GAME SCHEDULE / RESULT

試合日程・結果

GAME RESULT 試合結果

2025明治安田J3リーグ 第16節

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ザスパ群馬

群馬

2025.06.15 SUN 19:03 KICK OFF

正田醤油スタジアム群馬

3

1 2

2 1

3

試合終了

AWAY

カマタマーレ讃岐

讃岐

GOAL

  • 99 山田太郎 99'
  • 17 山中惇希 04'
  • 10 髙澤優也 75'
  • 9 青木翔大 81'
  • 99 山田花子 99'
  • 90 後藤優介 36'
  • 90 後藤優介 45'+1
  • 10 川西翔太 90'+2

鹿島戦での刺激、学び。
気持ち新たに“四度目の正直”へ挑む


6月11日に行われた鹿島アントラーズとの天皇杯2回戦は、完敗に終わった。J1で首位の相手に果敢に挑むも、0-4で敗戦。今季の公式戦では最大となる点差を突きつけられた。それでも、チームとして得たものはあり、選手たちはそれぞれ大きな刺激を得たようだ。

CBとしてフル出場した大卒ルーキーの野瀬翔也は「結果には非常に大きな責任を感じています。個人ではやれている部分もあったと思うし、それ以上にできていない部分も多く見つかりました」とトップレベルを肌で感じ、思うことはたくさんあった様子。

出場機会は訪れなかったものの、ベンチから戦況を見つめていた山中惇希はJ1レベルの守備の強度や基準を目の当たりにし、「鹿島と戦えたことを良い糧にして、自分たちもあの基準でやり続けて、来季チームとして良い景色を見るために、1つずつ積み重ねていかないといけないと思いました」と気持ちを新たにしていた。

そこから中3日、今節・カマタマーレ讃岐戦は必勝を期すゲームとなる。リーグ戦に視点を切り替えれば、1週間前の前節、アウェイでの栃木SCとの“北関東ダービー”を制してはずみをつけた。ホームでもきっちりと3ポイントを積み上げ、上位浮上の足がかりとしたい。

5月から6月にかけ、段々とチームの成熟度が高まってきている。“超攻撃的サッカー”を謳う中で、あれだけ多かった失点も少しずつ減少。4月までは10試合で『18』あった失点が、5月以降は5試合で5失点と減ってきており、いまは2試合連続完封中だ。自陣でのポゼッションが安定し、相手陣地への進入にスムーズさが出てきたことで、守備の時間が少なくなり、失点が減るという好循環が生まれつつある。

同時に、ゴール前での粘り強さや耐久性が出てきた点も見逃せない。5月25日の天皇杯1回戦・法政大戦、栃木SC戦は最少スコアとなる1-0で勝利。序盤戦では見られなかった勝ち方ができるようになってきた。“先に自分たちが点を取るまで、相手に点を取らせない”姿勢も備わりつつある。

リーグ戦での負けなしを『5』に伸ばしたことで、上位陣の背中も見えてきた。ここで勝利できれば、約3カ月ぶりに1ケタ順位へ浮上する可能性もある。今季四度目の挑戦となるリーグ戦初連勝に向け、準備を整えている。

「ホームでもっと勝利を増やしていかないといけないです。“負けなくなってきた”ではなく、もっと勝ちを増やす。それを讃岐戦からスタートさせたいですね」(沖田優監督)

結果はそれぞれであったが、栃木SC戦と鹿島戦で多くの選手たちがピッチに立ち、あらためて、全員が戦力だと証明した。ホーム・正田醤油スタジアム群馬での3カ月ぶりの勝利、そして今季初の連勝へ、沖田ザスパは一丸で挑む。

文:須賀大輔(エル・ゴラッソ群馬担当)


