GAME SCHEDULE / RESULT

試合日程・結果

GAME RESULT 試合結果

2024明治安田J2リーグ 第35節

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ザスパ群馬

群馬

2024.10.20 SUN 14:04 KICK OFF

正田醤油スタジアム群馬

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試合終了

AWAY

栃木SC

栃木

GOAL

  • 99 山田太郎 99'

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今季最後の北関東ダービー。

総力結集で目指す待望の勝点3


10月20日(日)14時キックオフ。今季の『北関東ダービー』最終戦となるザスパ群馬対栃木SCの試合が、正田醤油スタジアム群馬で開催される。

群馬は2週間前に行われたジェフユナイテッド千葉との試合を0-1で落とし、4連敗を喫した。勝利から5試合遠ざかることになったが、武藤 覚監督をはじめ、選手たちが口を揃えて感謝していたのは、その状況でも千葉のフクダ電子アリーナまで駆け付けたファン・サポーターの存在だ。アウェイ側のスタンドで、試合前から声を張り上げて応援する彼らを見て、何も思わない人はいないだろう。

これが、「その思いに応えなければならない」という武藤監督の言葉につながる。この決意は、監督から千葉戦のメンバー外あった選手たちにもミーティングで伝えられている。それに今節は、群馬を応援する人々ならばことさらに強い思いとともに迎える、隣県チームとのダービーマッチだ。「ダービーはいまの順位などは関係ない」(瀬畠 義成)。「ダービーマッチは勝たなければならない」(川本 梨誉)。選手たちもこの試合の意味を理解している。

副キャプテンを務める、地元・群馬出身の天笠 泰輝は「残りホームゲームが2試合しかない。あまり勝つ試合を見せられていないので、その姿を見せられたらいい」と話した。指揮官も認めるように、スタジアムの雰囲気はいつも以上に盛り上がるはずで、選手たちもその熱を受けて激しい戦いを見せるだろう。球際に厳しく、フィジカル自慢の選手も多い栃木を相手に、局面での勝負で負けないことは大きなポイントになる。

試合に向けた今週のトレーニングでも、前節までの課題も踏まえ、2対2や3対3など、ゴール前での局面を想定した激しいメニューが用意されていた。前回の勝利試合であるブラウブリッツ秋田戦のように、相手の強みの部分で上回ることで主導権を握って試合を進めたい。

残り4試合となり、シーズンの終わりも見えてきた。チームが苦しい今季の状況の中でも、公式戦のピッチになかなか立つことができていない者がいる。今季から群馬に加わったGK真木 晃平はこれまでベンチ入りを果たせていないが、日々の練習では自身のレベルアップにフォーカスしつつ、「練習でのGK練習の雰囲気を良くする」ことも意識しているという。大卒後のアマチュア契約からスタートさせた男は、ポジティブを貫く。

負傷によりシーズンの大部分をリハビリに費やすことになった藤村 怜は、「チームを見てもどかしい思いをもちながらも、復帰したときにはこのチームの力になれるように頑張るという思いでやってきた」と振り返った。現在は全体練習にも合流して、巧みなボールタッチから相手の急所を突くようなパスを披露している。「中央でアクセントをつけられるよう、(前線と後方をつなぐ)中継役になりたい」と意気込む。

開幕前の負傷が長引いたものの、藤村と同様に復帰して出場機会をうかがうのが齊藤 聖七だ。「体のキレも戻った。出ればやれる自信はある。常に試合に出たときの準備はしている」と練習場でのアピールを続ける。

ベンチに入るメンバーは18人だが、練習ではピッチに立つためにボールを追い、ゴールを狙い、またゴールマウスを守るザスパのエンブレムを胸に着けたそれ以外の選手たちの姿がある。「選手は練習から一生懸命やってくれている」と武藤監督。それにチームをサポートするスタッフがいて、スタジアムではザスパの勝利のために声を枯らすサポーターがいる。

そうした全員の力を結集させて、ライバルを倒したい。それが、来季につながると信じて。残り4試合は、チームや選手個々の将来のための4試合でもある。

文:田中直希(EL GOLAZO)


