上げ切るところをテーマに掲げているのでしょうか。
「そうですね。オキさん(沖田優監督)からもあそこでCKを取るところは求められています。それをやっていきながら、ゴールやアシストという結果に結びつけていかないとレンタルで来た意味はないので、そこはやっていきたいです」

SUMMARY総括

こぼれ落ちた“勝点2”。
1-0から、最後の最後に…


リーグ後半戦初勝利を目指すザスパ群馬は、ホームでスコアレスドローに終わった前節・AC長野パルセイロ戦からスタメンを3人変更した。大畑隆也が最終ラインに入り、右のワイドトップには田中翔太を起用。中盤の一角には山内陸が戻ってきた。そして、ベンチには風間宏希が約3カ月ぶりのメンバー入りを果たした。

大挙して訪れたファン・サポーターの声援を背中に受け、前半は群馬が主導権を握ってゲームを進めていった。ポゼッションで圧倒する展開とはならなかったが、ボールをしっかりと握り、動かしていったシーンではチャンスを作り出していった。14分には右サイドに流れた西村恭史のアーリークロスに、マークを外してフリーになっていた髙澤優也が左足で合わせてゴールネットを揺らす。オフサイドの判定でゴールは認められなかったが、先に決定機を作った。

その後もチャンスの数で上回る群馬は、25分に前半最大の決定機を迎える。2本続いた左CK、安達秀都がファーに蹴ったボールは相手GKにパンチングされるが、左サイドに流れたボールをモハマド・ファルザン佐名が拾い、クロスではなく相手の意表を突くシュートを選択。ゴール左下を捉えたが、戻ったGKの右足でのセーブに遭い、先制点とはならなかった。

さらにCKから31分と34分にもチャンスを作るが、髙澤のヘディングシュートも安達のミドルシュートもわずかに枠を捉えられず。押し気味に進めながらも、前半はスコアを動かせずに折り返した。

後半も同じような構図でゲームが始まった中、55分に待望の先制点が生まれる。相手の攻撃を防いだところからカウンターを発動。安達からの縦パスを受けたモハマドがゴール方向にドリブルで仕掛け、一度外を回った西村に預けると、エリア内でリターンを受け、冷静なコントロールから右足で流し込んだ。これがモハマドにとって群馬加入後初ゴールかつ、Jリーグ初ゴールとなった。

その直後のピンチはGK近藤壱成のセーブでしのいだ群馬は、途中出場の河田篤秀や小竹知恩の個人技を生かしながら追加点を狙いにいきつつ、守備の局面に切り替われば全員が足を止めずに粘り強く対応。ゴール前ではCBを中心に相手のクロスをはじき返し、1点のリードを保ったままゲームは終盤を迎えた。

ところが、勝利を手中に収めかけた後半アディショナルタイムに失点を喫してしまう。90+3分、右CKを与えてしまうと、ゴール前でマテイ・ヨニッチにストレスなくヘディングシュートを打たれ、そのままゴールイン。スコアを振り出しに戻された。

残り時間で勝ち越し点を奪いにいくが、2点目までは及ばずにタイムアップ。“勝点2”を取りこぼし、首位撃破とはならなかった。

文:須賀大輔(エル・ゴラッソ群馬担当)