■コメント
沖田 優監督

Q.0-4で敗れた天皇杯2回戦・鹿島アントラーズ戦をどう振り返りますか。
「点を取れなかったことは悔しいです。今までの公式戦みたいに相手陣地まで運ばせてもらう回数も、相手陣地にいる時間も少なかったので、トータルして悔しさは残ったゲームだったと思います。(J1のレベルに対しては)ここまで積み上げてきたものの最大限を出させてもらえなかったですね。それはピッチで対峙してみてもそうですし、結果的にもそうです。ダブルで悔しさが残った試合でした。ただ、そのぶん得たものもあるというか、大きな学びはあったと思います」

Q.その鹿島戦から切り替える部分とつなげていきたい部分を教えてください。
「(今節・)カマタマーレ讃岐戦までは時間がないので、(鹿島戦で)学んだものをすぐに還元していく作業が必要ですし、1週間のスパンで言えば、(前節・)栃木SC戦で学んだもの、得たものもあります。この2試合ではケガなくやれている選手のほとんど全員が稼働し、全員がその経験をして、悔しさと得た結果と両方ありましたけど、学んだものは大きかったと思います。良い基準と良い物差しができた1週間だったと思うので、讃岐戦からまた勝利を増やしていき、リーグ戦で連勝していくことにつなげていきたいと思います」

Q.栃木SC戦の勝ち方について。
「サッカーのベースの部分と自分たちのスタイルの両方を、緊張感のあるしびれるゲームの中で実践できて、結果を出せたことは大きな収穫でした。鹿島戦でも同じように結果を出せれば良かったですけど、そこは(現実を)突きつけられました。でも、本当に良い経験だったと思うので、これを生かすかどうかはこれからにかかっていると思います」

Q.栃木SC戦では、ハーフタイムの修正が効果的でした。それ実現した選手たちの姿勢や表現力についてはどう感じていますか。
「本当にすごいことだと思っています。自分が『こういうサッカーをしていこう』と言って、それをこの数カ月で実践すること自体が難しいことだと認識していますし、それでも要求しています。それを選手たちがどんどん表現してくれるようになり、連係も高まっていき、ダービーという勝たないといけないゲームでは、恐怖心はますます増していく中で、後半に『もっとやってくれ』と言ったことに対して、それを表現して、プレーも一変して、そこから得点も生まれて結果も得られました。下手したら(中盤でパスを)引っかけられて失点して、0-2、0-3もあり得たと思います。ハーフタイムに自分がボードを使って口で説明するのは簡単なんですよ。それを表現できた選手たちは本当にすごいと思っていますし、これからが本当に楽しみだなと思えた試合だと思っています」

Q.「中を閉じられているから外から行こう」ならまだしも、「外に誘われているからから中に行こう」は、すごくリスクの高い選択だったと思います。
「『相手が誘導していた外ではなくて、逆に中に行ってくれ』となったときに、『イヤです。外から行かせてください』というのが普通だと思います。でも、そこでやろうと。それが自分たちのスタイルでもあるし、いま一度(意識や狙いを)統一してやっていこうとハーフタイムに確認するだけでできたことは素晴らしかったですね」

Q.リーグ戦今季初の連勝を目指す讃岐戦に向けて。
「選手たちはファン・サポーターの声や応援をすごく感じていて、それに応えたいと思っています。(前節のアウェイ・栃木SC戦にも多くのファン・サポーターが駆けつけてくれましたが)ホームのほうが応援してくれる方が多いと考えれば、ホームでもっと勝利を増やしていかないといけないです。負けなくなってきたではなく、もっと勝ちを増やす。それを讃岐戦からスタートさせたいですね」


DF 43 野瀬 翔也選手

Q.天皇杯2回戦・鹿島アントラーズ戦を振り返って。
「めちゃくちゃ良い経験になりました。守備の切り替えの部分や奪ったあとのパス1本など、細かいところの質の差がすごくデカいと感じました」

Q.いろいろな想定、イメージをしながらゲームに臨んだと思いますが、ピッチに立ってみてどういうことを感じましたか。
「結果だけ見れば0-4なので、非常に大きな責任を自分は感じています。でも、個人ではやれている部分もあったと思うし、それ以上にできていない部分も多く見つかったので、それを少しずつ練習から改善していきたいと思います」