武藤 覚監督

(前節のジェフユナイテッド千葉戦から今節の栃木SC戦までの2週間では、どのようなことを意識して選手たちに伝えてこられましたか?)
「まず、残り4試合をしっかり戦うということを伝えました。(J2残留が達成できず)選手の中での気持ちの難しさがあると思いますが、練習から一生懸命やってくれています。それに千葉戦、その前のロアッソ熊本戦も含めて、ファン・サポーターは変わらずにスタジアムへ足を運んで応援してくれました。その思いに応えなければいけません。ましてや、次の試合は大事な『北関東ダービー』です。ファン・サポーターの方々の思いはさらに強いはずですので、自分たちもしっかりと戦おうと話しました。

そうすることで、選手たちの成長や今後のサッカー人生にもつながりますし、ザスパ群馬の今後にもつながると思っています。ダービーマッチであり、相手は残留争いをしている中での試合で、選手たちが戦うための雰囲気もファン・サポーターの方々が作っていただけると思っています」

(トレーニングでは、引き続き対人の守備やゴール前での局面を意識されたメニューが多くなっていますが?)
「失点場面で相手に寄せ切れない、その甘さという課題が続いてしまっています。熊本戦では2点を決めることはできましたが、ボールに寄せられずに失点を重ねて、結果として3点を入れられてしまいました。千葉戦でも悪くない試合展開ではあったと思いますが、相手のストライカーに決められた場面では寄せの甘さが見られました。そして、ボールを取らないと攻撃にならないということもあります。チームのベースアップとして必要なことだと捉えて、そうしたメニューを取り入れています」

(その残留争いを戦う栃木との一戦に向けて、チームとして必要と考えることは?)
「自分たちが何をできるか、というのが一番です。シーズンの結果がある程度見えているチームと、そうでない状況のチームということで違いはあると思います。ただ、自分たちはやれることをやるしかない。それは変わりません。もちろん、栃木さんが置かれている状況を踏まえて、相手がどんなメンタルでくるのか、試合展開によってこうなるかもしれない、というような情報共有はしていこうと思っています」


FW 14 川本 梨誉

(ここ数試合の戦いについて、どんな感触をもっていますか?)
「経験のある選手が入ったこともあり、戦い方の統一ができているというのは感じています。前々節の熊本戦では先制できたのにすぐ失点してしまい、前節の千葉戦ではチャンスがある中で決め切れないということも多くありました。内容が良くなっている中で、それを結果に結びつけられていない。だからまだまだだということだと思います」

(次の試合は栃木との『北関東ダービー』で、相手はJ2残留が懸かっている中での試合になりますが?)
「ダービーマッチは勝たなければならないですし、まだ今季は『北関東ダービー』で勝つことができていません。栃木さんは力がありますし、中断期間には練習試合もやって互いのチームのことは分かっている状況です。ザスパとしては、勝利することで来季につなげる試合にする必要があると思っていますので、ただ勝つことだけを考えてやりたいです」

(相手の印象は?)
「清水エスパルスジュニアユースのころ、トップチームの監督をやられていた小林伸二さんが監督を務めています。話したこともありますが、普段はとても穏やかな方ですが、チームには規律を求めて、やるべきことを明確にもっている監督さんという印象があります。

いまの栃木さんは、マンツーマン気味の守備をする特徴があります。また、パワフルで大柄な選手や身体能力が高い選手も多くプレーしているので、そういう選手たちをどう抑えていくか。自分たちとしては個人対個人のところで負けないことはもちろん、組織的にやっていかないといけません」

(ご自身のプレーの感覚については?)
「コンディションも、ボールフィーリングもとても良い感覚があります。毎日、賢太郎さん(吉田 賢太郎コーチ)に付き合ってもらってシュート練習をしていますが、その感覚もいいです。シュートを打つためのスペースの作り方を考えながらやっていて、得点は近くなっていると感じています。今季は3点を取ってからなかなか取れていないのは事実なので、目に見える結果を残したいと思っています」


MF 6 天笠 泰輝

(栃木戦でポイントになりそうなことは?)
「今季、球際の部分で勝てているときや、優位に立てているときにはいい試合ができている印象があります。その球際や、攻守の切り替えの部分で上回ることができれば、勝てる試合ができると思っています」

(前節の千葉戦では、途中出場の選手がいいアクセントになってより押し込むこともできていましたが?)
「試合の中で、攻撃の変化を出したいという思いはあります。例えばカバ(樺山 諒乃介)は前に仕掛けていくプレーが特長で、そこで違いを生み出せる選手です。そうした前線の選手の特長を生かすためには、自分が守備で貢献をしてボールを奪い、前線の選手にパスをつなげることが必要です。その機会を増やしたいと思っています。前にいるのが(和田)昌士くんであれば、いつも自分がパスを出しやすいポジショニングを取ってくれるので、そこへスムーズにパスをつけていきたいです」

(副将を務めたシーズンで厳しい結果になってしまっていますが?)
「本当に申し訳ない気持ちがありますし、責任を感じています。夏に移籍した城和(隼颯)のサポートもあまりできなかったという心残りがあるのですが、いまはしっかりと自分でやるべきことをやって、あと4試合、勝利を届けられるように頑張っていきたいです」


MF 37 瀬畠 義成

(個人として、千葉戦から栃木戦までの2週間で意識してきたことは?)
「ベースアップの部分ですね。いまはCBも務めているので、もっと球際に厳しくいけるように意識しています。そのデュエルの部分はもちろん、そうなる一つ前でボールを刈り取れるかどうか。守備の時間は必ずあるので、その守備を機能させること、また個人の守備範囲を広げて奪い切ることに取り組んできました」

(フィジカル面で強い選手も多い、栃木戦のポイントになりそうな部分は?)
「相手の土俵で戦わざるを得ない場面は出てくると思います。そこで簡単に負けないことは大切です。例えば以前のブラウブリッツ秋田戦でもそのようになった場面はありましたが、その(球際などの)面で有利な状況を作ることができて、ボールを握って攻める流れにもつながりました。だから、局面で絶対に負けないことですね。相手と一緒のスタイルで戦う必要はないですが、戦い方を整理してできればいいな、と思っています」

(攻撃面については?)
「相手がどういう戦いをしてくるかの情報を入れますが、メンバーを入れ替えるなど、いざ試合になったときに違う状況になることもあります。まずは目の前で起きている現象をしっかり観察できるようにしたいです。フィールドプレーヤーの中では一番後ろでプレーしているので、状況を見やすい位置にいます。どうやって攻めたほうがいいか、守ったほうがいいのか、というのを全体で共有しながら進められればいいな、と思っています」

progress of a match 試合経過

ザスパ群馬
栃木SC
前半後半データ後半前半
14シュート7
9CK3
GK
13FK11
オフサイド
0PK0

MEMBER LINEUP メンバーラインナップ

スターティングメンバー
  • GK 21 櫛引政敏

  • DF 34 小柳達司

  • DF 37 瀬畠義成

  • DF 36 中塩大貴

  • MF 5 川上エドオジョン智慧

  • MF 7 和田昌士

  • MF 44 仙波大志

  • MF 6 天笠泰輝

  • FW 28 樺山諒乃介

  • FW 23 平松宗

  • FW 14 川本梨誉

控えメンバー
  • GK 42 石井僚

  • DF 3 大畑隆也

  • DF 29 田頭亮太

  • MF 15 風間宏希

  • MF 17 山中惇希

  • MF 19 齊藤聖七

  • FW 40 佐川洸介

監督
  • 武藤覚

スターティングメンバー
  • GK 27 丹野研太

  • DF 23 福島隼斗

  • DF 40 高嶋修也

  • DF 5 大谷尚輝

  • MF 7 石田凌太郎

  • MF 16 玄理吾

  • MF 4 佐藤祥

  • MF 18 川名連介

  • FW 42 南野遥海

  • FW 19 大島康樹

  • FW 29 矢野貴章

控えメンバー
  • GK 1 川田修平

  • DF 17 藤谷匠

  • MF 44 揚石琉生

  • MF 6 大森渚生

  • MF 10 森俊貴

  • FW 15 奥田晃也

  • FW 38 小堀空

監督
  • 小林伸二

DATA 試合環境

入場者数
4354
天候
19.8℃ 28%%
主審
窪田陽輔
副審
田尻智計、手代木直美

MOVIE ハイライト動画

COMMENT 監督&選手コメント

監督コメント

本日行われました「2024明治安田J2リーグ第35節vs栃木SC」の試合後監督記者会見における武藤監督のコメントをお知らせいたします。


北関東ダービーということで、サポーターにいい雰囲気を作ってもらいましたし、絶対に負けてはいけない試合でしたが、負けなくてよかったではなく、勝たなくてはいけない試合だったと思います。チャンスは作ったけれど点が取れなかったという、いつもこの会見で話していますが、それが今シーズンの課題で、それを解消できなかったのが反省点です。