Q.今までに感じたことのない90分でしたか。
「そうですね。思った以上に、あのレベルに行くにはまだまだ差があるなと率直に感じました。あそこで感じたことをどれだけ忘れずに練習に落とし込んでいけるかがすべてだと思います。『この試合を無駄にしてはいけない』と口で言うのは簡単です。本当に心の底から危機感を感じることができたので、この危機感を忘れずにやっていきたいです」

Q.リーグ戦は5戦負けなしです。
「負けなしと言えば、たしかに聞こえはいいですけど、実際は引き分けが(3つと)すごく多くて、引き分けでは勝点1しか取れないです。自分が出ていた試合で(なかなか)勝てなかったことはすごく責任を感じていますし、そういう結果が続いていけば、少しずつメンバーも替わってきてしまうと思うので、勝たせられるCBにならないといけないと思っています」

Q.お手本でありライバルである小柳達司選手は、どんな存在ですか。
「細かいポジショニングやステップなどがしっかりしていて、リスペクトするところは、ピッチ外を含めてすごく多くあると思います。でも、自分が負けていない部分もあると思っているので、小柳選手に勝つというよりは、自分のストロングポイントをどんどん伸ばしていきたいです。いまは、一緒に切磋琢磨してやらせてもらっていると思います」

Q.今節・カマタマーレ讃岐戦に向けて。
「出れば勝利に貢献するためにやることはもちろんですけど、どういうシチュエーションでも自分にできることをやらないといけないと思っています」

Q.そろそろゴールも見たいです。
「点を取れればCBとしての価値は広がりますし、シーズンを通して5点くらい取れれば自分の価値は上がると思うので、そろそろ取りたいですね」

MF 7 西村 恭史選手

Q.天皇杯2回戦・鹿島アントラーズ戦を振り返って。
「カシマスタジアムでやるのはすごく久しぶりで楽しみでしたし、相手のメンバーを見ると、J1で出ている選手がいっぱいいたので、チームとしても自分としてもJ1の首位にどこまでやれるかすごく楽しみにしていました。連戦でしたけど、出ればどこが通用するのか、何が足りないのか、試せればいいかなと思っていました。出たのは10分ちょっとで、もちろんまだまだですけど、自分の技術などは通用する部分もあったと思います。結果は0-4でしたけど、自分たちの目指しているポゼッションなどは通用している部分もたくさんあったので、これからJ3を優勝して、J2に上がるために、僕としてもチームとしてもすごく良い刺激になったゲームだったと思います」

Q.リーグ戦は5戦負けなし。前節は栃木SCとの“北関東ダービー”にも勝ち、上り調子だと思います。
「前節はダービーだったので、みんなの勝ちたい思いがより一層強いゲームでしたけど、試合内容は、前半は相手の時間が長くて、自分たちの時間を作ることは少なかったです。それでも全員で体を張って(失点)ゼロで終われたことが勝利につながったと思います。ここ数試合、相手の時間があっても、全員で体を張って、守って失点しないところが段々と積み上がってきていて、栃木SC戦では最後に点を取れて勝てました。でも、“超攻撃的サッカー”という意味では、まだまだ得点は足りないし、この間(栃木SC戦)も決め切るところで決め切れていたら、前半からラクな試合展開になっていたと思います。上に行くためにはまだまだ足りないところだらけですけど、少しずつ積み上げはありますし、負けていないことはポジティブに捉えていいと思います」

Q.開幕直後と比べて失点が減ってきた理由はどう考えていますか。
「クロスからの失点がすごく多かったので、ミーティングなどでクロス対応のところのコミュニケーションを取り続けてきて、それが段々と浸透してきています。鹿島戦では(失点)してしまいましたけど、それが少しずつ実ってきて、積み上がってきて、クロスからの失点は減ってきていると思いますので、そこは続けていければいいと思っています」

Q.今節・カマタマーレ讃岐戦に向けて。
「負けなくはなってきていますけど、勝っている試合はあまり多くない中、栃木SC戦もそうでしたけど、いつも応援の力はあらためて感じています。応援が多ければ多いほど、走れるというか、ゴールに戻ることなどは当たり前のことだけど、ゲームがきっ抗したり、疲れてきたりすると当たり前のことができなくなってしまうときがあります。そういうときの応援はすごく力になります。しっかりとホームで(リーグ戦)連勝できるように、鹿島戦の経験を無駄にせずに今後のリーグ戦へ生かすように、そして、上に行くためにも讃岐戦は絶対に勝たないといけないと思いますので、自分がゴールを決めて連勝できるように良い準備をしたいと思います」

MF 17 山中 惇希選手

Q.天皇杯2回戦・鹿島アントラーズ戦はベンチから見ていてどうでしたか。
「試合に出ることはなかったですけど、本当に貴重な時間になりました。見ていて楽しかったですし、ピッチに立ったときのイメージをしながらずっと見ていたので、最高の1日でした」

Q.得たものはありますか。
「守備の強度の高さや基準ですね。『J1でやるならこの強度だよ』と教えてくれたと思います。ただ、自分ならもっとできるなと思うところもあったし、本当にいまはモチベーションになっています」

Q.ここからのリーグ戦にどうつなげていきたいですか。
「負けてしまいましたけど、あの基準でリーグ戦をやっていかないといけないと思います。J3のレベルでやっているようではまだまだ。すべて上の基準でどこまでできるかにチャレンジしていきたいです。鹿島と戦えたことを良い糧にして、あの基準でやり続けて、来季チームとして良い景色を見るために、1つずつ積み重ねていかないといけないと思いました」

Q.リーグ戦は5試合負けなしです。
「優勝するためには引き分けが多過ぎます。優勝するまでは5戦負けなしだろうが5連勝だろうが関係なく、優勝に向けて一試合一試合やっていかないといけないと思っています。(前節で栃木SCとの)ダービーに勝ったからではなく、勝った試合の次のほうが大事だと思うので、讃岐戦に集中してやっていきたいです」

Q.失点が減ってきたり、ボールを握る時間が増えてきたり、内容の手ごたえはどうですか。
「やってきたことが試合中に無意識でできるようになってきているかなと。もちろん、精度や質はまだまだ求めていかないといけないと思いますけど、今までは意識的にやっていたようなものが自然と出てくるようになってきているから、ボールを持つ時間が長くなったり、攻撃に出られる時間が増えてきたりすると思います。守備の部分も段々整理されてきて明確になってきたから、失点も減っていると思います。やっと、ちょっとずつ積み重ねが出てきていると思います」

Q.今節・カマタマーレ讃岐戦に向けて。
「まずはチームの勝利のためにプレーして、個人としては得点を取りたいと思いながら準備をしています。勝利はマストだと思っていますし、この(公式戦)3連戦を勝利で締めくくれるようにやっていきたいです」

 