チャンスを作ったが、その質は上げないといけないし、その回数をもっと増やさないといけないというところは、試合後のロッカーを含めて選手に話をしてきました。

次が徳島ヴォルティス戦で、ホーム最終戦になりますので、そこに向けてしっかりとトレーニングをしなければならないですし、ゲームに向けた準備をしっかりしたいと思います。

失点しなかったというところで、(守備では)すごく戦ってくれたと思います。チャンスを突くところ、決め切るところというのは、リスタートのプレーを含めた課題です。そこで取れるか取れないかで、勝てる、引き分ける、負けるというのが変わります。勝つために準備していかないといけないと思います。


(4バックでスタートしたように見えましたが、最終ラインを5枚にして守る時間もありました。山中 惇希を投入してからはあまり5バックでの守備にはならなかったようにも見えましたが、どういう意図があったのでしょうか。)
基本的には4バックでトライしました。前節のジェフユナイテッド千葉戦を含めて、(意図したものが)できた部分はありました。コンディションのいい選手もいて、前の選手のパワーを出したいという意図があり、4バックのほうが前に選手を置けるかな、という思いもありました。

最終ラインが5枚いるように見えたのは、栃木SCさんの攻撃に対応した流れで、基本は4枚で守備しようとしました。下がってしまうと、栃木さんにはロングボールに強い、高さやパワーのある選手がいましたし、起点を作らせないように前にプレッシャーを掛けていきたい思いがありました。

前半は風で蹴ったボールが止まる、逆に後半は長いボールが伸びるという中で、選手はよく対応してくれていたと思います。しっかりとボールに対してプレッシャーを掛けていく意図があり、あまり4バックをやっていなかったぶん修正しないといけないところはありますが、体を張るところ、セカンドボールを拾うところはしっかりやっていくれていたと思います。

(相手の倍のシュート数を放ちました。決定機につながったのはクロスが多かったように見えましたが?)
ペナルティーエリアの前でいい状態になっていた場面もありましたし、カウンターでもっていけたシーンもありました。中央からの攻撃の形も多少は作れたと思いますが、栃木さんは残留が懸かっていて、スライディングブロックなど、残留のために、という気持ちも入っていたと思います。最後のチャンスにシュートブロックをされたときには気持ちの強さを感じました。そこで決め切りたいシーンです。ワイドからの攻撃をやっているぶん、中が空くというのもあると思いますし、中の攻撃をやるからワイドが空くという両方の部分があると思います。その回数を増やしたいですし、ペナルティーエリアの前で前を向く回数を今までより作れたと思いますので、次の週に向けてまたやっていきたいです。日頃の積み重ねがゲームで出るので、相手がいる中でそういうことができるようにしていきたいです。

(山中 惇希選手のコンデションについては?)
練習の中でアクシデントがあったので、山中をサブに回しました。ただゲームは出られるコンディションだったので、トレーニングの中で起きたこと、やっていることの良さが出るという判断で起用しました。もちろん、和田 昌士も悪くなかったですし、誰をどう使うかというのはトレーニングから見ていきたいです。選手がやってくれていた部分をピッチで出してほしいと思って起用しました。

(齊藤 聖七選手が今季リーグ戦初出場となったが、その起用の意図は?)
彼はシーズンの頭でケガがあって出遅れて、なかなかゲームに絡めない時期があった選手です。天皇杯で試合に出ていたものの、リーグ戦では絡めない状況が続いていましたが、トレーニングの中で彼の良さが出ていたところはあり、ほかの選手のコンディションの影響もあって、ひと枠を使えるなというのがあったので、起用しました。この2週間、紅白戦もあり、そこで良さが出ていました。それに、ほかの選手への刺激ということも考えました。

(残り3試合に向けて、これからもメンバー起用の変化はありそうですか?)
メンバーに関しては、勝つために、トレーニングで良かった選手は変更しようと思っています。けが人が戻ってきている中で、いい競争になりますし、徳島、大分いわきと残っているメンバーで決めていきたいです。