progress of a match 試合経過

ザスパ群馬
カマタマーレ讃岐
前半後半データ後半前半
13シュート11
5CK2
GK
8FK11
オフサイド
0PK0

MEMBER LINEUP メンバーラインナップ

スターティングメンバー
  • GK 21 キムジェヒ

  • DF 35 玉城大志

  • DF 30 小柳達司

  • DF 3 大畑隆也

  • DF 22 高橋勇利也

  • MF 6 米原秀亮

  • MF 7 西村恭史

  • MF 27 藤村怜

  • FW 20 下川太陽

  • FW 10 髙澤優也

  • FW 17 山中惇希

控えメンバー
  • GK 47 志賀一允

  • DF 14 菊地健太

  • DF 43 野瀬翔也

  • MF 2 田頭亮太

  • MF 36 安達秀都

  • MF 37 瀬畠義成

  • FW 9 青木翔大

  • FW 11 加々美登生

  • FW 18 田中翔太

監督
  • 沖田優

スターティングメンバー
  • GK 41 飯田雅浩

  • DF 35 左合修土

  • DF 3 井林章

  • DF 99 附木雄也

  • MF 33 河上将平

  • MF 6 長谷川隼

  • MF 15 岩本和希

  • MF 55 藤井葉大

  • FW 17 牧山晃政

  • FW 22 大野耀平

  • FW 90 後藤優介

控えメンバー
  • GK 1 今村勇介

  • DF 2 内田瑞己

  • MF 7 江口直生

  • MF 10 川西翔太

  • MF 13 前川大河

  • MF 60 森川裕基

  • MF 96 吉田陣平

  • FW 23 岩岸宗志

  • FW 24 上野輝人

監督
  • 米山篤志

DATA 試合環境

入場者数
2173
天候
曇時々曇 27.6℃ 54%%
主審
鶴岡将樹
副審
大原謙哉、眞尾龍

MOVIE ハイライト動画

COMMENT 監督&選手コメント

監督コメント

「勝利できなかった、最後に勝って終われなかった、追加点を取って終わらせることができなかった、追いつかれて引き分けてしまったというゲームですね。とにかく、(前節・)栃木SC戦の勝利から、今日は絶対に連勝が必要なゲームで、残り数分までリードしていた中で勝ち切れなかった悔しさがあります。サポーターの皆さんに、(一度は)逆転される姿を見せてしまいましたけど、また逆転して勝つ姿を見せてあげられなかったことにすごく責任を感じています」

Q.先制しながらも前半に2失点してしまった前半について。
「先制点を取ったあとに、相手陣地にいながらボールは持てていましたけど、結局シュート数は増えない時間を流してしまったので、そうしている間に2失点してしまったと。もったいなさをすごく痛感しています。実際に一つひとつボールに寄せるとか、自陣での守備の戦術的な整理とか、そこに関してはもっと僕のところの突き詰めや整備を選手にしっかりと落とし切れていないのかなと、責任を感じています」

Q.後半には再逆転できた中で、最後に追いつかれてしまいました。4点目を取れなかったことと、あのまま逃げ切れなかったことと、いろいろと原因はあると思いますが、どういうふうに受け止めていますか。
「3点目を取って、下がって、下がって、ゴール前を固めて、逃げ切って勝つことは考えていなかったので、それも含めて自分の采配の責任ではありますし、選手の投入の仕方もFWの選手を入れて、4点目を狙いにいってゲームを完全に終わらせる。自分たちが1人多かったので、そういう選択を自分はしましたけど、結果的に4点目を取れずに、1つのロングボールやスローイン、球際のところで、ペナ(ペナルティーエリア)外から決められてしまった。

とにかく、勝てなかった采配を含め、守備の整備を含め、自分の責任が大きいなと思っています。ただ、良かったところは逆転されたあとも慌てずに攻撃の形やスタイル、攻め方や崩し方は、ゲームの局面を考えれば慌てるところも出るかなと思いましたけど、慌てずに逆転までもっていってくれたところは評価をしています」

Q.リーグ戦では2試合連続無失点だった中、この日は3失点してしまった守備面について。
「失点場面は複雑なものではなく、シンプルな攻撃。完全に自分たちが裏をかかれて崩された失点は1つもなかったので、もっとシンプルな守備の整備の中で寄せ切れる環境、戦術体制、日ごろの守備意識の高まりのところは、栃木SC戦や(天皇杯2回戦・)鹿島戦では比較的できていましたけど、そこをもっと続けられるようにする。シンプルな攻撃で失点しないところを高めていかないと。いったんそういう失点の仕方は減っていた時期もありましたけど、今日ポンポンポンと出てしまったので、そこは少し悔しいと思っています」

Q.藤村怜選手との交代で同じポジションの選手ではなく、FWの青木翔大選手を入れた意図を教えてください。
「とにかく点を取らないといけない状況でしたので、よりFWタイプといいますか、クロスを供給したときに高さもあるし、ゴール前での感覚、エリア内で得点を取る感覚のより高い選手をチョイスして増やしました。実際、(FWの髙澤優也と青木の)2人とも1点ずつ取って逆転までもっていったところでは、良い仕事はしてくれたと思っています」