(今節を終えて、今季の最下位が確定したが?)
降格圏で終えることが決まって、モチベーションがむずかしい中で選手たちはトライしてくれています。最下位で終わるのはイヤだといっていました。勝点を取らないと順位は上がりません。得点が少ないのがどうしても課題だと思っています。そこで点を取れていれば勝点が1なのか、3なのか、と増えたのもある、選手たちはトライをしてくましたが、トレーニングの持っていき方などに反省しなければならないことはあるのですが、選手はやれることはやっているし、この成績は僕の責任と思っています。

選手コメント

選手写真

GK21

櫛引 政敏Masatoshi KUSHIBIKI

(無失点に終えた守備の感触はいかがですか?)
「まず、風はいつもよりは弱いほうでしたが、久しぶりの風でしたので、割り切ってやっていこうと思っていました。無理せずにプレーすることはできたと思っています。一方で、守備陣として背中に入ってきたボールを守る部分に関しては、もう少し突き詰めていかないといけません。たまたま枠外にいったシュートでも、枠に入っていてもおかしくない状況を作られていたのは事実です。守備の選手として、自分の背中に相手を入れないという部分をやらないといけないかな、と思っています」

(体を張って守る部分などが見えて、連敗を脱出したが?)
「今日のような守備は、昨季までやってきた本来の姿だと思っています。その感覚を試合で出すことができたという点は良かったと思っています。一方でチャンスはあったので、そこで決められるかどうか。そこで枠にシュートを入れられるかどうかというのも今季の課題です」

(これで最下位で終えることが決まってしまったが?)
「今季のスタートの段階から、危機感をもってやってきました。昨季を3連敗で終えていたこともその理由です。ただ、危惧していたことが現実になってしまったと感じています。個人の力で状況を変えられれば良かったのですが、11人でやるスポーツですから難しい部分もあったのが正直なところです。ただ、次のホーム最終戦はしっかりと結果を出したいと思っています」

選手写真

FW40

佐川 洸介Kosuke SAGAWA

(どんな思いで試合に入りましたか?)
「0-0の状況で、栃木さんは前からガツガツくるタイプのチームだったので、まずは競り合いで負けないことを目標にしていました。(山中)惇希も入っていましたし、自分が入ったら絶対にチャンスを作れると思っていました。なかなかクロスが入ってこなかったですが、来たら決めるという意識でいました。1本、CKを折り返したヘディングはありましたが、その場面でも自分でシュートを打てるポジションに入っていって、どんどんシュートを打っていければと思っています」

(相手の守備の印象は?)
「守備の固さは試合前からイメージしていたものでした。そこに対して、どれだけ自分たちがゴール前にクロスを入れられるかというのは考えていましたが、なかなかチャンスを作ることができなかったので、もっとチャンスを作りたい思いがあります。それでも、後半のほうがチャンスの場面を作れていたと思うので、自分たちの良さが出たところはあったと感じています」

(ホームゲームは残り1試合となりましたが?)
「リーグ戦はホームで1勝しかできていません。苦しい状況ですが、最後は勝って終わりたい思いがあります。今日もサポーターの方々は素晴らしい応援をしてくれました。それにもかかわらず引き分けに終わってしまったので、今度こそ、最後は良い結果で終われるように次の徳島戦に向けてしっかり練習していきたいです」

選手写真

FW19

齊藤 聖七Sena SAITO

(負傷から復帰して、加入後初めてとなるリーグ戦出場となりましたが?)
「自分のプレーに自信が出てきたところだったので、いつかは試合に出られると思っていました。ザスパに加入して初めてリーグ戦でベンチ入りして、それが北関東ダービーでした。非常に気合いが入りましたし、ピッチにたったときのサポーターの方々の声援は心臓まで響くものでした。やらなきゃいけない、という思いになりましたが、勝てなくてすごく申し訳ないです。最後、スタンドに挨拶へ行ったときにはいろいろな言葉も飛び交いますが、それも応援にきていただいているからこその言葉でもあると思っています。次の試合がホーム最終戦になってしまいましたが、絶対に勝って声援に応えたいと思います」

(公式戦でのプレーの感触はいかがでしたか?)
「投入されてから、割と早いタイミングでファーストタッチができてよかったです。とてもオープンな展開だったので、ロングスローに対しての守備に回ることもありました。難しいタイミングでしたし、一瞬で出場した5分ほどが過ぎたという印象です。なのでなんとも言えないですが、自分のボールタッチが出た部分もありましたし、クロスではミスをしてしまいました」

(どんな指示がありましたか?)
「トップ下に入って(佐川)洸介の近くでプレーしてほしい、と言われました。前でターゲットになる選手の周りでプレーすることは得意で、前向きにボールを持つことや、ハーフスペースでターンすること、それに洸介に決定的なラストパスをとおすことをイメージしていました。もっとそういう場面が出せればよかったです」

SUMMARY総括


ライバルを苦しめるも、

ホームのダービーで勝ち切れず


今季最後となる『北関東ダービー』は、正田醤油スタジアム群馬で栃木SCを迎えて行われた。群馬も栃木も、今季のダービーマッチは2分1敗という状況。それに、群馬は最下位脱出、18位の栃木はJ2残留圏浮上のためにもどうしても勝利が欲しいゲームだった。

GKの櫛引 政敏が「いつもより弱いほう」と評したが、正田スタ特有の風が攻守に影響を及ぼしていた。より苦しんでいたのは、最前線の矢野 貴章らに入れるロングボールを多く使う栃木のほう。前半、後方から入れる栃木のボールは風によって押し戻され、前向きでプレーする群馬守備陣がそれを拾って攻撃に転じることができた。前節のジェフユナイテッド千葉戦から継続した4バックのシステムは、相手の攻撃陣形を見ながら[5-2-3]や[5-4-1]にも変形させて対応することで前線からのプレッシャーもハマり、栃木に不自由な攻撃を強いることに成功した。

攻めては、ボランチで起用された仙波 大志がよくボールを受けて攻撃のリズムを作り、前線に入った和田 昌士が栃木守備網のギャップに顔を出してキープして後方からの攻め上がりも促していた。6月16日の第20節・レノファ山口FC戦以来の先発となった和田がそうして攻撃で特長を出せたのは、FWの平松 宗が効果的なランニングで栃木の最終ラインを揺さぶっていたからでもある。

群馬優勢の流れでも、突破力のある栃木のウイングバック・川名 連介がいる左サイドからの攻撃に手を焼いた14分、22分、そして42分と左サイドからのクロスからチャンスを作られたが、シュートは枠を外れるか、櫛引の正面に飛んだ。

前半に迎えた群馬のチャンスは20分、カウンターから仙波が一人で持ち上がり、シュートを放った場面などが挙げられる。クロスやセットプレーからゴール前に幾度となくボールが入っていたが、これらは栃木守備陣にはね返されていた。

エンドが入れ替わった後半、風上に立った栃木が盛り返す。それを見るや、群馬は練習中の負傷によって先発から外れていた山中 惇希を投入。左サイドで守備にもよく戻っていた川本 梨誉が前線へ、和田が右サイドに回るポジション変更を行った。その山中の突破から、この日最大の決定機が生まれる。61分、山中が上げたクロスの流れで和田から右サイドの川上 エドオジョン智慧へ。そこからグラウンダーで入れたマイナス気味のボールがフリーの川本に渡った。だが、川本のシュートは左に外れて皆が頭を抱えた。

終盤、残留に向けてなりふり構っていられない栃木がパワープレーに出た。それに負けじと、群馬も瀬畠 義成らが空中戦に勝ってはね返していく。逆に、山中がこぼれたボールに反応してシュートを放つビッグチャンスも訪れたが、栃木の体を張ったブロックに遭った。

結局、ゴールが生まれないままタイムアップ。群馬は4連敗をストップさせた一方で、またもホームで勝つことができなかった。『勝利必須の北関東ダービー』の意味からか、「勝てる試合を勝てなかった」(武藤監督)チームに対して、試合後には厳しい声も飛んだ。「ダービーを大事にしているサポーターの方々の声はしっかり受け止めないといけない」と話した副キャプテンの天笠 泰輝は、「一人ひとりが勝つ意識をもっと出していければ、勝利することもできると思う」と続けている。

この日、練習で強くアピールした選手、負傷明けの選手がピッチに立ち、ベンチに入ってチームに刺激が加わった。体を張って守り、攻めに出ていく「昨季までやってきた本来の姿」(櫛引)も見られたことは見逃せない。「今度こそ、最後は良い結果で負われるようにしっかり練習していきたい」と佐川 洸介。次節は1週間後の10月27日、今季のホーム最終戦となる徳島ヴォルティス戦だ。


文:田中直希(EL GOLAZO)