選手コメント

選手写真

FW20

下川 太陽Taiyo SHIMOKAWA


Q.昨季まで所属した古巣・カマタマーレ讃岐との対戦になりました。
「勝って終わりたかったですね。でも、スタメンで出て、頑張っている姿を讃岐のサポーターの方にも見せられたのは良かったと思っています。気合いは入っていました」

Q.先発での出場は久しぶりだったと思います。
「ワイドでも久しぶりにスタメンで出たので、とにかく仕掛けること、背後に抜け出すことを意識していました」

Q.前半は開始早々に先制点を取れて、良い時間帯が続きましたが、その後はどっちつかずの展開になってしまったと思います。
「僕のところからやられてしまったところもあるので、そこはしっかりと反省して守備の課題に取り組んでいって、攻撃でも課題は出たので、そこにこだわって練習からやっていかないといけないと思っています」

Q.3点取れた収穫と3失点してしまった課題のそれぞれをどう感じていますか。
「得点を取れることはすごく良いことだと思うので、あとは自分たちのサッカーのスタイルでボールを支配して、しっかりとゲームを終わらせることを意識して、もっと練習から取り組んでいかないといけないと思います。マイボールであれば失点はしないので、自分たちがボールを握って、相手が来るならはがすと。最後まで自分たちのスタイルでやれればいいと思います」

Q.今後に向けて。
「(リーグ戦は6試合)負けなしではありますけど、連勝をしたかったので、次こそはしっかりと勝って、昇格に向けて頑張っていきたいと思います」

選手写真

MF17

山中 惇希Atsuki YAMANAKA


Q.悔しさの残る結果だと思います。
「勝たないといけないゲームだったと思います。僕らが上に行くためには勝利が必要でしたし、こういうところの弱さが優勝を遠ざけてしまうと思うので、まだまだやらないといけないと思います」

Q.チームスタイルを考えれば、4点目、5点目を取れなかったことや先に2点目を取れなかったことへの思いが強いのか、それとも第10節・FC大阪戦の経験を踏まえて、逃げ切れなかった反省が強いのか、いかがでしょうか。
「前半の2失点はいらないですし、守備はもっと堅くやらないといけない、タフにやらないといけないと思います。いくら3点、4点と取っても失点していては意味がないので、そこの部分は両面ですね。もちろん3点は取れましたけど、4点、5点と取れるチャンスはありました。僕自身ももっとチャンスがあったので決め切らないといけないな、アシストとなるようにつなぎ切らないといけないなという部分もありますけど、優勝を考えるならやはり両面を上げないといけないと思います」

Q.先制点のシーンはうまくゴール前にもぐり込んだ形からだったと思います。
「あの瞬間、何か起こるとは思っていました。(玉城)大志があそこで受けた瞬間、足を振ると思っていたので、あとはこぼれ球に詰めるだったり、ちょっと触ってコースを変えてやろうだったりと思っていて、信じて走っていたから良いところにこぼれてきたと思います。ああいうシーンが何個かあったので、それも含めてもっと決めたかったですね」

Q.今日の勝点1をどう今後につなげていく必要がありますか。
「攻撃は3点取れたことはポジティブですけど、4点、5点と取れるチャンスはあったので、そこは引き続き伸ばしていかないといけないです。失点の部分は、(天皇杯2回戦で)鹿島の選手たちがやっていた強度で考えると、全然足りないので、寄せや球際、切り替えなどはもっとやらないといけないと思っています」

選手写真

MF35

玉城 大志Taishi TAMASHIRO


Q.この結果をどう受け止めていますか。
「前半に自分たちの意図した形から先制点を取れて、そのあとの試合運びは物足りないところがあり2失点してしまいましたけど、チームとして逆転できたことは積み上がっている部分だと思います。逆に3失点してしまった部分はまだまだだなと。良かった面と悪かった面の両方が出た試合だったと思います」

Q.先制点のシーンは、ご自身のシュートがきっかけになりました。
「3人目の動き出しはチームとして意識を持ってやっていたので、あそこでシュートまで行けたことは個人の成長でもあると思います。決められたら良かったですけど、(山中)惇希が押し込んでくれたので、良かったと思います」

Q.前半に逆転されてしまった時間帯はどういう感覚がありますか。
「自分たちは守備のチームではないと思っているので、相手の攻撃が長いと失点のリスクは高くなると思いますし、ボールをより握って攻めることが大事だと思っています」

Q.後半に逆転し返せたことについてはどう感じていますか。
「みんなで『必ず得点は奪える』と話していたので、3点取りましたけど、もっとチャンスはありましたし、4点、5点とリードを広げないといけなかったかなと感じました」

Q.同じように終盤に失点してしまった第10節・FC大阪戦のような反省はありますか。
「自分たちはゲームの締め方に課題があると思うので、あそこで守り切るのか、もう1点取りにいくのか、そこはもっとチームとして積み上げないといけない部分だと思います」

SUMMARY総括

痛恨の“ゴラッソ”。
逆転勝利は、痛み分けに


四度目の挑戦で今季初の連勝を果たしたいザスパ群馬は、前節の栃木SCとの“北関東ダービー”からスタメンの変更は1人。栃木SC戦で決勝点を演出した下川太陽が右ウイングに入り、そのほかの10人は同じ顔ぶれが並んだ。また、サブにはGK志賀一允が加入後初のメンバー入りを果たした。

日中の暑さも和らぎ、涼しい環境でのナイトゲームとなった試合は、いきなりの歓喜で幕を開けた。4分、小柳達司のフィードを起点に右サイドを攻略。下川、西村恭史、藤村怜とつなぎ、エリア内で玉城大志が左足で強烈なシュートを放つ。これはGKの正面に飛んだが、こぼれたボールを山中惇希が右足で押し込む。試合前にはJリーグ通算100試合出場のセレモニーも行った背番号17が、先制点をもたらした。

その後、10分過ぎごろからは、雨が降ったり止んだりし始めた中、群馬は良い攻撃から左サイドを中心にチャンスにつながりそうなシーンを作っていくが、2点目を奪えないままでいると、次第に流れはカマタマーレ讃岐に傾いていった。そして、36分に1つのピンチから失点。左合修土のフィードから後藤優介に同点ゴールを叩き込まれた。

さらに前半アディショナルタイムには逆転を許してしまう。クロスを一度ははね返すが、クリアボールを後藤に拾われ、気持ちよく右足を振り抜かれる。強烈なミドルシュートはGKキム・ジェヒの手をはじき、そのままゴールネットを揺らした。

後半もスコアが激しく動く展開となった。63分の大ピンチは相手のシュートミスに助けられると、67分の3枚代えを契機に群馬が流れを引き寄せる。加々美登生、菊地健太、瀬畠義成がピッチに立ち、ボールを握り返した。

そして、75分に同点ゴールが生まれる。ポゼッション率を高めて押し込めるようになった展開でアンカーに入った瀬畠が機を見て前線に飛び出し、右サイドのポケットを取る。そこから折り返したボールを、ゴール前で待っていた髙澤優也が押し込んだ。さらに、この勢いのまま群馬が逆転に成功する。81分、相手のクリアボールを回収したところからチャンスを作り、最後は途中出場の青木翔大がゴールネットを揺らした。

このまま終われば、見事な逆転勝ちとなったが、この日のサッカーの神様は簡単にゲームを終わらせてくれなかった。1点のリードを保ったまま迎えた5分のアディショナルタイム、自陣に蹴り込まれたボールを大きくクリアできずに、その流れから川西翔太に左サイドでボールを持たれると、“ペナ角45度付近”で右足を振り抜かれる。キレイな弧を描いたボールがファーサイドのネットに吸い込まれ、みたびスコアは振り出しに戻った。

お互いに死力を尽くしたゲームは、このままタイムアップの笛を聞くこととなり、両チームにとって悔しい痛み分けとなった。

文:須賀大輔(エル・ゴラッソ群馬担当)